AKB48の新曲「Teacher Teacher」が"スクールセクハラ正当化"と批判の声! 秋元康の女性蔑視思想が今回も...

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2018年04月17日 15:11  リテラ

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リテラ

またしても秋元氏の作詞が…(AKB48公式ホームページより)

 今月7日放送『CDTV祝25周年SP』(TBS)で初披露されたAKB48のニューシングル「Teacher Teacher」。6月に開票イベントが行われる「AKB48 53rdシングル世界選抜総選挙」の投票権が付いたシングルで、九割九分九厘、2018年で最も売れたCDシングルになる楽曲だが、この曲の歌詞が「スクールセクハラを正当化している」として批判の声があがっている。



 この曲の主人公は中学か高校に通っている女の子。「大声ダイヤモンド」での大ブレイク以降、AKB48のシングル表題曲の歌詞では一人称が「僕」で男性視点であることが圧倒的に多く、これは珍しいパターンである。



「Teacher Teacher」は、その女の子が〈学校じゃ気づいていなかった/街で会って はっとしてしまった/男性だって 今さら思い出した/イケてるんじゃない?〉としながら、街で偶然出会った教師に性的な魅力を見出すところから始まる。



 そしてBメロでは〈声掛けようか迷って/溢れそうなカフェラテ/運命とは奥の手 話を聞かせて/誰かに見られて噂されても 私は平気〉と歌われ、少女が男性教師との恋愛に積極的であるという状況が明示された後、サビではこんなにはっきりと少女側からの誘惑が描かれる。



〈Teacher Teacherなぜ逃げ腰で/Teacher Teacherなぜ微笑むのかしら?/ Teacher Teacherなぜ私とは/Teacher Teacherなぜこんな距離を置くの?/Teacher Teacherなぜ教え子は/Teacher Teacherなぜ恋愛対象外?/Teacher Teacherなぜプライベートは/Teacher Teacherなぜよそよそしい/いつもと違う今日の先生〉



 二番では〈いつも教えてもらってるけれど/愛について教えてあげるわ/さあ もっともっと楽しい時間/ここからは全てを任せてお願いTeacher〉と歌われ、恋愛どころか、セックスを暗示させるような歌詞すら並んでいる。



 これに対し女子高生サポートセンターColabo代表の仁藤夢乃氏はこうツイートし、このような歌詞が全国放送の音楽番組で歌われている状況に疑問を呈した。



〈AKBの新曲Teacher Teacher「なぜ教え子は恋愛対象外?/いつもと違う今日の先生」とか、びっくりして歌詞をはっきり覚えていないけど、生徒が先生を誘うような歌詞に合わせ、腰を振り性的にアピールするような踊り。これをおじさんたちが作り10代の子たちに歌わせ踊らせていることが問題にならない日本〉

〈教師による性虐待やスクールセクハラが溢れる社会の中で、それを正当化するような曲に聞こえる。被害者たちへのセカンドレイプにもなると思う。そして、教師や大人に性的に見られることは喜ばしいことなのだと女の子たちに認識させ内面化させるような曲にも思える〉



●秋元康はおニャン子時代から、少女が男性教師を誘惑する歌詞を書いてきた



たしかに、この仁藤氏の懸念は理解できる。現在、高校や中学では教師による生徒へのセクハラやわいせつ行為が大きな問題になっており、そのなかで、あたかも生徒のほうが教師に対して性的な誘いをしているかのような歌詞は、それを正当化することにつながりかねないだろう。



 しかも、問題は、この歌詞が、語り手である主人公の女の子の視点から歌われているように見えて、書かれている中身は少女を性的に利用しようとする大人の男の欲求であり、大人の男の目線であることだ。



 それは演出にも表れている。センターを務めるのは、この曲で初めてのセンター抜擢となる16歳の小栗有以(AKB48 Team8)。人気急上昇中である高校一年生の小栗を中心に据えながら、セクシーなダンスと露出の激しい衣装でギャップを演出しようという意図がありありとうかがえる。



 しかし、秋元康氏の歌詞の倫理性の欠如を指摘するのも空しくなってくる。というのも、秋元氏が女性アイドルに提供してきた歌詞でこの手のものは枚挙に暇がないからだ。



 たとえば、同じAKB48の「Dear my teacher」。AKB48黎明期の楽曲で、インディーズ1枚目のシングル「桜の花びらたち」(06年リリース)のカップリングに収録されているこの楽曲は、「Teacher Teacher」と同じく教え子の少女が男性教師を誘惑する様子が歌われている。



