そしてザイオン君にふさわしい上肢を提供できるドナーが現れたとの情報を得た2015年7月、ペンシルバニア大学医学部と提携している「Children’s Hospital of Philadelphia」では10時間40分もの時間をかけた移植手術が行われた。ドナーとレシピエント、それぞれの左右の手に対応する4つの医療チームが組まれ、手術は大成功。脳と手の筋肉を接続するため脳には電極が埋め込まれ、あとはリハビリテーション(作業療法)を通じてコンピュータがどれだけの信号を受け取り、また指先に向かって送れるかに委ねられた。
義務教育の真っ最中というザイオン君は、読み書きの勉強にも真剣に取り組んでいる。もちろんこうした快挙の陰には、医師団の懸命な治療と多大な労力と試行錯誤があったとのこと。そのあたりの詳細は英オンラインジャーナル『The Lancet / Child and Adolescent Health journal』に報告されているそうだ。子供の移植手術成功は世界で初めての快挙だという。身体の発育に見合う成長を移植された手にも望むことができるのかも気になるところだ。
画像は『Metro 2017年7月18日付「Boy, 8, who was first child to have successful double hand transplant can now write」(Picture: PA)』のスクリーンショット (TechinsightJapan編集部 Joy横手)