<ハイエンドスマホ並みの基本性能を誇りつつ価格は半分に抑えた中国スマホメーカー、ワンプラスの新たな旗艦モデルは、アップル主導の高値傾向に終止符を打つかも>
中国メーカーワンプラスの新たなフラッグシップモデル「ワンプラス6」が発売されてほぼ1カ月。聞こえてくるのは、おおむね賞賛の声だが、その大半はきわめて手頃な値段ゆえだ。529ドルから、という価格は、iPhoneXのほぼ半額に近い。
だが500ドル台のスマホはすでにたくさん出回っている。ワンプラス6はどこが違うのか。
実は「ネバー・セトル(決して現状に満足しない)」という同社のキャッチフレーズにふさわしく、このスマホは驚くべき低価格を実現しながら、犠牲にしたものがほとんどないのだ。
もちろん完璧なスマホとはいえないし、省かれた機能もある。だがコスパから言えば、ワンプラス6は現時点で購入できる最高のスマホかもしれない。
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ワンプラス6の登場は、アップルとサムスンの2強時代と、上位機種の価格上昇傾向に終止符を打つかもしれない。その5つの理由を紹介しよう。
圧倒的な低価格
ワンプラス6を、15年に発売されたiPhone 6S Plusと比べてみよう。iPhone 6S Plusはワンプラス6よりも3年古い機種で、スクリーンの性能も劣る(有機ELではなく液晶)。カメラの性能は優れているが、CPU性能ではかなり劣っている。ベンチマークアプリ「ギークベンチ」によるiPhone 6Sのマルチコア性能のスコアは、ワンプラス6の半分以下だ。
だがiPhone 6S Plusのベーシックモデルは549ドルで、ワンプラスより20ドルも高い。
イヤホンジャック搭載
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ワンプラス6には生活防水機能はあるが、iPhoneXやサムスンのギャラクシー S9のように公式なIP規格の防水認証は受けていない。でも気にすることはない。イヤホンジャックがあるのだから。
アップルはiPhone7からイヤホンジャックを廃止してしまった。でも、人々はまだイヤホンジャックを求めている。防水機能よりイヤホンジャックを優先するというワンプラスの選択は賢明だった。スマホを水に落とすことなんて、あるとしても1〜2回がいいところ。でも、イヤホンジャックは毎日使うものだ。
そして、イヤホンジャックのないスマートフォンの数が増えれば、搭載しているモデルは、ますます魅力的になる。
プレミアム感
ガラス製背面パネル、魅力的な端末カラー・オプション、フル6.3インチスクリーンなど、ワンプラス6にはハイエンドのプレミアム・フラッグシップモデルらしさが満載だ。見た目も高級感にあふれている。ミッドナイトブラックの背面ガラスにはS字の模様が施され、照明の加減によって浮かび上がる。
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スピード充電
ワンプラス6の内蔵バッテリーは3300 mAhで、まずまずの容量だが、それだけではたいしたことはない。
特筆すべきは、その充電時間だ。「30分で1日分のパワーを充電」できるという。実験してみたところ、そのとおりだった。電池の残量が15%になったワンプラス6を35分間ほど充電したところ、残量80%以上になった。
ワイヤレス充電は残念ながら採用されなかった。おそらくそれも価格を下げるために外した機能だろう。だが30分で60%充電が可能なら、ワイヤレス充電ができなくてもそれほど問題にならないはずだ。
基本性能が充実
ワンプラス6の性能は、iPhoneXやサムスンのギャラクシーS9には及ばない。だが、考えてみてほしい。他社の最上位モデルの約85%の性能を備えていながら、価格は50%なのだ。
ワンプラス6のカメラは高性能だが、グーグルのピクセル2XLにはかなわない。残念なのはスピーカーだ。シングルで本体下部にあるため、遮られやすい。そして、耐水性やワイヤレス充電機能はない。
低価格ゆえに限られた資源は、ハイエンドのスナップドラゴン845プロセッサー、6.3インチの有機ELディスプレイ、イヤホンジャックなど基本性能につぎ込まれている。
価格を考えるなら、ワンプラス6はスペックより実用性重視のユーザーにぴったりのモデルといえそうだ。
(翻訳:栗原紀子)
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