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社員に幸せにしてくれる「ホワイト企業」の絶対条件

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2018年06月22日 16:42  ニューズウィーク日本版

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ニューズウィーク日本版

<高額の旅行補助から無期限の休みまで、欧米企業は社員を幸福にしようと必死だが、本当の幸せは物質的な特典ではなく人間として扱ってもらうことにある>


グーグルがソフトウエアエンジニアのチャディー・メン・タンを「愉快な仲間」というポジションに就けた時から、メンのキャリア、そしてシリコンバレー全体のカルチャーは大きく変化し始めた。


明るい人柄とやる気のある働きぶりで評価されていたメンは、モバイル端末用の検索ソフト開発から、社内に幸福を広げる仕事の担当者になった。幸福が彼の仕事になったのだ。


社員の満足度を向上させる専任を任命したのは、グーグルが初めてではない。グーグルがまだベンチャーだった1999年には、フランスのファッションブランド「キアビ」がクリスティン・ジュターをCHO(最高幸福責任者)に任命した。彼女はこうした職務に就いた最初の人物の1人だ。


しかしグーグルがメンをこの職務に登用して以降、従業員の満足度はよい企業の重要な指標となり、他社もすぐにこの方針に続いた。


CHOは今も引っ張りだこだ。SNSの「LinkedIn(リンクトイン)」ではCHOの求人が1000人以上もある。しかし何が従業員を幸福にするかを調べてみると、多くの企業が間違ったやり方を行っていることがわかる。


仕事の幸福への正しい投資とは


理論的には、幸福な従業員は生産性が高く、生産性の高い従業員はより大きな利益を生む。


さらに二次的な利点として、幸福な従業員は会社を辞めない。辞める社員が少なければ採用コストを削減でき、さらに利益が増える。幸福感を高めるために多くの投資を行っている企業のほとんどは、投資に見合うリターンがあると考えている。


例えば、ホテルや航空券の予約サイトを運営するエクスペディアは、従業員の幸福のために多くの社員特典を用意している。1人あたり最大1万4000ドルの旅行手当もその1つだ。他には、幸福レベルを高く維持するために無期限の休暇や無料の食事、オフィス用のおもちゃまで用意している。


しかし従業員の幸福は、お手玉や卓球台からは生まれない。エクスペディアの例が示しているように、同社がイギリスで最も人気のある職場になったのは、企業の「カルチャー」や「キャリアアップのチャンス」のためであって、さまざまな特典のためではない。


幸福な企業カルチャーは、長い休みのような見せかけの幸福とはまったく違う。幸福な企業カルチャーとは、職場の人々を尊重し、あら探しではなく称賛と報酬によって管理し、各人が理想のワークライフバランスを実現できる柔軟な勤務体系を提供することだ。


例えば、ベンチャー企業を対象に2017年に実施された調査では、57%の企業で少なくとも1人が社外(自宅かまたは別の働きたい場所から)で勤務している。職務に最適の人材が最初から地元に住んでいなかったり、オフィスに十分なスペースがなかったりといった実務的な選択だ。


しかしこれには別の利点もある。社外勤務を認めることで、従業員への信頼を示し、裁量も与えることで、オフィスに無料のコーヒーやフルーツを常備するよりも幸福感は高くなる。


19世紀イギリスの美術評論家で社会思想家でもあるジョン・ラスキンは、いみじくもこう言った。「人々が仕事で幸福を感じるためには3つのことが必要だ。本人に合った仕事であること、働き過ぎないこと、そして成功を実感できること」


従業員のパーソナリティーもあるけれど


仕事の幸福度は従業員一人一人の個性にも左右される。筆者が設立した職場の幸福に関するコンサルティング企業ロバートソン・クーパーが実施した3200人の従業員を対象にした調査によれば、あるタイプの性格の人が他のタイプの人よりも、「仕事がうまく行った」経験をより多くもっていることがわかった。


まずは1)ポジティブな感情や熱意が高い人、2)悲しみや失望感、孤独感などで気持ちが沈む傾向が低い人、3)「課題に取り組みやり遂げた」人は、仕事で「うまく行った」と感じることが多かった。


上記の3つにあてはまる人は79%が「仕事がうまく行った」と感じているが、そうでない人は57%しか感じていなかった。この感情はさらに仕事への高い満足感、良好な健康状態、高い生産性へと繋がる。


この調査結果が示唆するのは、まず雇用者はこうした個性の人々を雇用するべきだ、ということだ。しかしもちろん、こうした個性の一部を欠いていても、重要なスキルを持っている人はいる。そして、例え幸福の気質を備えた人を雇っても、仕事への満足感の多くの部分は、しっかりと従業員を尊重し、信頼し、人間的な思いやりを持って管理し、より良いワークライフバランスを提供できる職場のカルチャーがあるかどうかにかかっている。


著者らの近著『ウェルビーイング:仕事の生産性と幸福』では、ロールス・ロイス、ブリティッシュ・テレコム、英行政サービスなどの有名組織の実例をもとに、こうした幸福カルチャーがどれだけの効果をもたらしているか検証している。


仕事の幸福、満足度は、ランチに寿司があるか、デスクでマッサージが受けられるかでは決まらない。上司が部下にどう接するかという問題だ。米作家マーク・トウェインはこう記している。「君の大望を見くびる人に近づいてはいけない。それはつまらない人間だから。真に偉大な人間は、君もいつか偉大になれると思わせてくれる」


Cary Cooper, 50th Anniversary Professor of Organisational Psychology and Health, University of Manchester and Ivan Robertson, Emeritus Professor of Work & Organizational Psychology, University of Manchester


This article was originally published on The Conversation. Read the original article.




ケーリー・クーパー、イバン・ロバートソン(共に英マンチェスター大学教授)


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