屋上プールで有名なあの建物も! 世界の富裕層が実践する“特別な風水”とは

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2017年08月03日 18:04  新刊JP

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『はじめてのフライングスター風水』の著者、藤木梨香子さん
なかなか経営が上手くいかない。ビジネスが成長しない。人が定着しない。こうした負のサイクルに悩まされている経営者も少なくないだろう。

一方で成功し続ける経営者もいる。同じ人間、実力的には変わらないのになぜ違いが生まれるのか? それは幸運に恵まれているか否かという違いなのかもしれない。

世界の富豪たちが集まっている金融立国シンガポールでは、そんな好運を呼び寄せる仕掛けが存在している。中華系の人々に古代から伝わる思想「風水」だ。それも、私たちがよく知っているような、ある方角に特定のモノを置くというちょっとした開運術の規模ではなく、もっと大きなオフィスや建物全体を支配する風水術である。

『はじめてのフライングスター風水』(自由国民社刊)は、日本人初の国際風水協会(本部・シンガポール)認定風水マスターである藤木梨香子さんが、シンガポールの富裕層たちが実践する風水術「フライングスター風水」について紹介した一冊。日本人でも知っているシンガポールの有名建築物を取り上げたケーススタディも豊富だ。

しかし、「フライングスター風水」とは一体どのようなものなのか? 普通の風水とは何が違うのか? 著者の藤木さんにお話をうかがった。
(新刊JP編集部)

■屋上プールが有名な「マリーナベイサンズ」は風水的に賛否両論だった!?

――「フライングスター風水」とはどのような風水なのでしょうか。また、普通に私たちが知っているような風水とどのような点で違うのでしょう。

藤木:日本で風水という言葉が出回り始めたのは今から30年ほど前ではないかと思います。

「西に黄色で金運アップ」というフレーズに代表される風水は、一時期ブームとなりました。そのブームが去ったあと、風水は日本に昔からある家相鑑定術に、お掃除お片付け術その他諸々を加えた開運術の一つとして認識されたまま今に至っている状態です。

「フライングスター風水術」と他の風水術の一番の違いは、時間の経過を考慮に入れる点です。今金運に恵まれている家が10年後も同じように恵まれるとは限らない、ということです。また、この風水術では、どの建物にも一定の条件のもとで住人の金運を上げる金運スポットが存在しますが、その金運スポットがある方位は建物によって異なります。どの建物も一律に西が金運スポットだということではありません。

――では、どのように金運スポットを調べるのでしょうか?

藤木:「フライングスター風水術」では、家やオフィス、店舗を東・西・南・北・北東・南東・南西・北西・中心の九つの方位に分け、それぞれの方位にどのようなエネルギー(フライングスター・飛星)が分布しているかを調べます。そして、吉星を強化し、凶星を抑える対策を取ることで住人の財運や健康運を上げていきます。

この風水術で鑑定するには、陰陽五行や八卦などについての勉強や経験が必要な為、シンガポールや香港ではプロの風水コンサルタントに鑑定してもらう習慣がありますが、日本では誰に頼めば良いかわからないというのが実情だと思います。

それではいつまでもこの風水術が日本に伝わらないのではないかという思いから、難しい理屈抜きにご自分のお家やオフィスを鑑定する方法を本でご紹介しました。

――本書には、北斗七星に由来する「9つの星」が建物の中に分布しており、どの方位を飛んでいるかによって財運や健康運などが決まってくると書かれています。この「9つの星」について、もう少し詳しくご説明をお願いします。

藤木:9つの星とは、建物内に分布するエネルギーのことで、建物内を飛んでいるイメージから「フライングスター(飛星)」と表現します。フライングスターには、財運を左右する水星と健康運、人間関係運を左右する山星の2種類があり、水星、山星共に9つずつあって各々固有の性質を持っています。

そのエネルギーは20年ごとに変化しますが、2004年から2023年までの間は、大吉星は水星8、山星8、2番目が水星9、山星9、3番目が水星1、山星1です。それ以外の星は凶星ですのでそれぞれ対策が必要となります。

――水星と山星以外で星はあるのですか?

藤木:財運を左右する9つの水星と、健康運、人間関係運を左右する9つの山星の二種類だけです。水星、山星以外の星はありません。

――藤木さんはどのようにして「フライングスター風水」と出会ったのですか?

