元横綱・貴乃花親方の息子で靴職人の花田優一さんが『しゃべくり007』(日本テレビ系)に出演し、いくつかのエピソードとともに、父のしつけの厳しさを明かしました。
学校から帰って「ただいま」と言ったら「何だそのただいまは」と急に怒られたり、「今日学校で何あった」と聞かれて「普通」と答えると「普通って何だよお前」と注意されたり、まさに「鬼」だったようです。
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■子どもが逃げるほどのしつけは「虐待」か
現代の子どもは、親の質問に「ふつー」「びみょー」「そこそこ」とあいまいな返答をすることが少なくありません。そして親も、「そんなもんだ」と感じているのか、突っ込んだり、注意したりするのをあきらめています。
貴乃花親方のような、最強親父はなかなかお目にかかれません。「地震・雷・火事・親父」という言葉が使われていたのはまさに昭和。怖いものの代表格である父親は子どもにとって、逆らうとごはんを食べさせてもらえない「暴君」のような存在でした。振り返って現代、子どもが逃げるほど厳しいしつけは「ニアリーイコール虐待」とされ、激減しています。
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■「俺が食わしてやってるんだ!」は通用しない
なぜ、父親の厳しいしつけは減ったのでしょう。理由として考えられるのは、お母さんがお父さんの「領域」に入ってきたことです。その最たる例が、共働き。総務省の統計によると、共働き世帯は夫婦全体のおよそ過半数に上ります。子どもが幼いうちは休職しても、子どもが成長したらパートやアルバイトで働いたり、在宅ワーカーをしたりする母親が増えているのが現状です。父親は一家の大黒柱としてドデーンとかまえて「風呂、メシ、寝る」というわけにいかず、家事にも子育てにもかかわらなければならなくなります。
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すると、父親は「ママも仕事をがんばってくれている」「ママが家計を助けてくれている」と考えるようになります。妻とは対等、子どもにも圧倒的な存在感を見せつけない友達風の父親……。やはり、母親が外で働く家庭に「昭和親父」は成り立たないと思います。むしろ「ママが一番強い」と感じる子どももいるくらいです。
父「俺が食わしてやってるんだ!」
母「そのとおり、ありがたや。家はしっかり守ります。子どもにもあなたの言うことを聞くようしつけます」
「昭和親父」のイメージって、こんな感じですよね。
そして母親の手にあまる子どもには、そんな「昭和親父」の雷が容赦なく落ちる。今や、そんなシーンはゼロに等しいのです。
■いざというとき雷を落とせるパパが「かっけぇ」
オリコンの「理想の父親」ランキングによれば、1位は関根勤さん、2位は所ジョージさん、3位はつるの剛士さんです。愛妻家&子煩悩なだけでなく、「おもしろい」要素もある面々。とはいえ、想像してみてください。学校でとんでもないことがあり、怒りのやり場に困ったとき。叱って欲しいのにうやむやにされたり、「放っておけ」と言われたりすると悔しいですよね。既読スルーされたような、嫌な感じです。そんなとき、絶対的な存在に「ばかもん!」と説教されると、気持ちが落ち着きます。
教師も母親も落とせない、父親だからこそ落とせる雷をガツンと落とし、鎮まったら関根勤に戻る。1年に1回くらいは雷を落とせる父親なら、子どもも「かっけぇ」「真剣に向き合ってくれている」と感じると思うのです。
父親より母親を尊敬する子どもの割合が増えている、と書かれた記事もありますが、強すぎる母親は夫婦関係にも影を落とします。外で子どもが「父親を尊敬しています」と言ってくれたら、どれだけうれしいことでしょう。「昭和親父」の良かった点を見直し、いざというときに雷を落とせるパパになっていただきたいです。