さらば「お金」、物々交換で物資を調達する「極限生活」…税金から逃れられる?

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2017年08月03日 09:53  弁護士ドットコム

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もうお金とは無縁の生活を送りたいーー。日々の苦しい経済事情や、金をめぐる現代社会の息苦しさから、そう思ったことはないだろうか。そんな時に思い浮かべるのが、自分で作物を育てて、必要な生活物資と交換する、かつての物々交換システムだ。


【関連記事:固定資産税のかからない「キャンピングカー生活」本当に節税になるのか、税理士が検証】


ネットのQ&Aサイトにも、「消費税も諸税も大増税に向かう中で、重税・酷税に苦しむ庶民は物々交換システムを見直すのが自衛手段です」とコメントする人がいた。


なかなかお金の呪縛からは逃れられないのが現実だろうが、もし、自分で作物を育てて、近所の人と必要な物資の物々交換をする、水は井戸水で賄う、電気は自家発電するといった、お金のかからない生活をした場合、税金をとられることなく過ごすことができるのか。小林拓未税理士に聞いた。


●消費税、所得税、住民税からは逃れられるが・・・

まず、消費税はどうなるのか。


「そもそも消費税は、法人や個人事業者などの、事業者に対して課される税金ですので、事業を行っていない個人については、消費税が課されることはありません。


物々交換生活を行った場合には、生活用の物品の交換が中心になると思われますが、これらは事業には該当しないため、物々交換を行ったことだけで、消費税の課税事業者になることはありません」


所得税や住民税はどうなるのか。


「金銭的な所得が一切ない場合は、所得税も住民税も、税金はかかりませんので、自分で農作物を育てて自給自足生活を行い、必要な物品は、物々交換で賄う、という生活を行った場合は、税金を支払うこともありません」


他に税金がかかる可能性はあるのか。


「持ち家の方であれば、固定資産税が発生しますし、借家にお住まいであれば、毎月の家賃が発生します。自家発電で電気を賄うにしても、電気を作るエネルギーについては、庭から石油でも湧いてこない限り、外部調達せざるを得ず、金銭の支払いが生じますので、その金銭を得た場合には当然に課税されます。


現実的には、税金がかからない程度の最小限の金銭収入と、物々交換による生活コストの減少、により生活していくというのが、もっともお金のかからない生活スタイルになることと思われます」


【取材協力税理士】


小林 拓未(こばやし・たくみ)税理士


東京都中央区にて平成19年から開業。「専門家として、長期的な視点で顧問先の発展に尽力する」ことを経営理念に掲げる。平成29年1月から税理士法人石川小林として新たなスタートを切る。


事務所名   : 小林税理士事務所


事務所URL:http://www.ktaxac.com


(弁護士ドットコムニュース)


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