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RADWIMPSとは真逆なSuchmosのNHK・W杯ソング! 愛国に絡め取られず「血を流さぬよう歌おう」「武器は絶対にもたない」

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2018年06月19日 20:41  リテラ

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リテラ

写真「NHKスポーツオンライン」より
「NHKスポーツオンライン」より

 RADWIMPSの「HINOMARU」の歌詞が「右翼的」「まるで軍歌」だと炎上した問題。本サイトは先日の記事で、こうした歌詞が生まれた背景に、同曲がW杯中継番組のテーマソングのカップリング曲として制作されたことがあると指摘した。



 日本ではW杯について「国の威信をかけて戦う」「国を背負った魂の戦い」などと、やたらナショナリズムを煽る勇ましい文言が飛び交う。W杯や五輪のテーマソングも愛国ナショナリズム的空気をまとったものが少なくないし、W杯や五輪にかかわることで、浅薄なナショナリズムに絡め取られていったアーティストは少なくない。



 今回のW杯でも、各局テレビ中継にRADWIMPS(フジテレビ)のほかに、Suchmos(NHK)、NEWS(日本テレビ)、EXILE(TBS)といった人気アーティストたちがテーマソングを提供しているが、どういう曲になっているか気になったのでチェックしてみた。



 まずフジテレビが起用した、問題のRADWIMPS「HINOMARU」のカップリング曲でもある「カタルシスト」。〈気高きこの御国の御霊〉〈日出づる国の/御名の下に〉〈僕らの燃ゆる御霊〉などと歌った「HINOMARU」ほど軍国主義に満ちた曲ではないが、とはいえ、「カタルシスト」も、〈勝たなきゃ始まらにゃーなこともあるワケであるのだからさ〉〈今は御託並べずにがむしゃらに勝ちに行く時〉〈敵は強く見えるもの〉といった好戦的な言葉が目立つ。「HINOMARU」が本物の特攻隊なら、こちらは特攻服を着た暴走族レベル(たとえが古いか)だが、やはり、"国の威信をかけた戦い"というW杯や五輪テーマソングの定型からは逃れられていない。



 続いて、日本テレビの中継テーマソングは、同局のワールドカップメインキャスターを務める手越祐也が所属するNEWSの「BLUE」。そもそもNEWSといえば、歌詞がどうこう以前に、小山慶一郎、加藤シゲアキ、手越祐也と4人中3人のメンバーが未成年女性との飲酒を報じられたばかり。小山はそれを理由に日テレのニュース番組をはじめ活動自粛となっているのに、手越がまるで何事もなかったかのようにワールドカップのキャスターを務めているのも甚だ疑問だが、歌詞もヒドイ。〈吠えろニッポン いざ行こう/立ち向かえ希望へ/攻めろニッポン さあ行こう/灯せ青い炎〉と手垢まみれの言葉が並ぶ日本代表応援歌。言うまでもなく、W杯に出ているのは日本だけではないし、日テレだって日本戦以外のワールドカップ中継もするのに、そのテーマソングが"日本だけを応援する歌"って。日本選手が絡まない試合もそれなりに視聴される数少ない競技であるにもかかわらず、どれだけ島国根性なんだと言いたくなる。



 そして、TBSの「2018 TBSサッカー中継テーマソング」は、EXILEの「Awakening」が選ばれている。「Awakening」は「カタルシスト」や「BLUE」とは違い、ことさらに敵愾心を煽ったり、愛国風味の日本応援ソングにはなっていない。〈ドロだらけで追いかけたボールをただ必死にあのネットの向こうへと〉と、サッカーのテーマ曲らしい描写がありつつも、〈この人生に誇れることがあるなら/たった1つに全て懸けてきた日々〉と、「サッカーを通じた自己実現」といったテーマに落とし込まれており、なんとも体育会系なLDHらしい曲となっている。



 EXILE「Awakening」のようなスポーツと自己実現を重ねる歌詞も、「カタルシスト」や「BLUE」のような戦闘姿勢や国家意識を強調するような歌詞も、いずれもW杯や五輪テーマソングの定番である。少し前は前者の自己啓発系が主流だったが、最近はそこに愛国要素を加えた後者のようなものが増えてきた。



 その最たる例が、2014年サッカーワールドカップでNHKの中継テーマソングとなった椎名林檎「NIPPON」だろう。この曲で椎名は〈この地球上で いちばん 混じり気の無い気高い青〉〈our native home〉〈我らの祖国〉といった純血思想をことさらに強く歌いあげた。特に、〈噫また不意に接近している淡い死の匂いで/この瞬間がなお一層鮮明に映えている/刻み込んでいるあの世へ持って行くさ/至上の人生 至上の絶景〉の部分は特攻を美化するかのように読める。



●サッカーの持つ負の歴史を乗り越えようとしたSuchmos「VOLT-AGE」



 いずれにしても日本では、こうしたかかたちでW杯・五輪のテーマソングとと愛国ナショナリズムが安易に直結する傾向が強くなっているのが現状だが、そんななか、異彩を放っている曲がある。NHKのサッカー中継で流される「2018 NHKサッカーテーマ」に選ばれたSuchmos「VOLT-AGE」だ。



