サッカーW杯も、プロ野球中継も! テレビの副音声が今、面白い!

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2018年06月28日 01:00  citrus

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またまたワールドカップネタで恐縮なんだが、6月24日のサッカーW杯ロシア大会1次リーグH組・日本×セネガル戦を放送していたNHK BS1の副音声で、元日本代表監督の岡田武史氏(61)とNHK報道局記者の大越健介氏(56)とのフリートークが試合中に流されていた。

 

トークが始まる前、すなわち試合直前に大越氏が開口一番、

 

「サッカーを知らないおっさんが、知りすぎるぐらい知っているおっさんに(あれこれとサッカーに関することを)聞く番組」とPRすれば、岡田氏は「あまり聞かないほうがいいかもしれない」とボケて返し、大越氏も「自分の番組を否定してどうするんですか」と苦笑い。緊迫したゲーム展開のなか、好々爺然としたおっさん二人の与太話が“混声”するもいかがなものか……などと散々悩みに悩んだすえ、結局は思い切って聞いてみることにした。すると……コレがめっぽう面白いのだ。とくに、岡田氏による

 

「僕ね、ゴールはプロセスが大事だと言ったら、ある人に『岡田さん、それは医者の腕はいいが患者は死んじゃったって話じゃないですか』と言われたんです」

 

「長友の体幹がすごいのは、和太鼓で培ったもの→日本舞踊は体幹が重要」

 

……といったくだりは最高だった。私も含む、おそらく日本国民の最大公約数であろう「普段サッカーは観なくて、オフサイドもイマイチよくわからないけど、W杯の(予選を含む)日本代表の試合は必ず観戦する層」、いわゆる“ほぼ素人”にとって、「サッカーを知らないおっさん」を自認する大越氏の目線はまさに等身大で、それに軽妙なジョークを交えながら「医者」や「和太鼓」……ほか、子どもに教えるかのごとくわかりやすい例えを持ってきてくださる、正真正銘の「サッカーを知りすぎるぐらい知っているおっさん」である岡田氏の解説は、じつにありがたい。

 

あと、副音声では、日本テレビのプロ野球中継で時おり流れるKAT-TUNの亀梨和也(32)による解説も、なかなかに聞きごたえがある。日テレゆえ「ジャイアンツ寄り」なのはトラ党の私にとっては多少カンに触る部分もあるのだけれど、そこはまあご愛敬。さすがリトルリーグで世界大会に出場した実績もある亀梨だけに、ひと言ひと言が野球愛に溢れており、よく勉強もしていて、ゴメス的に好感度はかなり高い。

 

ただ、世界大会に出場してようが、どんなに勉強してようが、しょせんは素人──そして、この「しょせんは素人」であり、同時に「素人中ではトップレベル」でもある人物による「あくまで“こっち側”の立場から離れていかない(離れられない)」謙虚を持った丁寧な解説こそが、やはり“しょせんは素人”な我々視聴者の耳にはやさしいのである。

 

ダウンタウンの松本人志(54)が、先日『ワイドナショー』(フジテレビ系)で、共演していた社会学者・古市憲寿氏(33)が『第10回AKB48グループ世界選抜総選挙』の副音声を担当したことを受け(これもまた“素人目線”を最大限に活かしたキャスティング以外の何物でもない)、

 

「(この番組でも副音声を流せたら)ニュースもいろいろしゃべれるでしょ? NEWSのニュースとかしゃべれるでしょ?」

 

……みたいなことを語っていたが、さすがにそれは無理だろう(笑)。ネタとはいえ、副音声の利用法をはき違えたとんちんかんな意見だとしか評しようがない。

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