<プライバシーのない「二ーハオトイレ」から一変。衛生面は劇的によくなったとしても、違和感の残るトイレ...>
「まるでゴミ溜め」――北京に住む韓国人カイ・パクは、15年前に初めて中国を訪れてトイレを見たときの様子をこう言い表した。香港英字紙サウスチャイナ・ モーニングポストの取材に対し、そもそもドアのないトイレもあったし、利用者がドアを閉めないケースもあったと話す。隣との壁すらなく、用を足しながら挨拶できることから「二ーハオトイレ」とも揶揄された。
Relief for foreigners amid China's public toilets makeover ... but there's still room to improve https://t.co/LPgmng1VkJ pic.twitter.com/jWnV8BqrDD— ValuBit News (@ValuBit) 2018年3月31日
よく見られた穴だけのトイレ
しかし、パクが北京に暮らし始めてから10年。特に近年、中国のトイレは劇的にきれいになっただけでなく、利用者のエチケットもかなりよくなったと言う。深刻なトイレ事情を重く受け止め、習近平(シー・チンピン)政権が中国全土の「トイレ革命」を推進しているためだ。サウスチャイナ・ モーニングポストによると、中国全土で7万基の公衆トイレが増設された。
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左:2013年に北京の旧市街にあった公衆トイレ。再開発により取り壊された。右:同年、北京市内のデパートの男子トイレ Kim Kyung-Hoon-REUTERS
【参考記事】中国で進む習近平の官製トイレ大革命
ただ、この「トイレ革命」は方向性が少々おかしい。ある種の芸術作品のような様相を帯びてきた革命の産物は、単に用を足すというトイレの概念を越えている。
public toilets with garden, Anlong #China(via @SPIEGELONLINE ) pic.twitter.com/q5AAz7Jeq1— Christian Robert (@fidus) 2017年12月8日
中国南西部貴州省安竜県の公園に設置された、ガラス張りの個室トイレ
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アミューズメント施設のよう South China Morning Post-YouTubeより
専用モニター付きの男子トイレ South China Morning Post-YouTubeより
2017年、中国江蘇省南通市でイベント開催時に出現した公衆トイレ REUTERS
景勝地として有名な浙江省の缙云大洋山森林公園には、エコを意識した意識高い系トイレが現れた。中国国営英字紙チャイナ・デイリーによると、トイレは3Dプリンターで作られた。
3D print toilet from China. pic.twitter.com/2PTT3aN3pq— LeeDing (@LeeDing1989) 2017年5月12日
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加速する「トイレ革命」が奏功してか、Wi-Fiにソファ、ATMなどが併設された豪華な「五つ星トイレ」まで出現している。衛生面の改善とともに、使い勝手を超えた「作品」も増え続けていくのだろうか。
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
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