不倫は文化かトレンドか ――ママたちがキレイになったら何がある?

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2017年11月16日 12:02  MAMApicks

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MAMApicks

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ちょっと前のことだが、国会議員や芸能人の(どうでもいい)不倫ネタでメディアが盛り上がっていてふと思った。

「いったいどのくらいの割合で不倫は行われているのだろう?」

昔から一定数いるものだろうけど、いま流行っているのか? なにせ、普通に生きている私の耳にも、一般人の不倫事情が流れこんでくるからだ。

それと並行して、常々疑問に思っていたことがある。雑誌が消えるといわれて久しいご時世に、ママ向け雑誌は百花繚乱。その大多数が「キラキラ輝くママになろう」、つまり「もっと外見に気を遣え」というキャンペーンを張っている。おそらくその目的の1番目は自己満足、2番目は家族ウケ。キレイなママでいれば、子どもも旦那も喜ぶよ、というものだ。

しかし、容姿を磨いたその先にあるものが、超クローズドマーケットの「家族」だけで満足できるのか。


人は力を持ったらそれを試したくなるイキモノじゃないのか。とすれば、オープンマーケットの若い男で「力量を試したくなる」のが人情というものではないだろうか。疑問に思ったら、聞いてみるのが手っ取り早い。


折しも今週土曜日、11月18日に開催される「第二回ウェブメディアびっくりセール」に、われらが『MAMApicks』も出展する。そのためのママライターたちの打ち合わせがあったので、上記の疑問「女性誌の容姿賛歌と不倫の関係」を問うべく、私は企画書を握りしめ、真昼の飲み会……いや打ち合わせに突入した次第である。

■十人十色の不倫ケース
3人寄らば文殊の知恵、その日集まった7人のママライターから出てきたものは、不倫のリアルだ。
(先にお断りしておくが、不倫話はママライターたちご本人の体験談ではなく、彼女たちのママ友である)

●ケース1:恋愛ごっこ
ママが美人で、夫は金持ち。若い男をとっかえひっかえ。
これは小説の「あるある」パターンだろう。どうやらママは少々病んでいるらしい。

→結論:不倫相手の年収などのステイタスは不倫には関係なし。ママが女としてトキメくことができるか否かが判断基準となりそうだ。


●ケース2:慰め愛
ママは「ジャイアンの母ちゃん」のような容姿で50歳。相手は、うだつの上らない(家族から虐げられていそうな)同世代の既婚男性。

→結論:男性にとっては存在を認めてくれたようでうれしい、女性は女でいられる感じでうれしい。


●ケース3(これは私の友人から聞いたもの):再婚したい
ママは、こぎれいな正社員(夫は、彼女のことががとても好き)。男性は、高年収の妻子アリ男性。当初、女性としては不倫対象ではなかったが、「メールや会話がこんなに楽しい男性がいるのか!」と驚愕→しばらくプラトニック→深い仲へ

→結論:これは本気っぽい。条件が整えば、お互い離婚からの結婚もありえそう。

……というわけで、不倫といえども熱量と求めるものはさまざまだ。
ケース1はいわゆる「遊び」だとしてもケース2や3に行くと根が深いような気がする。また、1と2は不倫する気まんまん、でも3は違った……というところも興味深い。

不倫は意気込んでするものでもあり、自然に始まってしまうものらしい。奥が深くてまだつかめない。


さて、冒頭の「ママが容姿を磨いたら不倫するのか?」については、2がキラーケースとなり、「そうとは限らない。外見は関係なく不倫は始まる」という結論になった。

いやむしろ、不倫しそうにない外見でも、男性がどんな状態でも受け止め、「ステキ!」とか、「好き!」とか「あなたが必要」と肯定してあげると、コロッと行くのではないか……それは既婚者でも未婚者でも、男性すべてにおいて通じるものっぽいぞ、というのが私の結論である。

■ひとりの人をずっと愛するのは無理なのか?
いったん話はそれるが、そもそもなんで不倫は悪いのだろうか(※不倫を擁護しているワケではない)。

にわかキリスト教信者になって教会風の結婚式をあげた私みたいな方は、誓いの言葉を口にしたと思う。「元気でも病気でも、相手を一生愛せるの?」というかんじアレである。式の進行上「イエス!」と言うものだが、どれだけの人が一生イエス!なのだろう。

それを解くヒントが、最近知った「ロマンティックラブ・イデオロギー」という概念だ。これは20世紀ごろ出てきたもので「恋愛、結婚、生殖」がワンセットになっている観念らしい。具体的には、「恋愛して結婚して赤ちゃんを産むのが正常」であり、「好きでもない相手と性交して赤ちゃんを産むのは異常」という考え方だ。

100年前は、「結婚+出産」と「恋愛(または肉体関係)」はまったく別。それを世間が認知していたため、ことに男性の不倫=悪という感覚はない、または少なかったようである。日本でも農村の貞操観念は今より低く、盆踊りのあとは乱交パーティだったという話もあるから、ワイドショーもびっくりですよ。

さて、「ロマンティックラブ・イデオロギー」がなぜ問題かというと、現代日本で「ずっとひとりの人をを愛し続けるのは無理」となって、仮に不倫しようものなら、法律上罪に問われ、イコール家族が解体してしまうから、だという。ほほう。

たしかに不倫がバレたら、もともと恋愛関係にあったはずの伴侶との家庭を存続するのは難しいのかもしれない。それは裏切りを意味してしまうから。

では、100年前のように、恋愛感情のない夫婦だとしたら、憎さも半減し「ま、しょうがないっか、とりあえず私は子ども育てよう〜。私もどこかで恋愛しよう」と思えるのだろうか。

この文脈をすすめて、仮にお互い愛情が無くなった夫婦がいるとする。で、お互いが不倫していたとしたら、どういう心情なのだろう。

「恋愛はお互い自由だもんね。でも家庭は守ろうね!」と前向きに処理することができるのだろうか? うーん、できたとしても、子どもにはバレてほしくないような……。

■法に触れない発散方法
不倫を実際に行ってしまうとイバラの道かもしれないが、だれかにふんわり恋をしていると、日常がハッピーになるものだ。そのことを心の底から熟知している私たちの親世代であり、「ロマンティックラブ・イデオロギー」の先駆者(母親)が選んだ、誰も傷つかない恋の矛先は、いわずもがなの芸能人との疑似恋愛である。

アイドル、韓流スター、俳優、そして宝塚……etc.

愛情の証とばかりに金をつぎ込み、「応援」という形でスターと関わっている実感を得る。実際の恋愛でタブー視される「容姿で選ぶ」ことや、「どれだけ稼いでるか」で選んでもOK!

とは書きつつも、やはりそこは「疑似」恋愛。実際のリアル恋愛とは破壊力が違うのかもしれない。


以上、無理やりだがまとめると、

・不倫は婚外恋愛に積極的かどうかの姿勢がデカい
・異性を肯定してあげると好かれる
・「外見が美しい=不倫しやすい」ではないが、キレイな分、褒められることは多い。
・ショービズ世界の住人との疑似恋愛にもっていけば無難

ということである。

斎藤貴美子
コピーライター。得意分野は美容・ファッション。日本酒にハマり、Instagramの#SAKEISAWESOMEkimikoで日本酒の新しい切り口とコピーを思案中(日本語&つたない英語)。これからの家族旅行は酒蔵見学。二児の母。

このニュースに関するつぶやき

  • 文化でもトレンドでもないし,婚姻制度の国なんだからどーなのよと思うけど。した人を断罪できるのは配偶者だけだと思うのね,社会がそいつの人権を奪うことではない。
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