 この曲は愛国心を高らかに歌いあげることもないし、対戦相手を「敵」と呼ぶこともない。むしろ、サッカーを通じての相互理解や平和を歌っている。



 まず、冒頭からそうだ。Suchmosは〈感じ取り合うのさ 漂うリズム 譲れぬイズム〉と、お互いのチームの主義を戦わせるのではなく、〈感じ取り合う〉と表現する。



 そして、続いてでてくるのは〈血を流さぬように 歌おうぜメロディ 自由のメロディ/手に取るのはギター 最新型のセオリー/We never take any arms〉というフレーズ。戦うのではなく、血を流さないように歌う。しかも歌うのは「国のため」ではなく「自由のメロディ」、「手に取るのはギター」でarms=武器は絶対に取らない。そこからは反戦のメッセージすら感じ取れるほどだ。



 まさに好戦的な姿勢を全開にする他の局のテーマソングとは180度真逆のアプローチだが、しかし、こうしたリリックにくわえ、曲調も定番のサッカーのテーマソングとはまったく違うものになっていることから、ネット上では〈W杯の曲、Suchmosじゃ全然盛り上がらねー〉〈サチモスの曲、W杯に合ってねー〉という批判も出ている。



 しかし、Suchmosはサッカーのことを無視して、ひとりよがりでこの曲をつくったわけではない。それどころか、「VOLT-AGE」は各局テーマソングのなかで、最もサッカー文化への愛と教養に溢れた曲といえる。それを端的に示すのが、このラインである。



〈on the pitch/You'll never walk alone/Across the space 星の数のように〉



 これを聞けば、サッカーに詳しいファンはおそらくニヤリとするだろう。「You'll Never Walk Alone」というのは、スタジアムでサポーターが合唱する有名なアンセムの曲名だからだ。



 この曲は全世界のスタジアムで歌われており、JリーグではFC東京のサポーターが使っているが、とくにプレミアリーグのリバブールFCのものが有名だ。 2016年4月15日、1989年にイギリスのヒルズボロ・スタジアムで起きた将棋倒し事故の犠牲者を追悼するため、リバプールとドルトムントのサポーターがクラブの枠を超えて大合唱し、同年のFIFAファン・アワードを受賞したのも記憶に新しい。



「You'll Never Walk Alone」は、国やクラブチームの枠を越え、サッカーを愛する者同士が連帯するアンセムとして歌い継がれ、数多くの感動的な場面を生み出してきた。



「VOLT-AGE」で作詞を担当したボーカルのYONCEは大のリバプールファンで、ライブでもしばしばリバブールFCのユニフォームを着て登場することで有名だが、そのアンセムが出まれた背景を知ったうえでこのフレーズを使っているのは間違いない。



 それは、〈血を流さぬように 歌おうぜメロディ〉という歌詞も同様だ。サポーター同士が血を流したサッカーの負の歴史、ワールドカップを国と国の代理戦争のように位置付けてしまう浅薄なナショナリズムをけん制するために、YONCEはあえて、この反戦的なフレーズを持ち出しているのだろう。



●RADWIMPSや椎名林檎のように愛国に絡め取られなかったSuchmosの知性



 前述したように、W杯や五輪となると、オートマティックに愛国ソングをつくってしまうアーティストは多い。実際、RADWIMPSや椎名林檎はこうしたスポーツイベントにかかわることで、いとも簡単にナショナリズムに取り込まれてしまった。そう考えると、歌詞においても曲においても、愛国ナショナリズムにも安易な感動やカタルシスにも流されることなく、まったく新しいアプローチをしてみせたSuchmosの知性とセンスは際立っている。



 先に「W杯に合ってない」「盛り上がらない」「せっかくのブレイクのチャンスに微妙」などと批判の声が上がっているといったが、むしろその違和感を作り出していることこそが評価されるべきだろう。カジュアルな愛国ムードがはびこる現在の日本で、多くのアーティストがW杯・五輪のテーマソングという「チャンス」に飛びついて、罠にはまるなか、Suchmosだけがその罠を飛び越えて、逆にスポーツナショナリズムへの鋭敏なカウンターを繰り出しているのだ。



 その姿勢をみていると、愛国ナショナリズムの陥穽にハマらないために必要なのは、やはり知性と文化的教養なのだとあらためて思わされる。



 YONCEはあるインタビューで音楽のもつ影響力についてこんなふうに語ったことがある。



「ボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズも、ビートルズも、ローリング・ストーンズも、多くの人たちをポジティブな方向に導いたと思うんですよね。希望とか個性の解放とか、弾圧との闘いについて彼らはすごく素直に歌ってて、影響を受けた人たちの暮らしを明るくしたと思うんです。音楽はポジティブに世の中を変えてきたし、だから俺たちもそれに加担したい」(「SPA!」2017年2月21日/扶桑社)



 コロンビア戦は「VOLT-AGE」がテーマ曲として使われるNHKで中継され、番組内でSuchmos「VOLT-AGE」のライブパフォーマンスも放送されることになっている。一人でも多くの人がその歌詞の意味を感じ取って、ナショナリズムから解放された自由な目線でサッカーを楽しんでほしい。

(酒井まど)


このニュースに関するつぶやき

  • どうでもいいけどこの無能クソバンドの何がいいの?
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  • 無茶苦茶な内容。パヨハラそのもの。リテラに誉められたという事はサチモス終わりだな。可哀想に。私の中では曲も今回の中では一番下。
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