【脳科学恋愛研究所 Vol.01】50歳を過ぎてから、急にモテなくなった…それは、なぜか?

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2018年03月27日 11:00  citrus

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脳神経外科医の立場から、健康法やメンタルケアに関するさまざまなノウハウをわかりやすく解説し、多くの著作を世に送り出しているドクター菅原道仁と、これまで5000人以上の若者を取材し、今なお「永遠の思春期」を自称するカリスマライター山田ゴメスとの“夢のコラボ”がcitrusで実現! ドクター菅原による脳科学に裏付けられた冷徹な分析と、ゴメスが25年のライター業で蓄積してきた膨大なデータをMIXした、死角ナシ&最強の「恋愛相談」をアナタにお届けします!!

 

【プロフィール】

菅原道仁(すがわら・みちひと)

1970年埼玉県生まれのA型。現役脳神経外科医。クモ膜下出血や脳梗塞といった緊急の脳疾患を専門として救急から在宅まで一貫した治療システムの提供を目指し、北原国際病院に15年間勤務。現在は菅原脳神経外科クリニック院長。その診療体験をもとに「人生目標から考える医療」のスタイルを確立し、心や生き方までをサポートする治療を行う。「恋愛とは病気の一つ」をモットーとするが、本人は「すぐ恋に落ちてしまう反面、フラれたらすぐ忘れてしまう」という至って健康体?

 

 

山田 ゴメス(やまだ・ごめす)

1962年大阪府生まれのB型。関西大学経済学部卒業後、大手画材屋勤務を経てフリーランスに。エロからファッション、学年誌、音楽&美術評論、さらには漫画原作に省庁仕事まで…記名・無記名、紙・ネットを問わず、偏った幅広さを持ち味とするライター&イラストレーター。かつては『Hot-Dog PRESS』の恋愛・SEXマニュアルも担当していた「恋のマエストロ」。「百の恋愛には百の戦略がある」をモットーとし、「いまだ現役」の実体験から得た千差万別のデータに基づいたリアルなLOVEテクニックは他の追随を許さないが、自分の色恋沙汰になると案外ポンコツな一面も時折かいま見せる。

 

 

 

【LOVE BRAIN  中年男性編】

♯Case01 おっさんはなぜモテないのか?

 

【本日のお悩み】

30代40代のころは女性に困ったことがなかったんですけど、50歳を越えて急にモテなくなってしまいました。単なる偶然なんでしょうか? それとも、なにか脳科学的な根拠があるんでしょうか?(55歳・独身男性/文筆業)

 

ドクター菅原(以下、菅原):あははは。これって、ゴメスさん本人の質問でしょ?

 

山田ゴメス(以下、ゴメス):バレました(笑)? ここ数年、かなり切実で……。ところで、先生は前から「恋愛モノの企画がやりたい」とおっしゃってましたけど、そもそもなぜ、脳外科医の立場から「恋愛」を語りたいんですか?

 

菅原:人間の悩みって、突き詰めれば「お金」か「恋愛」しかないと僕は思っているんですよ。とくに、恋愛は「フェロモン」だとか「気が合う・合わない」だとか、判断基準が曖昧で実体がないケース、すなわち数値化できない要素が多いので、「自分を理解すること」がよりむずかしい。だから悩むんです。たとえば、ここに赤い薔薇があるとしますよね? しかし、僕が感じている赤とゴメスさんが感じている赤は、微妙に違っていたりするんです。つまり、花が有している赤をRGBで分解して判別しているのではなく、「認知」という我々の脳の機能があって、仮にゴメスさんが「薔薇が飾られたレストランでプロポーズして成功した」経験があったとすれば、その「赤」にポジティブな感情が付加され、僕に「薔薇をプレゼントしたのにフラれた」経験があったとしたら、その「赤」にネガティブな感情が付加されて、二人は異なった「赤」を認知するわけです。こういう「感情のすれ違い」は脳の仕組みから来るもので、しかもこの類のズレは「恋愛における悩みの大半の原因」でもあるため、そこらへんを脳の見地から最短距離で解決できるようなお話ができればいいかな……と。

 

ゴメス:素晴らしい! じゃあ、さっそく僕の悩みも最短距離で解決してください。

 

菅原:はいはい、お任せください(軽薄な調子で)。

 

 

 

■年を重ねるごとに「相手の本能的な部分に訴えかける魅力」が封印されていく?

 

 

ゴメス:ちなみに、僕は今年56歳になるんですが……なんか50歳を越えたころから、ぶっちゃけ「セックスまで持ち込める確率」がぐんと減っちゃったんですよ。そりゃあ、最近はお酒を飲めばテッペン(=業界用語:午前0時を指す)過ぎると、眠くなっちゃって「エッチより睡眠」って意識が勝り、“バトル”を途中放棄してしまうことも、しばしばあります。体力と根気が衰えてきたっていうか……。でも、筋肉は野球とテニスでそこそこ鍛えてるし、髪の毛も一応残ってるし……。あと、多少飲んでもまだまだビンビンだし……加齢による見た目や下半身機能低下のコンプレックスが“攻めの姿勢”にブレーキをかけることも、現時点じゃ全然ないわけです。なのに、なんで!?

