■コスパが悪い、面倒
男たちは、「恋愛はコスパが悪い」と言う。
「気の合う友人たちで飲みに行くのは、情報交換もできるし楽しい。だけど女性と2人でどこかへ行っても何か食べても、こちらにメリットがないんですよね。むしろ女性に合わせなくちゃいけないと思うからフラストレーションが溜まるし……」
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ヒロトさん（28歳）は、つまらなそうにつぶやいた。今どきのデートは割り勘だとはいえ、それでもよほど相手への思いが強くない限り、「なんだか損した」と感じるらしい。
「なんとなく好意を持つというのは分かるけど、この人と付き合えなかったら自分がどうかなってしまうほどの強い情熱は持てないんですよね」
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過去にも、それほど強い恋心を持ったことがないと話してくれた。
■今しかできないことをしたい
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かつて、男たちのあらゆるモチベーションは「モテたい」だった。ギターを弾けるように頑張るのも、車を買うのも、すべては「モテたい」から。だが、今はそういう時代ではないらしい。「モテて何かいいことあるの？」と20代男性たちは冷めている。
「平日は目一杯働いて、土日は趣味のフットサルをしたり学生時代の男友達と飲んだり。恋愛したらそうはいかないでしょ。僕もここ3年ほど彼女はいませんが、かえって気楽で充実しているなあと感じます」
シンジさん（32歳）はそう話す。確かに恋愛はしなくてはいけないものでもないし、必ずしも楽しいことばかりでもない。
「付き合っている女性がいたときは、仕事と彼女のことで手一杯でした。だけどつきあって1年ほど経ってきたら、もう少しほかのこともしたいなと。それで学生時代していたサッカーを始めたら、彼女が自分との時間を大事にしていないと怒っちゃって。そんなこんなで揉めて別れたんで、もうしばらく恋愛はいいやと。今しかできないことをしたい。それは恋愛じゃないと思ったんです」
■結婚しなくてもいい
現在の生涯未婚率は男性が4人に1人、女性は7人に1人、いずれも5年前の調査に比べて急増している。結婚しなくてもいいという人が増えているのだ。
「僕も生涯、結婚しなくてもいいと思っています。恋愛も結婚も、男にとっては負担にしかならない。このまま仕事と趣味で暮らしていくのも悪くないなと最近は思っています」
30代半ばの男性は真顔で言った。
結婚はともかく、恋愛という強固な形で誰かとつながっていたいという意識も薄いようだ。
「家族とか絆とか、なんとなく胡散臭いじゃないですか。つながるならゆるいほうがいい。友人がいてネットがあれば、なんとなく生きていけちゃうような気がしますね」
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