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幻の満州国のマッチも! レトロなマッチコレクションを見てきた

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2018年06月20日 00:22  Excite Bit コネタ

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Excite Bit コネタ

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20年の歳月をかけて47都道府県の喫茶店をめぐり、そのお店のマッチを収集し続けている、「喫茶店のマッチ(@matchi_cafe)」こと村田龍一さんが大阪のインディーズ出版物のお店「シカク」で今月16日より「マッチの喫茶展in OSAKA」を開催中ということで行ってきた。

近年、いわゆる“昭和レトロ”をキーワードに、いまどきの「カフェ」ではなく、昔ながらの喫茶店めぐりをする人が増えている。しかし、村田さんはライフワークとして喫茶店巡りをするだけではなく、そこから一歩進んで、惜しまれつつ閉店した喫茶店の家具や調度品を、お店の思い出とともに大切に使用してくれる使い手に販売するネットショップ「村田商會」を2015年に立ち上げたというからすごい。さて、どんなマッチが並んでいるのだろうか……?


貴重な満州国のマッチラベル



まず、こちらが個人的に衝撃を受けた満州国のマッチラベルが収められたスクラップブック。『ラストエンペラー』などの映画にもなっているが、満州事変後、わずか13年足らずで滅亡した幻の帝国である。

「つくり手は満州鉄道の高官だった方で、縁あってその方の娘さんから譲り受けたものなんです。よく見ると、住所が“ハルピン”になっていたりします。一部、帰国後にスクラップしたらしき日本のマッチも混じっていますが……。終戦に伴う引き揚げ時は混乱を極めていたので、こういうものを持ち出せた方は少なかったと思うのですが、この方は庶民よりひと足早く帰国できたので、保管されていたようです」(村田さん、以下同)

めくってみると、喫茶店、ホテル、食堂、理容店、バーなど華やかな都市文化があったということを小さな紙片がリアルに伝えてくれる。「カフェー・ミスハルピン」と「八千久」という食堂は常連だったのか? デザイン違いのラベルが何枚かあった。
マッチラベルだけでなく、満州国の写真、切手、紙幣などもスクラップされていたので、当時を研究している歴史学者さんなどにとっては貴重な資料ではないだろうか……。

400個のマッチが並ぶ



壁面に並んでいるのが、すべて実際に訪れて手に入れたお店のマッチだそう。北海道からスタートし、右へ行くほど沖縄寄りになっていくという。

「全部で400個あって、ほぼこれで手持ちのマッチ全部だと思います。最近はお店を禁煙にしてマッチの配布をやめるオーナーさんも多いので、訪れた店をトータルで考えると20年で1000軒は行ってるんじゃないかな。マッチが好きというより、学生時代から古くて味わいのあるものが好きだったのと、喫茶文化そのものに興味がありました。初めての土地でも、いわゆる観光名所へ行くより、とりあえず行ったことのない喫茶店へ行ってみたい。名所旧跡は何年後かに訪れてもまだ絶対にあると思うので(笑)」

2007年に閉店した吉祥寺「ボア」のマッチ(右)は、思い入れの強い一品だそう。ブルーを基調に、画家の東郷青児による手指の長い女性の絵が描かれている。画家本人が店名からお持ち帰り用のケーキボックスにいたるまで、プロデュースを手掛けたことでも知られるお店だ。

「チェーン店にはない、そのお店独自のものがあるというのがやっぱり魅力ですよね。ボアは常連だったわけではないんですけど、学生時代に訪れたことがあり、懐しいです。このマッチを見ると、シンボルだった東郷青児の巨大な油彩とか、赤い椅子だったりを思い出します」

荻窪の「名曲喫茶ミニヨン」のマッチは、「冷暖房完備」と書かれていたことに衝撃を受けたそう。
「訪れたのは2000年に入ってからだと思うんですが、おそらく冷暖房が当たり前でなかった頃から、ずっとこのデザインなのかなと。マッチのデザインから、いろいろと想像したりするのが好きなんです」

東京・国分寺にある名曲喫茶「でんえん」、中野の「クラシック」(閉店)など他にも名曲喫茶のマッチがたくさんあった。左には、ジャズ喫茶「マサコ」(閉店)のマッチも!

「歴史あるお店が閉店する際、外観や内観は写真で残っていくと思うのですが、マッチなどの消耗品まではなかなか残っていかないと思うんです。そういう気持ちも原動力になっているかもしれません」

デザインがほぼ同じな“テンプレマッチ”も



長年、マッチ収集をしていると、違うお店なのにマッチのデザインはほぼ同じ、というものに時々出くわすそうだ。
「東京都内にある『リスボン』と『キャラバン』という2つの喫茶店のマッチですが、細部は微妙に違うものの、ほぼ同じデザインですよね。リスボンは三鷹に現在もあり、キャラバンは入谷にありましたが残念ながら閉店しました。推測ですが印刷会社などが権利を持っていて、オーナーがそのデザインを借りるというものだったのではないかと。こういう事例が他にもありまして、“テンプレマッチ”と呼んでいます」

こちらは私が個人的に好きな御茶ノ水の「穂高」のマッチ(山小屋をイメージした喫茶店のため、山好きの詩人で哲学者でもあった串田孫一によるピッケルを持った人の線画が描かれている)。さらに、右の「ゆりあぺむぺる」は宮沢賢治の詩から名付けられたというこちらも老舗喫茶店。
やはり、訪れたことがあるお店のマッチを見ると「あ!」と知り合いに再会したかのような親しみを感じるから不思議だ。

東郷青児、串田孫一に続き、右から2番目の「純喫茶エイト」は『子連れ狼』などで知られる小池一夫氏のデザインだそうだ。本人が近所に住んでいたり、オーナーと知り合いだったりときっかけは色々だそうだが、無料で持ち帰れる記念品としてはなんとも贅沢!

昔はこのような、マッチ立て付きの灰皿もあったそうだ。マッチだけではなく、店名入りのオリジナル灰皿を作っていた喫茶店やバーも多かったのだろう。家庭の必需品でありノベルティの定番だったが、マッチとともに失われゆくアイテムになりつつある。

昭和のお父さんたちを魅了した(!?)お色気コーナー。ブックマッチの表紙を開けると、キュートなエロスが表現された仕掛けにびっくりである。
「こういったマッチは、温泉地などにあるいわゆる秘宝館で配ることが多かったようです」と村田さん。社員旅行などでこのマッチを手に入れても、妻子の目が気になって自宅には持ち帰りにくかったかもしれない……。

なお、本展は途中で一部、展示替えを行い、村田商會による閉店した喫茶店の食器やカトラリー販売を行う予定。これまで2年半、村田商會ではおもに閉店した喫茶店の家具や備品の販売を行ってきたが、その店の常連だったという人が購入されることが少なくなく、配達時に感激して喜んでもらえると、最も醍醐味を感じるという。

さらに、村田さんはきたる8月に「村田商會」としての2年半の軌跡をまとめた著書『喫茶店の椅子とテーブル 村田商會がつなぐこと』(仮)なる著書を実業之日本社より出版するそうだ。単なる中古家具販売とは異なる、「思い出を売る店」としての村田商會にも注目したい。
と、そんなわけで北海道から沖縄のみならず、なんと満州国にまで飛んでしまったマッチの旅。まるで手のひらに乗るタイムトラベル装置のような、マッチ箱収集の魅力と熱量にぜひ触れてみてほしい。
(野崎 泉)

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