藤木:今から10年ほど前に、街の本屋さんで出会いました。その時、偶々自宅を新築中でしたので、興味を持って読んだのですが、今一つよく理解出来ず、この際徹底的に勉強してみようということで、その本の著者が開いている講座に参加したのがこの風水術とのお付き合いの始まりです。

その後、自宅や友人知人の家を鑑定させてもらいながら勉強を続けましたが、その正確さに何度も驚いているうちに深みにはまってしまいました。

――出会いによってご自身の生活にどのような変化がありましたか?

藤木:この風水との出会いによって起きた一番大きな変化は、鑑定してもらう側から鑑定する側に回ったということでしょうか。また、家との付き合い方が変わりました。具体的には、毎年場所を変えて飛んでくる年運星によって自分や家族のベッドの位置を動かしたり、ドアノブにメタルの風鈴をつけたりしています。

――風水コンサルタントとしてご活躍されていますが、顧客からはどのような相談が寄せられますか? また、顧客層はやはり中華系の方が多いのでしょうか。

藤木:今、特に問題があるわけではないけれど会社やご自宅の風水を観て欲しい、家相を観てもらって家を建てたのに不運続きなので一度フライングスター風水で観て欲しい、お子様のお受験を控えているので観て欲しい、家を新築なさるので設計に関わって欲しい、オフィス内の席順、社長室の位置はこのままでよいだろうか、など様々です。

風水コンサルタントとしては、建物だけでなく、依頼人の方や社員の方の生年月日から運気も観ますので、この社員をこの役職につけてもいいだろうかというご相談もあります。また、「フライングスター風水術」では、建物固有のチャートによる対策のほかに、毎年場所を変えて飛んでくるフライングスターに対する対策も必要ですので、毎年風水対策のアップデートをご希望になる方が多いです。

お客様は海外にお住まいの方も含めてほとんど日本人の方ですが、中には日本在住の中国人の方もいらっしゃいます。香港の恩師のサイトに卒業生名簿があるのですが、そこで私の名前を見つけて下さったと仰っていました。国際風水協会の風水マスターのリストから鑑定を申し込んで下さるシンガポーリアンもいらっしゃいます。

――本書の第2章ではシンガポールの建築物について取り上げられています。非常に興味深い章でしたが、なぜシンガポールは風水が根づいているのでしょうか?

藤木:フライングスター風水発祥の地である中国では、清王朝滅亡により風水師達が雇い主を失い、食べていく為に民間の商人達に門戸を開かざるを得なくなりました。彼らの末裔が、戦争の動乱やその後の共産党の迷信撲滅運動によって中国から出て、台湾や香港、マレーシア、シンガポールに移住したことから、元々中国人が多く住んでいたシンガポールに風水が根付いたのだと思います。

シンガポール国民は華人系、マレー系、インド系から成っていますが、経済を主に握っているのが華人であるということも理由に挙げられると思います。

――本書では屋上のプールが有名な「マリーナベイサンズ」について触れられています。その形状が特徴的ですが、その風水的な意味を教えて下さい。

藤木:風水を任されていたチョン・スワン・レック師はラスベガスのサンズ社に対して、ホテルを3つに分けて風が通るようにすること、玄関口を守るガーディアンに見えるよう、ホテルにカーブをつけることを提案したそうです。

実はあのマリーナベイサンズのデザインが発表された時、シンガポールの風水師達からレック師に対して批判の嵐が巻き起こり、大手新聞ストレーツタイムズに特集記事が掲載されました。

その批判は「3つに分かれたホテルは位牌か墓石のようだ」「屋上のプールは建物を溺れさせる」「屋上の刃物のような形は周りに殺気を出す」などさまざまでしたが、レック師はこれに対して一つ一つ反論しています。

――具体的にはどのような反論をされたのでしょうか?

藤木:「3つの建物はそれぞれガーディアンを表していて、足を広げてシンガポールの玄関口を守っている姿である。カーブがつけてあるので刃物のようにな殺気は生じない」「シンガポール中のHDB(公営住宅)は屋上に水のタンクがあり、その水はビジネスに向かって流れ落ちていく」などと、わかるような、わからないような議論を展開しています。

実はレック師も彼を批判する風水師達もフライングスター風水には全く触れていません。恐らく風水の素人である読者に難しい専門的な話をしてもわからないからだろうと思います。カーブをつけたのは、フライングスター風水上の理由もありますし、中央の吹き抜け、足を広げたような形、屋上のプールのすべてが実はフライングスター風水で金運を活性化するための仕掛けなのです。

(後編へ続く)

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