心理カウンセラーである私は、2014年から毎年、ミス・ユニバース・ジャパン日本大会の「ビューティーキャンプ」（集中合宿）で、メンタル面の講義を担当し、 自信をつけて人生を切り拓いていく方法を教えています。ミス・ユニバース・ジャパンとは、日本一の女性を決定する美の祭典です。ここで１位に輝いた女性が日本代表として、世界大会へ出場します。
私のワークは、どれも変わっていて、皆さんが想像するものとは異なるかもしれません。ですが、言葉で言い聞かせるだけでは得られない、本物の自信を身につけるためのとっておきの方法ばかりです。
■心理カウンセラーの私が「美の祭典」ミス・ユニバース・ジャパンに必要とされる理由
「美しさ」と「心の問題」との間には、一見、なんの関係もなく思えるかもしれません。しかし、「自信」には、人生のすべてを変えてしまうほどのパワーがあります。自信は、行動面（話し方、姿勢、立ち居振る舞い、仕事のパフォーマンス）、自己表現（ファッション、メイク）、人間関係（恋愛、つき合う友人）、生活の質（描く夢、目標、収入の額、食べ物）にいたるまで、あらゆるところに影響します。
たとえば、「自分には、よいものを受け取る価値がある」という自信に満ちた人は、美や健康を保つ、体によい食事を当たり前のように食べることができます。自分の魅力が引き立つ美しい服を着ることもできます。素敵なプレゼントをされたら、素直に感謝して受け取ることができます。ところが、自分に自信のない人は、自分のために健康にいい食材を買うことさえ、「私なんかには、もったいない」と罪悪感を抱き、避けることがあります。服やメイクにしても、「そんなに明るい色は、私には似合わない」「みんなに笑われそう…」などと勝手に決めつけてしまい、本当は似合うものさえ、自ら遠ざけてしまうのです。
■「自分はこうしたい！」――他人を気にせず行動できる人の特徴は、ここに表れる
もし今、テンポのいい音楽が聞こえてきたら、あなたはまったく体を動かさないでしょうか？ それとも楽しくなって体を動かしますか？小さな子どもならテンポのいい音楽が流れてきたら、自然と飛び跳ね、愉快な気持ちになって踊り出しますね。これは誰かに教わったものではなく、人間の本能的な行動です。音楽に合わせて無意識的に体が動くのは、私たちが生まれながらにもっている喜びの表現方法です。形式化され、洗練された踊りは文化的、社会的なものなのでここでは区別します。もし、自然に踊れないとしたら、何かが踊ることを止めているのです。
「恥ずかしい」「下手だから、変に思われる」「私は踊りが得意じゃない」「踊り方を知らない」といった思いが、あなたの体を縛りつけていませんか？大人になるほど、自由に動くことをたしなめられることが増えていきます。電車の中では静かに、職場ではきちんと椅子に座る……などと、大人しくするよう要求されるようになっていきます。しかし、じつは、こうした体の束縛は、心や思考も束縛してしまうのです。自由な発想を押し殺してしまうくせがつくのです。
■必要以上に、人の目を気にしなくなるワーク
自信のある人は、自分の判断、行動、表現を尊重できます。自分には何かをする価値があると思えるので、したいと思ったことを素直に実行することができます。そんな、素直さを取り戻せる、簡単なワークをご紹介しましょう。
これは、誰も見ていない自分の部屋の中で、自分の好みの音楽に合わせて自由に体を動かすというもの。片方の足でリズムを取るような小さな動きではなく、全身を大きく動かして、子どものように思う存分、はしゃいでみてください。のびのびと踊るうちに、気分もよくなり、心が解放されるのを感じることでしょう。体を楽しく動かしているとき、嫌なことは考えられないものです。必然的に思考がポジティブになり、驚くほど簡単に自分に対するイメージが好転していきます。
ミス・ユニバース・ジャパンのビューティーキャンプでも、セルフイメージの改善のために音楽に合わせて自由に踊ってもらいます。ダンスをしたあとの彼女たちの表情は、ワークの前とは別人のように明るくなります。「私はできる！」という確固とした自信が宿ったことで、目の奥が輝き、喜びがあふれる、取り繕ったところのない笑顔に変わります。
ビューティーキャンプへ参加している期間中、ファイナリストたちはお互いがライバル同士です。そのため、どうしても気持ちがピリピリと張りつめてしまうのですが、自由に踊って体を伸ばすと気持ちがほぐれ、心に余裕が生まれ、ほどよい緊張感に調整できるのです。
【関連書籍】
『自分に自信をつける最高の方法』（三笠書房）
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