私は元刑事であり、知能犯担当刑事として約20年のキャリアがあります。独立後は人事コンサルタントとして活動し、講演や企業研修などで全国の経営者団体や企業などに精力的に伺っています。
以前、「ウソを見抜く方法」についてご紹介しましたが、今回はより具体的な例について見ていきましょう。
ウソを見抜く知見はどういう時に活きてくるでしょうか?
たとえば、ビジネスでのトラブルの責任所在を明らかにする時、パートナーの怪しい行動について詰問する時、詐欺に遭いそうな時など、いわゆる「犯人探し」をする時には当然、役立てることができます。
そうした「責める」場面以外にも、採用面接で相手の真意を見抜きたい時、プレゼンの場などで相手の本当の意図をくみ取らなければならない時、お子さんや家族が悩みを隠している時などにも活かすことができます。大手企業や有名人の記者会見などの見方も変わるかもしれません。
人はウソをつくと「話し方」と「しぐさ」に現れるということを以前ご紹介しました。まず、「話し方」からウソを見抜くには、以下のような行動がないかを注目してみるといいでしょう。
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たとえば、不貞行為を疑っているパートナーがいるとして、「可能性質問」という手法を使って問い詰めるとします。「可能性質問」とは、可能性があるかないかを質問することで、相手の反応を見る方法です。不貞行為を疑う場合であれば、「あなたがデートしているところを見た人がいる可能性はある?」と質問してみるわけです。
もし、相手がシロであれば、「そんな可能性はない。だって、そんな事実はないのだから」と即答するでしょう。しかし、後ろめたいことがある場合は、「見られていたらどうしよう?」と考えるために間が生まれたり、逆切れしたり、余計な弁明や質問を繰り返す、聞き返すなどをして沈黙が生まれないように取り繕ったりするでしょう。
「しぐさ」にもウソを見抜くヒントが隠されています。代表的なものは以下です。
仮に、友人になりたいと近づいてきた人物に、新しいビジネスを持ちかけられたり、高い商品を勧められたりしたとします。その人への好感度が高ければ前向きに検討したいところですが、ここで相手にとって都合の悪い質問を投げかけてしぐさを見てみましょう。
たとえば、うまいビジネスの話を持ちかけられたのであれば、「そんなにおいしい話なのに、どうして投資せずに人に勧めるの?」「なぜ知り合ったばかりの私に持ちかけたのか?」と尋ねてみたり、うまくいく仮定が前提となっている部分を指して、「この部分は希望的観測が含まれているのでは?」「うまくいくパターンだけでなく、最悪のパターンを考えた時にどういうリスクがあるだろうか?」と質問してみるのです。
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ウソを見抜くスキル、つまり相手を観察したり、適切な質問を投げかけて反応を見るスキルは、コミュニケーションスキルのひとつです。これが身につくことによってコミュニケーションスキルが向上し、細やかな人の心理にも敏感になります。
気配り、目配りに自信がない方は学んでみてはいかがでしょうか。私が主宰しているのは「刑事塾」という学びの場です。刑事塾は刑事のスキルであるウソや人間心理の見抜き方を企業研修や講演の形で学ぶことができます。
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