食べる時間を間違えると太る?時間栄養学とは?

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2017年11月04日 08:12  JIJICO

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JIJICO

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時間栄養学を知ることで太りにくい食事をすることが可能に


飽食の時代、ダイエット関連の情報が目に入らない日がないぐらいテレビ、雑誌、新聞などを連日賑やかしております。ダイエット特集をすれば雑誌が売れ、次から次へとダイエット本が出版されており、そのいくつかはベストセラーに名を連ねています。


私も健康相談を行なう際、肥満はあらゆる不調の原因になるので、すべての方に食事についてはお聞きしますが『何を(食事内容)』『どれぐらい(量)』食べているか?ということは非常に気にする方が多いですが、その食事を『いつ食べているか?』まで気にしている方はまだまだ少ないのが実情です。


これは『時間栄養学』と言われる分野の研究で近年、非常に注目を集めています。当然ですが、私達のカラダ、胃腸や肝臓、腎臓などの臓器の働きは時間によって活動の度合いが異なります。同じ量の食事をとったとしても食べる時間によって食べた物の消費に影響が生じるのです。


三食の時間が不規則な人の場合は食事内容の偏りや欠食につながりやすくなり、野菜不足はもちろん脂肪過多や糖質過多の食事にもなりやすくなります。結果的に食べる時間が不規則になることで、肥満はもちろん、必要な体重が維持できなくなることもあるのです。『仕事の都合で規則的に食事をとることは無理』と最初から諦めている方も多いですが、時間栄養学をちょっと知ることで太りにくい食事にすることも可能です。


夜の食事はBMAL1(ビーマルワン)の量を考える


時間が不規則な食事の方が多い現代社会ですが、ダイエットを意識している方は、特に夕食時間には注意をしてほしいと思います。一般的には夕食は就寝3〜4時間前には済ませると良いと言われています。


これは寝る前の食事になると胃腸が消化活動に働き、寝付きが悪くなったり、胃の中に食べ物を停滞して、朝の欠食につながり体内時計の働きを狂わせてしまったりと結果的に様々な病気の原因になります。食べる時間が遅くなってしまうというのは、皆さんにも何かしらご経験もあるのではないでしょうか。


さらに夕食を取る上で大切なのが『BMAL1(ビーマルワン)』の量を考えることです。


BMAL1とは体内リズムを正常に機能させるための遺伝子の一種で体内に脂肪を蓄積する働きがあり別名『肥満遺伝子』とも呼ばれています。BMAL1の量は時間帯により増減することがわかっており、22時〜午前2時までの量が最も多い時間帯であることがわかっています。


BMAL1の量が多い時間帯に食事をとると脂肪となってカラダに蓄積されやすくなるので、この時間帯にガッツリと食事を取ってしまっている方は同じものを食べてもかなり太りやすくなってしまいます。


とは言うものの、残業や仕事のシフトによってどうしても食事の時間が乱れてしまうことは日常的にあることです。まずは時間が遅くなる前に食事ある程度取ってしまうか、21時ごろまでに夕食が取れない方は19時頃までに脂肪になりやすい炭水化物(おにぎりなど)を食べて、帰宅してからは消化の良い軽めの食事を補うといった分食がおすすめです。


『〇〇がダイエットに良い』『〇〇食べると痩せる』ダイエットは大きな市場なのでサプリメントや食品など『楽して簡単に…』という甘い言葉で次々と消費者を誘惑してきますが、漢方薬など含めて飲むだけ、食べるだけで、脂肪が消えて無くなることは科学的に考えてもありえないことです。まずはご自分の食生活『何を』『どんな風に』『どれぐらい』食べているか?そして『いつ』食べているかということも、しっかりと考えて健康的な食生活を送りましょう。



(早川 弘太・健康コンサルタント)

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