『メタルギア サヴァイブ』レビュー、最新作をシリーズファンはどう見る

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2018年03月22日 19:23  マイナビニュース

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前作『メタルギア ソリッド V ファントムペイン』(以下『MGSV:TPP』)から2年。その優れた操作性やグラフィック品質はそのままに、新たなゲーム性を付与されたスピンオフとして生まれ変わった『メタルギア サヴァイブ』。

正直なところ、過去作とのストーリーやキャラクター的な繋がりは少ないので、過去作を一切遊んだことがない人でも問題なく遊べます。……が、「メタルギア」という名前が与えられている本作ですから、どちらかと言えば「メタルギアは好きだったけど、今作はどうなんだろう?」と迷っている人の方が、内容が気になっているんじゃないでしょうか。

○『MGSV:GZ』のエンディングから始まるストーリー

『メタルギア ソリッド V グラウンド・ゼロズ』で、スネークは米軍基地からチコとパスを救出してマザーベースへ帰還。するとマザーベースはXOFから襲撃を受けており、兵士達はスネークを逃がすため、マザーベース上で応戦していた。

と、ヘリに乗っていたスネークたちのその後を描いたのが『MGSV:TPP』なのに対し、マザーベース上で闘っていたひとりの兵士のその後を描いたのが本作。主人公はマザーベース上に開いた異次元への扉(ワームホール)へ吸い込まれそうになるも、左腕を吸い込まれたところでワームホールが閉じ、左腕は失ったが現世に留まることができた……というのが本作のプロローグ。

この時、左腕を失うと同時に未知の生命体に寄生された主人公。その後、寄生された体の治療法の発見と、仲間の救出を目的にクリーチャーが巣くう異次元の世界へと乗り込みます。

○敵を倒して、動物は倒して調理して、水も汲んで…

次に、肝心のゲーム内容がどう変化したのか。要素が多いゲームなので、一度に全部を説明しても混乱されるでしょうから、キモとなる部分を解説させていただきます。

ベースキャンプを中心にAIポッドの指示に従って探索範囲を広げていき、フィールド内にいるクリーチャーと戦闘したり、一方で自分の食物や飲料水を確保するというのが基本的なサイクル。

プレイヤーキャラクターのパラメータに「空腹」という要素があるのは、『メタルギアソリッド3』以来ですね。

クリーチャーと戦闘した際、自分のHPがゼロになったらゲームオーバーになるのは一般的なアクションゲームと同じ。ですが本作では、これに加えて空腹と喉の渇きにも注意を払い、野生動物を狩猟したり、水場で空のビンに水を汲んでおくという要素もあります。そう、本作のタイトル「サヴァイブ」という言葉の意味がわかってきましたよね?
○どの辺がどのくらい「サヴァイブ」なのか

次に、戦闘や飲食物に対するサヴァイブ「ぶり」を説明したいと思います。

私は過去の『メタルギア』シリーズは初代のMSX2版からすべてクリアしていますが、このゲームでは比較的序盤で戦闘に負けました。

その理由は、過去作の雑魚戦では「敵から隠れて忍び寄り、背後から強烈な一撃を……」というゲーム性だったのに対して、本作では正面からぶつかっていくことが多くなる印象。にも拘わらず、序盤で手に入れたハンドガンはイベントで手放してしまうため、実際に自分で使う武器はパイプスピア(鉄槍)。パイプスピアと言うと聞こえはいいですが、単に細い鉄パイプの先端を斜めにカットして、刺しやすくしているだけのワイルド武器です。

かつて、「選んだキャラによっては、短いナイフだけでゾンビから生き残るゲーム」もありましたが、クリーチャーから逃げるのではく、戦う場面が多い本作においては、なかなかリスキーな武器です。

……と、文句を言っていても仕方ないので、ベースキャンプの近くにある基地へ「記憶板」を取りに行けという指令に従ってみることに。パイプスピアを背中に携えて行ってみたら、クリーチャーが2体。「まあ、2体なら……」と思っていた時代が私にもありました。 ※死亡フラグ

2体のクリーチャーから逃げ、1体を撃破。もう1体を倒しに基地へ戻ったら、他にもたくさんのクリーチャーがいて、結局囲まれて死亡。

難易度調整がないゲームなので、難しいからと言ってEASYモードに逃げ込むこともできません。

うーん、うーん……うー……ん?

一つ、思い出したものがあります。チュートリアルの中で「作れ」と指示されたので、わけもわからずパイプスピアの次に作った「ノーマルフェンス」。これが使えるんじゃあ?

そう思い、今度は基地の正面から突入。クリーチャーたちが近寄ってくる前に、作ったばかりのフェンスを設置。私の想像が正しければ……。

ビンゴ! クリーチャーは通路に置かれた2枚のフェンスの「横に回り込む」という発想もなく、主人公に向けて真っすぐ突っ込んできます。

フェンスに向けてガシャガシャと突っ込んでくるクリーチャーに向けて、フェンスの隙間からパイプスピアを突っ込んで攻撃。一方的にクリーチャーを倒していきます。

さきほどあんなに苦戦を強いられたクリーチャーが、次々倒れていくのは快感。
「これが人間様の知恵じゃあぁ!」と叫びながら、最後の1体の動きが完全に止まるまで、突くのをやめないッ!

