お世辞や社交辞令は、ほどよく使えば人間関係を円滑にする。しかし言われる側からしてみれば、しつこいお世辞攻撃に辟易してしまい、結果として関係をこじらせてしまうというケースもあるようだ。
先日のガールズちゃんねるに立った「お世辞に対してどう接するのがいいの?」というトピック。トピ主の女性は、明らかなお世辞を何度も言ってくる職場の先輩にウンザリしているのだという。(文:みゆくらけん)
「○○さんの方が素敵ですよ」と返せばいい?
たとえば、「トピ主はほんとうに美人ねー、スタイルいいわー」との先輩の持ち上げに、「他の人からはそんなこと言われたことない」とトピ主。仕事のやり方についても「素晴らしい。どうしたらそんなふうにできるのかしら」と絶賛されるが、そんな先輩に内心「営業成績で平均点付けられてますよ」とツッコんでいるのだとか。
あまりにわかりやすい口から出まかせ的なお世辞に辟易するも、一応は反応しなければいけないメンドクサさ。スルーするわけにもいかず、かといって真に受けるほど客観性を失ってはいないため、大げさに反応するのも痛々しい。
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結果、「あ、はい。どうもー」と、そっけなくも一応笑顔で交わすというカタチに落ち着いたトピ主だが、その反応が先輩の逆鱗に触れたようで、
「せっかく褒めてるのになんなの?その態度!」
と怒られたのだという。トピ主はもはや、もうどうすりゃいいの?状態で、どう反応するのが正解だったのかと助言を求めている。
コメントの中には、きっと先輩は「○○さんの方が素敵ですよ」と褒め返して欲しいか、「ありがとう」とお礼言われたいかのどっちかなのだろうとの推測もあったが、多くの声は「メンドクサイね」というもの。
普通に「ありがとうございます」ではダメなのか
しかし一方では先輩に対し、「あ、はい。どーも」とさくっと返し過ぎるトピ主も「どうかと思う」との声もあった。確かに同じテンションでも「あ、ありがとうございます……!」というような言葉を選んで返していたら先輩の受け取り方は違っていたように思う。
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さらに上級編では、「○○さんに褒められるなんて嬉しいです」などと、少しの媚びを見せるとヨシとのアドバイスも。
「褒めた当人も『度量のある私』って思ってるから反対に持ち上げとく。これが社会人スキルというものですbyおばちゃん」
メンドクサイが、確かにそれができれば一番お互い気持ちいいのかもしれない。
しかし最近つくづく思うが、お世辞に神経質過ぎる人が増えているような気がする。たとえば美容院が苦手な人からは「ありきたりで、いかにもなお世辞を言われるのが嫌」という声もある。お世辞に対して何て返すのが正解かわからずに困ってしまう、というものだ。
しかし単純に考えてみたら、お世辞に悪意はない。お世辞の内容が本心かどうかはともかく、その場の空気を和やかにしようとする狙いは共通する。だったら、受け取る側も反応は相手に不快感を与えない程度の「テキトー」で良い気がするのだ。「コイツ、お世辞を真に受けたなと内心笑われたら嫌」という声もあるが、そこまで計算して反応に迷い、結果その場の空気が気まずくなるのは自意識過剰の典型だ。
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褒められ慣れした西洋人女性ばりに、何言われても堂々と「ありがとう」で文句言われない風潮になればいいのに。本当にメンドクサイのはお世辞ではなく、意地悪なツッコミが止まない不寛容な社会のムードではないだろうか。