ママは毎日、仕事、家事、子どもの世話と走り回っていますから、クタクタになるのは当然のこと。
それでも、「この疲れ方は、普通じゃないなあ…」と感じることがありませんか?
例えば、楽しかったはずのことにも心が躍らず、何に対しても無気力だったり、そうかと思えば、些細なことにも激情し、怒りが爆発してしまうなどの場合です。
この記事では、人類学を学び、18年間様々な立場から子育てに携わる筆者が、ママを疲弊させる“感情労働“とその対応についてお伝えします!
明るく微笑む太陽のようなママでありたい、多くのママがそう願うのではないでしょうか。
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そうして、仕事と家事でヘトヘトでも、グズグズする子になるべく穏やかに接し、夫の態度にカチンとしながらも、子どもには、日課となっている寝る前の読み聞かせをして、優しい声で子守歌を歌いながら、小さな背中をトントンして寝かしつける……。
ママのこうした毎日とは、まさに、“感情労働“の連続といえるかもしれません。
感情労働とは、“移り変わる感情を抑え込み、特定の感情だけを表すよう求められる労働”をいいます。(※1)
例えば、客室乗務員が、どんなに理不尽な要求をつきつける乗客にも笑顔で丁寧に応じたり、お笑い芸人が、どんなに私生活で辛いことがあっても、観客の前では道化師に徹するといった労働を指しています。
それでも、行き過ぎた“感情労働“のストレスは、人の心に大きなダメージを与えると分かっています。
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何事にもやる気を失い、突然切れたり、冷淡になったり、また創造力や遊び心を忘れてしまうといった“燃え尽き(バーンアウト)“と呼ばれる状態を引き起してしまうというのです。(※2)
「太陽のようなママであろう」と頑張れば頑張るほどつらくなる、そんな時は、“感情労働のストレス“を思い出してみてください。
関連記事:「怒らないなんてムリ!」というママへ、感情的にならずに子どもを叱る方法って?
感情労働のストレスからくる“燃え尽き“を防ぐために、何ができるでしょうか?
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感情労働は、お皿がピカピカになったり、洗濯物が真っ白になったりといった“目につく分かりやすい成果“を手に入れることができません。
ですから、周りだけでなく、自分でさえ、頑張っていることに気づきにくいもの。
まずは、家族の情緒面を気遣い、温かい家庭を築こうと感情面で頑張っている自分を、認めてあげましょう。
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ママは、”感情労働“という目に見えにくい部分でも、日々たくさん頑張っているのですから、それだけ休息や気分転換も必要だと意識しましょう。
家族で話し合い、家事をできるだけ分担し、手を抜けるところをたくさん見つけます。
そして、細切れに手に入る時間を、睡眠やホッと一息するひととき、また心の踊る趣味や気持ちの晴れる運動に費やすよう心がけましょう。
これまで35年近く続けられる”感情労働”の研究を通し、うわべだけ取り繕う“表層演技(surface acting)“の方が、自身の内面を調整する”深層演技(deep acting)“よりストレスがたまると分かっています。(※3)
例えば、腹の中で子どもに対して怒りが煮えたぎっている場合。
「子どもには怒るべきじゃない」とすぐさま怒りに蓋をして子どもに接する方が、「どうしてこの子はこういうことをするのかな?」と観察し、その子のいいところを見出すことで落ち着きを取り戻し接するよりも、心に負担がかかりやすいというわけです。
また、子どもと過ごす時でも、楽しむフリをするより、子どももママもお気に入りの場所へ出かけるなど、ママも楽しめる工夫をしてみるのも方法です。
ママも時には、子どもの前で怒ったり泣いたりしてもしょうがない、そう自分を許しましょう。
ネガティブな感情を表した後、必要と感じるのならば、「ママ疲れていて、必要以上に怒っちゃったね。ごめんね」と謝り、また、「ママ、今日お仕事で辛いことがあって泣いちゃったね。でも、もう元気よ」と笑顔で抱きしめてあげます。
子どもも、「悲しくても、また笑顔になれるんだな」と体感することができるでしょう。
そして、楽しいことも辛いこともある人生に羽ばたいていく子どもにとって、感情を抑え込む姿より、こうして、ネガティブな感情から立ち直るママの姿を見せる方がよりためになる、そう思いませんか?
ママ自身の心の状態を見つめ、無理し過ぎることのない子育て環境を築いていきたいですね。
【参考・画像】
※ 1 Russell Hochschild, Arlie (1983). The managed heart: commercialization of human feeling(マネージされるハート:人の感情の商業化). Berkeley: University of California Press. – Amazon
※ 2 Hae-Kyung Sohn, Timothy J. Lee &Yoo-Shik Yoon Emotional Labor and Burnout: Comparison Between the Countries of Japan and Korea (感情労働とバーンアウト:日本と韓国の比較)
※ 3 Hülsheger, U.R.; Schewe, A.F. (2011). “On the costs and benefits of emotional labor: A meta-analysis of three decades of research(感情労働のコストと利点)”. Journal of Occupational Health Psychology. 16: 361–389.
※ Antonio Guillem、279photo Studio / Shutterstock
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