○空腹を満たすための「サヴァイブ」

戦闘でのコツを学び、気持ち的に余裕が出てきた私。
サザエさんばりの勢いで「さぁーて、次の目的地はー?」などと考えていたわけですが、AIポッドからの警告メッセージ。どうやら、そろそろお腹が空いてきたようです。

そこで、イベントを進める前に飲食物を確保することに。ベースキャンプの近くには、野生動物が生息しているご様子。こいつらをパイプスピアで仕留めて、食糧とさせていただくことに大決定。
マップを見ながら動物を探すと……いたいた。羊が数匹いましたよ。左の口角をきゅっ、と上げながら近寄ると……。

ダダダッ……

逃げられてしまいました。
しつこい追い回して近寄り、尻に向かってパイプスピアを突き刺すと、1分程度かけて、ようやく1匹。羊の死体に近寄って、□ボタンを長押しして、羊肉ゲット。せっかくなので3匹分くらい肉をゲットしたかったんですが、2匹倒したところで残りの羊には逃げられてしまい、断念。
ちなみに、羊がいた場所の近くには水たまりもあったので、空き瓶に水を詰めて持ち帰ります。汚れた水を飲むと感染症になる可能性がありますが、背に腹は代えられぬ。喉が渇いた時に汚れた水しかなければ、目を閉じて飲めばいいさ!

ゲットした羊肉は、このまま食べたら感染症になる可能性があるので、ベースキャンプにある「キャンプファイアー」で加熱調理。きれいな水があれば、羊肉を煮込んでスープを作ることもできますが、ゲーム開始直後ではきれいな水も貴重なアイテム。飲料水として飲みたいので、羊肉は加熱調理して食べることにしました。

調理後の重量が300gと比較的軽いので、荷物にならず持ち運べるのも助かります。

○次の基地へ行ったら、クリーチャーの巣窟だらけ

さて、腹も喉も満たされたので、少し前から「記憶板を入手しろ」と指示されまくっていた場所へ。でも、行ってみるとそこは基地。基地=人がたくさんいた=そいつら全員クリーチャーになった=クリーチャーの巣、という三段論法が発動するわけですよ。

指示通りの基地へ到着したら、正面入り口の近くに行っただけでも、もうクリーチャーを9人発見。ゴキブリは「1匹見つけたら100匹いると思え」って言われますが、クリーチャー9人がお出迎えする基地には、総勢何名様がご在宅なのか、計算したくなくなります。

ここで「ほかに、警備が手薄な場所がないかな?」と考えるのが「メタルギア」シリーズファンの発想。……と、いうわけで基地の外壁に沿って少し歩いていくと、開くことはできないものの壊れもしない、頑丈なフェンスを備えた裏口を発見。




!

というわけで、フェンスの前を行ったり来たりしながらクリーチャーの注目を集め、近寄ってきた奴から順に始末。あっという間にクリーチャーの死体が20体ほど積み重なるほどの大豊作になりました。

……が、まだフェンスの向こう側にはクリーチャーがそれなりの団体さんで残っていらっしゃいますが、視力が悪いのか私に気付いてくれません。「そうだ、メタルギアだし、音を出せば……」と、クリーチャーの死体にザクザクとパイプスピアをザシュザシュ刺しても無反応。困ってしまってワンワンワワン。

仕方がないので意を決し、正面入り口から突入することに。もちろん、たくさんの私のファン(クリーチャー)さんが押し寄せてくるので、ここにもノーマルフェンスを設置。さきほどと同様に、フェンス越しの槍突き作業に入るわけです。

……が、さきほどと違っていたことが一つだけありました。そう、それはクリーチャーさんがたくさんいた、ってことです。

ノーマルフェンスの耐久度は、みるみるうちに低下。中には金網に捕まって登り始める奴まで出始めて、フェンスがグググッ……と、こちらに倒れてくるではありませんか。警備員がいたら「押さないで下さーい!」と、拡声器でシャウトするレベルです。

「仕方ない、2個目のフェンスを設置するか…」とアイテム欄を見てみると…うん、在庫切れ。

「お邪魔しました!」気付いたら私はその場に背を向け、基地の外に向けて走り出していました。

ベースキャンプに戻ってノーマルフェンスを2個くらい作らないと、これ以上先へは進めそうにないからです。

基地から少し離れ、クリーチャーの追手から逃れた頃。すっかり陽は落ちて、空には星が見えてきました。

「凄い星空……」そう感動しながらも、「喉の渇きは残り27%か……また汚れた水を飲まないといけないのかな……」などと考えると、星空の感動もどこへやら。

……と、SINGLEプレイだけでもこんなに楽しい『メタルギア サヴァイブ』。この他にもCO-OPプレイがあったり、タワーディフェンス的な要素もあったりする、盛り沢山なゲームです。

『メタルギアソリッド』のスピンオフなのに、メタルギアじゃない? みたいな懐疑的意見を持たれている方もいらっしゃるようですが、ここまでに紹介したSINGLEプレイの内容が気になったら、ぜひともお手に取ってみてください。

あ、そうそう。このゲームがもしラノベだったら、こんな題名が付いてるんだろうな……って思ったタイトルで締めます。

スネークの部下だった俺が異次元の世界へ飛ばされて、
鉄槍でクリーチャーと闘わされているんだが

ソフト名 :METAL GEAR SURVIVE / メタルギア サヴァイブ
プラットフォーム :PlayStation(R)4
ジャンル :サバイバルアクション
プレイ人数 :1〜4人
※オンラインマルチプレイを楽しむにはPlayStation(R)Plusへの加入(有料)が必要
※本作品は「オンライン専用」タイトルです。プレイ時にはインターネットに接続できる環境が必須となります。
価格:
デジタルデラックス版 希望小売価格:6,980円(税別)
ダウンロード通常版 希望小売価格:4,980円(税別)
パッケージ版 希望小売価格:4,980円(税別)

(C)Konami Digital Entertainment(りんどー)

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