 この曲の主人公である女の子は〈何をそんなチューチョしてるの?/モラルに縛られているのね?〉と歌って教師に詰め寄り、さらに〈ねえ 絶対に 絶対に 誰にも言わないから/ねえ二人だけ パパやママにも秘密の話よ〉と誘惑。そしてさらには、〈授業じゃ教えてくれない/特別な補習をこっそり受けたいだけ/Do it BABY! Do it BABY!/ドアに鍵を掛けるだけでいい子になるから〉と、あからさまなセックスのメタファーまで登場する。



 こういった傾向は、作詞家としての秋元康氏の根底にあるとも言えるのかもしれない。1985年にリリースされた、おニャン子クラブ「およしになってねTEACHER」は、発表当時の時代を勘案しても唖然とするしかない内容だ。



 この曲の主人公は、あまり勉強が得意ではない女の子。〈数学なんてチンプンカンプン/まるでお手上げ/微分 積分 2次関数/絶体絶命 赤点ね〉と歌う。このままでは進級や内申点が厳しいのだろうか? そのために主人公がとったのは、〈最後の切り札は 教壇のあの人に/見える角度でスカートチラリお色気じかけ〉という行動だった。さらにこの曲の主人公は〈ピチピチの肌 見せるだけなら減りはしない〉とまで歌っている。児童買春をも「ネタ」にし正当化するような歌詞だ。



●過去にも、欅坂46、乃木坂46、HKT48の歌詞に「女性蔑視」との批判



 また、ご存知の通り、今回の「Teacher Teacher」のように秋元氏の女性蔑視的な歌詞が問題となったのは初めてではない。それどころか、たて続けに起きている。



〈月曜日の朝、スカートを切られた/通学電車の誰かにやられたんだろう/どこかの暗闇でストレス溜め込んで憂さ晴らしか/私は悲鳴なんか上げない〉と歌わせ、痴漢や障害に対し助けを求めたり抵抗するための「悲鳴」をあげることを否定的に描き、痴漢被害者への想像力の欠如を浮き彫りにした、欅坂46「月曜日の朝、スカートを切られた」。



 フェミニズムのアイコンとしてたびたび用いられるアメコミヒーロー・ワンダーウーマンが主人公の映画『ワンダーウーマン』の日本版イメージソングに〈女はいつだって一人じゃ眠れない/恋が邪魔をしているよ/どうする? 感情が動いて眠れない/胸のどこかが叫んでる寂しくなんかないないない誰かといたい〉との歌詞を提供し大きな批判を浴びた、乃木坂46「女は一人じゃ眠れない」。



〈難しいことは何も考えない 頭からっぽでいい 二足歩行が楽だし ふわり軽く風船みたいに生きたいんだ〉〈女の子は可愛くなきゃね 学生時代はおバカでいい〉〈世の中のジョーシキ 何も知らなくてもメイク上手ならいい ニュースなんか興味ないし たいていのこと誰かに助けてもらえばいい〉と、「女はバカでも愛嬌があればOK」とでも言わんばかりの、女性蔑視の幕の内弁当のような歌詞が大炎上した、HKT48「アインシュタインよりディアナ・アグロン」。



 このように、ここ数年だけでも秋元氏の歌詞における女性蔑視は頻繁に問題となっている。しかし、秋元氏の脳内の辞書に「反省」の二文字はないのであろう。



 それは、前述「アインシュタインよりディアナ・アグロン」の批判に対する秋元氏側の対応によく表れている。



「アインシュタインよりディアナ・アグロン」は、女性蔑視まるだしの歌詞に批判が殺到。本サイトも含め多くのメディアが批判的に取り上げたのだが、ここから驚くべき事態が起こる。



 なんと、彼の女性蔑視的な視線を批評した本サイトの記事に対して、AKB48の運営会社であるAKSの法務部が「名誉毀損及び侮辱罪が成立する」「即刻、記事を削除せよ」というメールを送ってきたのだ。本サイトの記事はあくまで作品に対する批評であり侮辱でもなんでもなく、本サイトがその旨を記事で表明すると、その後、運営側は沈黙したが、批評さえ恫喝で黙らせようとする態度を見る限り、秋元氏およびそのスタッフに批判を真摯に受け止める姿勢は感じられない。



 今回「Teacher Teacher」で初めてのセンターを務めた小栗の所属するTeam 8は、東京都が運営するパラスポーツ応援プロジェクト「TEAM BEYOND」の一員として活動している。もちろん、その先の展開として、2020年東京オリンピック・パラリンピックを見据えているのだと思われる。一方でこんな楽曲を歌わせながら、オリンピックにかかわらせようとしているとは、その無神経ぶりには呆れるほかはない。

(編集部)


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