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<保守派の信頼が厚いセッションズをこき下ろすトランプを、共和党や支持者も見放し始めた>
ロシア疑惑をめぐる捜査が進めば、リチャード・ニクソン元米大統領以来の弾劾危機にも直面しかねないというのに、相変わらず何でもツイートで解決しようとするドナルド・トランプ大統領を、支持者も遂に見放し始めた。保守派のメディア、米議会、そしてトランプ支持層も。
最も忠実な同志だったはずのジェフ・セッションズ司法長官を辞めさせる可能性を示唆するツイートの嵐が始まったのは7月24日の月曜だった。火曜の早朝にも続いた。なかには、ヒラリー・クリントンの私用メール問題の追及などに対して「非常に弱腰」だった、と非難するツイートもあった。
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もし世の中の反応を試すためのツイートだったのなら、トランプにも分かったはずだ。司法省にロシア疑惑の捜査をやめさせる目的でセッションズを解任すれば、支持基盤との決定的な対決につながるということを。
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共和党の元下院議員で現在はラジオ司会者のジョー・ウォルシュは本誌の取材に対し、セッションズの解任は「レッドライン(越えてはならない一線)」に当たるので、解任は賢明でないと語った。「ほとんどの視聴者が、トランプのセッションズに対する扱いが気に入らないと言っている。セッションズは立派な保守派だから」
右派メディアもトランプ批判
トランプの首席戦略官を務めるスティーブ・バノンの古巣で右派ニュースサイトの「ブライトバート」もトランプに噛みついた。セッションズへの攻撃は、トランプ自身の「弱腰」を浮き彫りにしたという見出しでこう書いた。「トランプの支持層は移民制限政策の実現に向けてセッションズに最大の期待を寄せており、支持者たちから懸念の声が上がるだろう」
「セッションズがこんな扱いを受けているのを見るのは嫌だ」と言ったのは、保守派のラジオ司会者ラッシュ・リンボーだ。トランプが「あれほど忠実な味方を批判する」のは「いささか不快で、あり得ない」
また米フォックス・ニュースの司会者タッカー・カールソンはこう言った。「ジェフ・セッションズに対する攻撃は無駄で自滅的な行為。政治でも戦争でも人生でも、いちばん重要なのは仲間を撃たないことだ」
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トランプにとって本当に怖い相手である米議会も、態度を硬化させている。
トランプは、セッションズがロシア疑惑の捜査の担当から外れたことを非難している。そしてその最終目標は、ロシア疑惑の捜査を担当する特別検察官ロバート・ムラーの解任ではないか、と噂されている。
だが議会は、ムラーの存在に関係なくロシア疑惑の捜査を続行し、トランプを弾劾する権限も握っている。
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そして共和党のポール・ライアン下院議長は火曜、セッションズを解任するのはトランプの「特権」だと語る一方、ムラーによる捜査が「魔女狩り」だという批判は当たらない、とトランプの言い分を否定した。
「ムラーは共和党の大統領に任命され、共和党政権の下で任期満了までFBI長官を務めた共和党員だということを忘れてはならない」と、ライアンは日曜のラジオで語った。「ムラーは党派的な人物ではない。重要なのは、下院と上院と特別検察官が並行して捜査を行うことで政治的な影響を排除できており、捜査が政治ショーになるのを免れていることだ」
共和党議員たちの心は動揺や疑問、驚きなど様々に揺れている。
火曜の午後、議員たちの不安が露わになる場面もあった。共和党のスーザン・コリンズ上院議員(メーン州選出)が民主党幹部のジャック・リード上院議員(ロードアイランド州選出)の会話が、電源が入ったままだったマイクから漏れ出した。
コリンズは言った。「補助金という単語を見れば何でも削除する。基準も考えもない。信じられないほど無責任だ」
リードは答えた。「(トランプと思しき)彼はいかれている」「軽々しくは言えないが、彼はちょっと狂った男だ」
コリンズは同意した。「不安だ」
特別検察官には手を出すな
議会の共和党議員は行動こそ起こしていないものの、不安なのはコリンズだけでないと、ウォルシュは本誌に語った。もしトランプがセッションズを解任すれば、数人の議員が身を乗り出して反対すると予想する。
もし、ムラーを解任すれば? 「津波が押し寄せる。間違いなくレッドラインを越える。議員たちはやり過ぎだと言うだろう。そうなればトランプは危機だ」
今後は、トランプがムラーを解任して危機に陥るか、ムラーがトランプを有罪にする証拠を見つけるかのいずれかだ。もし2018年の中間選挙以前に有罪の証拠が見つかれば、共和党議員は反トランプに動かざるを得ず、結局ムラーを解任した場合と同じ危機に陥る。
「これは不運なことだし、共和党にとって本当に悪い状況だ」と、ウォルシュは言う。
(翻訳:河原里香)
ニナ・バーレイ
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