小さくても勝てる。閑古鳥が鳴いていた理容店が逆転するまでの戦略

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2017年12月15日 19:33  新刊JP

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『小さくても勝てます』(ダイヤモンド社刊)
閑古鳥が鳴いていた小さな理容店が繁盛店に――。
実話に基づいて書かれたその物語は、小さな組織に必要なものとは一体何かを教えてくれる。

『小さくても勝てます』(さかはらあつし著、ダイヤモンド社刊)、本書では、スモールビジネスを成功させ、一般ビジネスパーソンが一発逆転するための 「10の理論戦略」「15のサービス戦略」を紹介している。

主人公は、西新宿にある理容店「ザンギリ」の2代目、大平法正。
家族経営である「ザンギリ」の規模だと、月に800人弱の来客が繁盛店と言われている。しかし、「ザンギリ」の月の来客数は400人。稼働率は22.9%で、売上は200万円。
理容組合のコンペでグランドチャンピオンになる腕前を持つ法生だったが、手持ち無沙汰になる時間は増え、店内にも弛緩した空気が漂い、経営状況は最悪だった。

そんなとき、客として現れたのが、元経営コンサルタントで自称映画監督の役仁立三だ。
一見、胡散臭そうな男だが、理容業界の現状を分析する洞察力に驚かされ、「この人に何かアドバイスをもらえれば、「ザンギリ」を繁盛店にできるのではないか」と考えた法正。そこで散髪代金を無料にする代わりに、理容室を繁盛させるためのアドバイスを頼むことにした。

「小さな組織に必要なのは、お金やなくて考え方なんや」と言う立三のアドバイスを聞き入れながら、法正は理容室の経営を立て直していく。

たとえば、本書にはこんなアドバイスがつづられている。
成功してもメモを取り続けること。何の話を聞いてもメモをとること。
成功するまでメモを取っていた人が、メモを取らなくなってから経営がうまくいかなくなった、という話はたくさんある。メモを取っている間は大丈夫。たとえ成功しても、メモを取り続けること。

経営は結局、何に集中し、どの順番でやるか。それを決めることが肝心だ。ビジネスは、全体のイメージ、構想、つまりビジョンが大切である。人間はそこに向かって進んでいく。明確なビジョンがスタッフ間で共有されなければうまくいかない

こういった立三のアドバイスを基に経営改革を行った法正。店の来客数も年々増えていき、9年目には、400人だった月の来客数が1030人に。稼働率は58.9%、売上は631万円にまで伸び、「ザンギリ」は繁盛店となった。

著者のさかはらあつし氏が経営学を学んでいた学生時代から抱き続けていた「いつか経済学、経営学の知識を織り込んだエンタテインメントを書きたい。そして、社会の役に立ちたい」という夢を実現したのが本書だ。

「サンギリ」がどのようにして、繁盛店へと生まれ変わっていったのか。ストーリーを楽しみながら、その過程を勉強できる一冊である。

(新刊JP編集部)

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