KADOKAWAが運営する芸能・エンタメ・生活情報の総合サイト『NewsWalker』によると、8月23日放送の『水曜日のダウンタウン』(TBS系)で、「原価率がもっとも低い食べ物」を検証。日本大学商学部の教授・川野克典さんの監修のもと、原価率の低い食べ物ランキングトップ10が発表された……らしい。ちなみに、当検証は食材の値段だけではなく、一般的に“原価”として捉えられている「容器や箸」の価格も入れて計算されているそうで、結果は以下のとおり……だったという。
1位:わたあめ(3%)
2位:かき氷(12%)
3位:ベビーカステラ(14%)
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4位:宅配ピザ(15%)
5位:フライドポテト(20%)
6位:もんじゃ焼き(21%)
7位:ペペロンチーノ(23%)
7位:餃子(23%)
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9位:いか焼き(24%)
10位:ショートケーキ(26%)
どこまで正確な数字なのか、他の食べ物の漏れはないのか……は、ともかくとして、なかなかに面白い着眼点である。ゴメス的にも、
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「屋台の食べ物が多くランキング入りしている=やっぱ屋台はぼったくり?」
「ふわっとした食感の食べ物がトップ3を占めている=空気はタダ」
「宅配ピザ屋のピザを店頭まで行って購入したら異様な割引率である謎が解けた」
「だからマ○クの店員さんは『セットのポテトはいかがですか?』と執拗に勧めてくるのか…」
……など、いくつかのチャイルディッシュな新発見があって、ちょっとした豆知識を得ることもできた。今度、合コンで話題に困ったら使ってみよう……。
だからといって「これからは食べるのをよそう」なんて気持ちも、当然のことサラサラない(おそらく、番組制作サイドも「これからは食べるのをよしましょう」みたいな悪意をもって本企画を立ち上げたわけでもないだろう)。なぜなら、この「原価率」ってやつには、お金では換算できない要素がまったく含まれていないからだ。
たとえば、「屋台」だと“雰囲気”の料金が含まれていない。「わたあめ」や「いか焼き」は、あくまで屋台で買って歩きながら食べるのが美味しいのであって、これらを六本木やら表参道のヒルズ内で(仮に売っていたとしても)買おうとは、(たぶん)ほぼ誰も思わない。あの恵○寿横丁がトイレも汚くて、じつは料理も案外高くて、大して美味しくもないくせにあそこまで繁盛しているのも、そこに“ナンパを促す雰囲気代”が加算されているからにほかならない。
あと、「餃子」だと具をいちいち皮に包んでしこしことシワを入れる“手間暇”の料金が含まれていない。「ペペロンチーノ」だとシンプルな食材のみでつくるメニューゆえの料理人がふるう“腕の見せどころ”の料金が含まれていない──具体的な数字で表すことができる「原価率」とかだけにこだわり過ぎて「コスパ! コスパ!」と騒ぎ立てているようでは、それこそ心の豊かさからかけ離れたギスギスした日常が待っているだけである。
たった今、私は「心の豊かさ」なる凡庸な言葉を使ってみたが、じつのところ、この「豊かさ」の正体の一つとは「ときには無駄なモノにあえてお金を払う」といった“ささやかな贅沢”の積み重ね……なのではなかろうか。