「百合展」マルイ池袋店での開催中止は「東京五輪に向けた表現規制」? マルイに理由を聞いた

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2018年03月13日 13:21  キャリコネニュース

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マルイ池袋店で3月17日から開催予定だった「百合展2018」が、急遽中止になった。12日に百合展ホームページに掲載された文書によると、展示そのものは会場を変えて開催できるよう調整中で、東京以外の大阪、福岡での開催は、予定通り行うとしている。

百合展は、女性同士の恋愛や友情を意味する「百合」をテーマにしたイベント。百合をテーマにした作品を作るイラストレーターや漫画家、写真家などが参加し、「表現方法にとらわれず、百合の魅力を多くの方にお伝えする」ことを目的にしている。2016年から開催されていて、今年で3回目になる。

マルイ池袋店では先日、3月9日から開催予定だった「ふともも写真の世界展 2018 in 池袋」を中止にしたばかりだ。百合展も、前回・前々回の会場はマルイ池袋店だった。馴染みの場所での開催が急に取りやめになったことと「ふともも写真展」の一件から、ネットでは「マルイがオリンピックに向けて自主的に表現規制に踏み切ったのでは」と推測する声も出ている。

「直前に中止した展示と、一部内容が重なるものを開催するのはどうなのか考えた結果」


キャリコネニュースでは、マルイの広報担当者に話を聞いた。結論から言うと、百合展中止は自主的な表現規制ではなく、「ふともも写真の世界展」中止の余波だ。

「太もも写真の世界展」は開催にあたり、マルイに「百貨店で開催するのはどうなのか」といった声が寄せられたという。百合展に出展する作家30人の中には、この「ふともも写真の世界展」主催のゆりあさんも含まれ、百合展でも「ふともも写真」を展示する予定だった。

このため、「直前に開催中止を決めた展示と一部内容が重なるイベントを、通常開催してよいのか」と懸念し、

「百合展主催のヴィレッジヴァンガードさんと相談した結果、開催を見合わせる運びとなりました」(マルイ広報担当者)

ということになった。ネットの一部で囁かれている自主的な表現規制は「していない」と明言する。また、

「私達はこうした展示にマイナスイメージを持っているわけではありません。色々なご意見を頂いたことを踏まえたまでです」

と回答していた。

百合展は、大阪では3月31日から4月8日まで、なんばパークス7階パークスホールで開催予定。福岡会場は今のところ未定だが、4月上旬の開催が予定されている。キャリコネニュースでは、百合展主催のヴィレッジヴァンガードにも取材を申し込んでいる。回答があり次第追記する。

【追記】

3月13日22時過ぎ、ヴィレッジヴァンガード広報担当者が取材に応じた。百合展開催にあたり、同社宛に開催反対や抗議の声は来ていなかったが、マルイから相談があり、「弊社で開催見送りを決断した」と言う。

両社の間で、「太もも写真の世界展」主催者のゆりあさんの扱いについて話が出たかどうか聞くと、

「件の写真展の炎上は把握しているが、弊社としては、個別のクリエイター、作品に関してどうというわけではない。マルイのほうから言及があったかどうかについても、具体的な内容については差し控えさせていただきたい」

という回答だった。百合展の代替会場の目処はまだ立っていないが、「なるべく早く探し、お客様にご報告できるようにしたい」と話していた。

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