清野菜名、ヒロイン支える役を好演! 『半分、青い。』ユーコ役の表情豊かな愛嬌

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2018年06月21日 06:02  リアルサウンド

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 好評を博している連続テレビ小説『半分、青い。』(NHK)で、朝の爽やかな時間に笑顔で華を添えている清野菜名。永野芽郁が演じるヒロイン・楡野鈴愛の波乱万丈な東京生活で、大きな支えともなっている存在だ。


 本作で清野が演じるのは、鈴愛と同じく、大人気の少女漫画家・秋風羽織(豊川悦司)が率いる「秋風塾」のメンバーの1人である小宮裕子、通称“ユーコ”である。鈴愛が仲間入りしてからしばらくのうちは、心を開かず冷たい視線ばかり向けていた彼女ではあるが、苦楽をともにするうちに、今はもはや親友状態の間柄。おっちょこちょいで、すぐに「やってまった」(やってしまったの意)と口にする鈴愛を、ときに不安そうに見つめ、ときに満面の笑みで包み込む彼女だが、やはり演じる清野は笑顔がとても良く似合う。


【写真】『半分、青い。』第70話では、鈴愛(永野芽郁)とユーコ(清野菜名)が激しい口論になる


 ドラマ、映画、舞台、CMとバランスよく活動を展開し、順調にキャリアを築き上げている清野は、2007年の頃より雑誌『ピチレモン』の専属モデルとしてローティーンの注目を多く集めてきた。2011年には同誌のモデルを卒業して女優へと転身を図り、現在に至る。『ヌイグルマーZ』(2014)や『WOOD JOB!〜神去なあなあ日常〜』(2014)といった話題作への出演を重ね、大きな転機となったのが園子温監督作『TOKYO TRIBE』(2014)への出演だということをご存知の方は多いだろう。アクション経験のある彼女は、メインキャストの1人であるスンミ役を見事に射止め、まだ彼女の存在を認知していなかった映画ファンの前に、華々しく姿を見せた。素人である筆者などからすれば、体得するのにどれほどの時間を要するのか想像もつかないアクションの数々に唸らされ、ビッグネーム級の俳優たちを相手にタメ張るようなラップもこなし、強烈な存在感をスクリーンに炸裂させた。思えば『半分、青い。』で、鈴愛と伊藤清(古畑星夏)が萩尾律(佐藤健)を取り合って揉める場面にて、清野演じるユーコも運悪く居合わせてしまっていた。いつも鈴愛のそばにいるユーコは、時々どこか『TOKYO TRIBE』を彷彿とさせ、用心棒としても見えてくる。


 清野は、『虎影』(2015)や『東京無国籍少女』(2015)などでもアクションを披露。昨年は『暗黒女子』『ユリゴコロ』『パーフェクト・レボリューション』といった非・アクション作品に主要なポジションで参加し、女優としての幅を拡張し続けている。とりわけ『パーフェクト・レボリューション』では、人格障害を抱えた風俗嬢という複雑なキャラクターの際どい言動、際どい行動を軽快にやってのけ、ヒロイン・ミツ役を清々しく体現してみせた。彼女が見せる満面の笑みには、スクリーンにしろTV画面にしろ、それ自体を活気づかせるような力を感じる。


 そんな清野が、『半分、青い。』と時同じくしてヒロインを笑顔で支えている作品が、公開中の『恋は雨上がりのように』だ。彼女が演じるのは、怪我により大好きな陸上競技から距離を置いているヒロイン・橘あきら(小松菜奈)の親友・喜屋武はるか。感情表現が得意ではないあきらのことをいつも見守り、彼女のことを一番に考えている存在だ。静かな微笑を浮かべる小松とは対照的な、観る者に安心感を与える清野の笑顔の魅力もさることながら、あきらが陸上競技の世界にまた足を踏み入れようという時の、ふたりの早朝のロードワークの場面は必見である。青春映画らしい印象的な光の演出だけでなく、清野と小松の身のこなしがなんとも言えぬ美しさを放ち、無言でストレッチをする姿などは、準備運動というよりも、舞のようであった。その笑顔と持ち前の身体能力の高さで、ヒロインたちをより輝かせているのだ。


 実力のある俳優たちが、さらに大きく名を広げる朝ドラで、彼女もまた同じように『半分、青い。』で存在が広く知れ渡っているところだ。今後は、『今日から俺は!!』(日本テレビ)のヒロインや、帯ドラマ劇場『やすらぎの刻〜道』(テレビ朝日)での八千草薫とのW主演も決定しており、彼女が作品の中心に立つ姿が待ち遠しい。しかし今はただ、ヒロイン・鈴愛の成長に彼女がどんな存在であり続けるのか、見守っていきたいところである。きっとあの満面の笑みで、期待に応えてくれるのだろう。


(折田侑駿)


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