暴言・暴行、長時間労働強制、自腹購入…千葉・ブラックバイト訴訟が和解

飲食チェーン「しゃぶしゃぶ温野菜」の北習志野店（千葉県）でアルバイトをしていた大学生の男性（22）が、4か月間無休で働かされたなどとして、フランチャイズ運営会社に対して未払賃金いや慰謝料など計800万円の支払いを求めていた訴訟が千葉地裁で和解成立した。和解は11月9日付。

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男性は11月17日、東京・霞が関の厚生労働記者クラブで会見を開いて、「（和解まで）2年以上かかった。ようやく終えることができた。解決できて、今後このようなことが起きないよう被害者が声をあげられるようにしてほしい」と心境を語った。

男性の代理人によると、和解内容は、運営会社「DWE Japan」が、男性に対して（1）解決金を支払う、（2）元店長と元従業員が暴言・暴行をふるったことや継続的に長時間労働を余儀なくさせたこと、自腹購入させたことを認めて謝罪する――など。解決金の額は明らかにされていない。

●「ブラックバイトの象徴的な事件だった」

男性を支援した労働組合「ブラックバイトユニオン」の坂倉昇平さんは会見に同席して「ブラックバイトの象徴的な事件だった」と振り返った。

訴状などによると、男性は2014年5月、同店にアルバイト採用されて、その後、長時間労働を求められるようになった。2015年4月からは4か月間無休で働かされた。さらに、退職を申し出ると、店長らから暴言・暴力をふるわれたという。昨年6月に未払い賃金や慰謝料などを求めて提訴していた。

元店長と元従業員については、暴行罪などで罰金刑が確定している。現在大学4年生の男性は、就職の内定も決まっているが、働くことについて「怖いという気持ちがある」と打ち明けた。「これからちゃんと働けていけるよう、できるかぎり（その気持ちを）克服していきたい」と話していた。

（弁護士ドットコムニュース）