部下に仕事を任せられないのはダメ上司!? スムーズにいく仕事の任せ方

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2018年03月15日 06:33  新刊JP

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『自分がいなくてもうまくいく仕組み』(山本敏行著、クロスメディア・パブリッシング刊)
優秀なリーダーほど人に仕事を任せる――。
よく聞く話だが、実際に部下に仕事を任せて失敗した経験はないだろうか?

任せたら仕事の質が落ちた。思ったように成果が上がらない。結局、自分が尻拭いする羽目になった。それらの原因は「任せたのにできない部下」にあるのではなく「上司の任せ方の悪さ」にあるかもしれない。

『自分がいなくてもうまくいく仕組み』(山本敏行著、クロスメディア・パブリッシング刊)は、そんな「部下への仕事の任せ方」の大事なポイントがわかる一冊だ。

本書では、リーダーたる自分がいなくても仕事やプロジェクトが円滑に回る仕組みづくりが解説されているが、その第一歩は「自分のコピーをつくる」ことにあるとしている。
では、どのように自分のコピーとなる「仕事を任せる部下」を選べばいいのだろうか。本書からそのポイントを紹介しよう。

 ◆

本書によれば、仕事を任せる部下を選ぶ際に気をつけるべきポイントは4つあるという。ひとつずつ見ていこう。

1.「向き不向き」
スキル面はもちろんだが、精神的な性質が任せようと思っている仕事に向いているかどうかは、意外に重要なポイントだ。

あまり協調して仕事を進めるタイプではない部下に、人をまとめていくような仕事を任せるのはどう考えても無謀だ。そうした「向き不向き」の特性を考えない人選をすると、結果的に自分が尻拭いをすることになるだろう。

また、部下本人が気付いていない強みを見出して抜擢するというのも、リーダーに問われる資質だ。

日頃から、「ここが得意分野」「この作業の質が高い」「こういった知識に長けている」といった部下の特性をチェックしておくと、任せたい仕事ができたときに「向き不向き」を考慮した選び方ができるだろう。

2.「興味の有無」
部下の「向き不向き」と同時に考えておきたいのが「興味の有無」だ。
傍から見て「この仕事は彼(もしくは彼女)に向いているな」と思っても、本人がその仕事に興味や関心がなければ、任せるのは考え直した方がいい。

本書では、著者の会社の経理担当の社員が退社したときのエピソードがある。
辞めた経理の後任を探しているとき、以前、別の会社で経理していたという社員がいるということがわかった。しかし、話をしてみるとその社員は「経理の仕事が嫌で前職を辞めた」ということだったので、著者は素直に引き下がったという。

誰かに任せたい仕事があっても、無理に押し付ければ成果は上がりにくいし、仕事に穴や綻びが出てくる。また、任せたことがきっかけで貴重な人材が辞めてしまうなどということもあり得るので、気をつけたいところだ。

3.「スケジュールが埋まっていないか」
先の二つをクリアして、「任せたい仕事」と「任せたい部下」のマッチングができても、任せたい人が現状のタスクで手一杯だと、新たな仕事は振れない。

こちらも無理やり押し付けることはできるが、その結果は推して知るべしだ。かと言って、任せたい人の負担を軽くするために、別の人に仕事を再分配するとなると調整に時間がかかる。

そこで、リーダーは予め部下全員のスケジュールやタスクを把握しておくことが大切になる。
エクセルやグーグルのスプレッドシートを使い、全員の仕事を「見える化」しておくと、意外に一人がやっておけばいい仕事を複数人がやっているなど、スリム化できる仕事が見つかるという。

4.「複数人に複数の分野を任せる」
「自分のコピーをつくって、部下に仕事を任せる」と聞くと、仕事を任せる対象は1人でなければならないような印象があるが、何人かに振り分けてしまっても構わない。むしろ、任せた部下が病欠などで休む可能性もあるので、リスクヘッジの観点から言っても複数人に任せるほうが安心できるだろう。

最後に、一口に部下に仕事を任せると言っても、どの程度任せればいいのかわからないという人もいるはず。

仕事の「向き不向き」については、「60%以上任せられる」と感じたら、そのスタッフは向いている可能性があると判断でき、半分以上をリーダーがフォローしなければいけないようなら、もっと向いた仕事を探してあげたほうがいいという。
また、80〜90%以上任せられると思える部下には、敢えてフォローはせず、部下自身が足りない点に気づくことを期待して様子を見てもいいようだ。

 ◆

「仕事を部下に任せたことがあるけど失敗した」という人は、この4つのポイントを見過ごしていたのかもしれない。もし、心当たりがあるなら、今度は「部下の選び方」に注意して仕事を任せてみてはいかがだろうか?

(ライター/大村佑介)

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