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失明につながる「滲出型加齢黄斑変性」をチップ上で“再現”

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2017年06月28日 12:01  QLife(キューライフ)

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QLife(キューライフ)

高齢者に多い網膜疾患


画像はリリースより

 失明につながる眼の病気「滲出型加齢黄斑変性」の病態の一部を、3次元培養モデルの生体組織チップ上で再現することに、東北大学が成功しました。

 滲出型加齢黄斑変性は、網膜の中心にある黄斑という組織が、加齢によるダメージで変化する病気。脈絡膜新生血管という異常な血管が、脈絡膜から網膜色素上皮の下あるいは網膜と網膜色素上皮の間に侵入することで網膜が障害され、視力障害を引き起こします。患者さんは高齢者が多く、失明につながる場合もあることから、日常生活に大きな影響を及ぼします。

 網膜疾患に対する医薬品候補化合物の評価には、疾患モデル動物が使われていますが、必ずしも人に当てはまるわけではなく、コスト面や倫理面でも課題があります。最近は、生体内に近い環境で細胞を培養できる「生体組織チップ」の開発が進んでいますが、肺や肝臓など消化呼吸器系を対象にしたものが多く、眼を対象にした研究はほとんど行われていません。

「新生血管」の発生の一部を再現

 東北大学大学院工学研究科の梶弘和准教授らによる共同研究グループは、滲出型加齢黄斑変性の主な病態である新生血管が発生する過程の一部を、生体組織チップ上で再現することに成功しました。

 研究チームは、網膜の一番外側の構造を模倣し、チップ上でヒト由来の網膜と血管の細胞をそれぞれ培養。その後、網膜の細胞を低血糖状態や低酸素状態にすると、血管の細胞が網膜の細胞側に移動し、網膜の細胞がダメージを受けることがわかりました。この現象は、新生血管が発生する過程を一部再現できたことになり、病態の一部をチップ上で再現できたことによって、モデル動物の代替として病態解析や創薬スクリーニングに、チップが応用できる可能性があります。

 研究チームでは今後、より生体機能に近い生体組織チップの開発を考えているほか、患者さんのiPS(人口多能性幹細胞)由来の成熟分化細胞で各細胞を置換することで、個々の患者さんに合わせた治療法の開発や創薬スクリーニングへの発展も見込めるとしています。さらに「他の臓器を模倣した生体組織チップと接続することで、全身の薬物動態を検討できる可能性もある」としています。(菊地 香織)

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