 

菅原:「なんで!?」って言われても……ねぇ(苦笑)。

 

ゴメス:いやいや、先生は今年47歳でしたっけ? あと3年もしたらね、いきなりモテなくなるから! 100%!! 申し訳ないけど。

 

菅原:60歳70歳になっても輝いている男性は、いっぱいいるじゃないですか。

 

ゴメス:またまた〜。そーいう綺麗事はやめましょうよ! お医者さんなんだから、せめて「種の保存本能の一環として、メスは若いオスからタネを植えられたい性質がある」ぐらいのことは言ってくださいよ〜。

 

菅原:まあ、たしかに人間も動物ですし……また、我々動物が生きていくためには種の保存が第一目的となるわけですから。そうなってくると生殖能力が大きなポイントとなるのは間違っちゃあいないんだけど、僕はここまで複雑に進化した人類を、なんでもかんでも「種存本能」の一言で片づけるのは、逆にズルイと考えてしまうんです。

 

たとえば、「人間の嗅覚と視覚が退化した理由は、喋ることができるようになったから」って話をご存じですか? 我々人間は社会性がある動物ゆえ、嗅覚や視覚がさほど発達していなくても身の安全を保てるようになりました。別に、匂いで「食べられる物・食べられない物」を判別できなくても、人から会話を通じて教えてもらえば、それで済むわけです。ただ、衰えたとはいえ、動物としてのセンサーはまだ残っているので、匂いやビジュアルとしては自覚していなくても脳には作用している場合もある。そして、ゴメスさんは、年齢や職業から培ってきたあまりに豊富な恋愛経験がむしろアダとなり、過去のデータ、表現を変えると「言語から構成されている情報」に頼りすぎて、「女性の本能的な部分に訴えかける魅力」を無意識下で封印しているんじゃないですか?

 

ゴメス:……。つまり「今の僕にはフェロモンがなくなってきている」ってことですよね? のっけから身もフタもないご指摘ありがとうございます(怒)。

 

菅原:う〜ん……「フェロモン」は、昆虫などの研究では大変進んでいるんですけど、ヒトに当てはめるとまだまだ解明されていないことが多いんですよ。それよりは「オキシトシン」のほうが言葉としては正確かも? 


とくに女性が出産時によく分泌するホルモンのことなんですが、もちろん男性にだって発散は可能。これは別名「思いやりホルモン」とも呼ばれていて、「嗅がせること」で相手の信頼を得やすくなる作用があるんです。実際、ある心理学の実験で「オキシトシンを嗅がせた人間の群と嗅がせなかった人間の群とでは周囲からの信用度が違ってきた」という結果も報告されており……、

 

ゴメス:はいはいはいっ(挙手)! 僕も発散したい!! 嗅がせたい!!! それって、どうやったら分泌できるんでしょう!?

 

菅原:ボディタッチや慈愛……優しい気持ちでいるときはオキシトシンが発散されやすい。なので、授乳中の女性はすごくいっぱい出るらしい。ゴメスさんもおっぱい吸われたらドバ〜っと出まくっちゃうんじゃないですか(笑)?

 

ゴメス:できれば、そのシチュエーションに持っていく前に出しまくりたいのですが……。

 

菅原:さすがに「おっぱい吸わせて…」は冗談ですけど(笑)、そのような物質が存在するのは事実です。

 

 

 

 

■「モテなくなった」は裏を返せば、とても贅沢な悩み?

 

ゴメス:で、まもなく還暦を迎え、それでも昔と遜色なく死ぬまでモテ続けたい僕は、結局どーすればいいんですか?

 

菅原:あのね、ゴメスさんがさっきから口にしている「モテなくなった」は、じつのところ、とても恵まれた悩みなんですよ。

 

ゴメス:え! そうなの?

 

菅原:だって、「モテなくなった」ってことは「モテていた」経験があるってことでしょ?

 

ゴメス:なるほど……一皮剥けば、無茶苦茶「上から目線」なわけですね?

 

菅原:そうなんですよ(笑)。同時にゴメスさんは、そんな昔のイメージに縛られている……。

 

ゴメス:昔のように速い球が投げられない……と苦悩するベテランピッチャーみたいな?

 

菅原:そのとおり! 数年前はストレートで三振取れたのに……っていうのと一緒。

 

ゴメス:野球に例えてもらうと一番わかりやすいです。

 

菅原:じゃあ、「昔はモテていた」という過去を自信に変えましょうよ!

 

ゴメス:「若いころはオレも…」的なおっさんになれってこと?

 

菅原:だからぁ、それを言うから、おっさんは煙たがられるんですよ(笑)。

 

ゴメス:ですよね……。コイツはもう脳科学とはまったく関係ない次元で(笑)。

 

菅原:モテるために重要なのは「共感」を獲得すること。人間、基本は誰しもが「しゃべりたがり」で、年齢を重ね、いろんなバックグラウンドが増えていけばいくほど、「それを人に話したい」欲求が強くなってくる。そこをぐっとこらえて聞き役に回り、共感の空気をつくればいい

 

ゴメス:「基本の基」って感じのマニュアルですな。世のおっさんたちはそれが意外とできていないってことか……。

 

菅原:とりあえずは、相手の話を真剣に聞く姿勢を忘れず、女性の「しゃべりたい願望」を満たしてあげる、それこそ「慈愛の精神」があれば、何歳になったって自然とオキシトシンを発散させることもできるはずです。

 

ゴメス:耳が痛いわ……。

 

 

【今日の結論】

おっさんは過去の経験に縛られすぎて、オキシトシンを発散する努力を怠っている!

 

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このニュースに関するつぶやき

  • 男も女も50代からガタッと老けますからね。40代とは違うでしょう。
    • イイネ!8
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