夫の不倫相手「私、慰謝料支払わないので」と開き直り、強制執行はできる?

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2018年01月18日 10:12  弁護士ドットコム

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せっかく裁判で慰謝料の支払いが命じられても、相手が「私、支払わないので」と応じない場合、どう対応するべきか。夫の不倫相手に対して慰謝料を請求する訴えを起こしている女性が、弁護士ドットコムの法律相談コーナーに「具体的な強制執行の方法を教えて」と質問を寄せた。


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相談者によると、夫の不倫相手の女性は「慰謝料を支払うよう判決が出ても一切払わない」と明言している。そこで相談者は「具体的に、強制執行の方法を教えてください」と聞くが、不倫の慰謝料請求でも強制執行をすることは可能なのか。また強制執行をするとして、具体的にどのように進めればよいのか。萱垣建弁護士に聞いた。


●弁護士解説のポイント

・不倫の慰謝料請求でも強制執行はできる


・差押えの対象は預金、不動産、車など


●「不倫の慰謝料請求でも強制執行は可能」

「結論から言えば、不倫の慰謝料請求でも強制執行(差押え)は可能です」


具体的に、どのように手続きを進めるのだろうか。


「今回質問を寄せた相談者は現在、慰謝料請求の裁判中とのことです。勝訴の判決が出されたら、相手方が判決を受け取ってから2週間経過すると、その判決は確定します。その後、この判決が確定したという『確定証明書』を裁判所から取り寄せます。判決が確定したかどうかは裁判所に問い合わせれば教えてくれます。ここまでで、強制執行の準備が整ったと言えます」


差押えの本番はどう進むのか。


「そうです。ここからが本番ですね。では、何を差押えるか。現金だけではありませんので、いくつか例をあげます。


・相手方名義の預金口座(口座の種類・番号は分らなくて良いですが、銀行名、支店名は把握する必要があります)


・相手方名義の車(登録事項等証明書で名義を確認する必要があります)


・給料(手取額の4分の1、手取額が33万円を超える部分についての全額、そのどちらか多い方)


・生活用品以外の高級家具などの動産類


・家や土地などの不動産


これらを差押えることができます。不動産の差押えの場合、すぐにお金の回収はできませんが、相手方は売却することが困難になります。


なお、判決がでる前に、相手方が差押えに備えて、預金口座の残高を少なくしておくこともあります。そのようなことが想定されるのでしたら、訴訟前に、仮の差押さえの手続きをすることを考慮しても良いでしょう。これが認められると相手方はお金を引き出せなくなるからです」


(弁護士ドットコムニュース)



【取材協力弁護士】
萱垣 建(かやがき・たてる)弁護士
平成5年登録。弁護士経験25年。平成23年度愛知県弁護士会副会長。愛知県弁護士会及び中部弁護士会連合会の委員会の委員長、日本弁護士連合会の委員会の副委員長を経験。わかりやすく、疑問が残らないように説明することがモットー。

事務所名:万朶総合法律事務所


このニュースに関するつぶやき

  • 相手名義の預金口座をつきとめるのが一番の難所だ。水商売だったりすると給料債権の差押えも空振りに終わることが多い。無職や財産を隠せる自営業から金を取り立てるのは至難の業
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