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2020年代の景気はどうなる?「インフレ時代」と「バブル再来と崩壊」のシナリオ

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2018年06月28日 19:02  新刊JP

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新刊JP

写真乱高下あり! バブルあり! 2026年までの経済予測(渡辺林治著、集英社刊)
乱高下あり! バブルあり! 2026年までの経済予測(渡辺林治著、集英社刊)
失われた20年、リーマンショックを経て、日本の景気は一時期に比べれば確実に良くなっていると言える。しかし、2019年に控える消費増税や東京オリンピック後の経済動向などを考えると先行きが明るいと感じられない人も多いだろう。

この先、景気はどうなるのか。どのように自分の生活を守ればいいのか。そんな悩みや不安にひとつの指針を示してくれる一冊が 『乱高下あり! バブルあり! 2026年までの経済予測』(渡辺林治著、集英社刊)だ。

本書は長期的な日本経済の予測を行い、それをどのように資産形成と企業経営に結びつけていくかをテーマにしている。
著者は野村総合研究所とシュローダー投信投資顧問を経て、上場企業20社以上へ国際金融の予測提供、投資顧問、経営財務戦略とIR投資家対策の助言を企業に行っている人物で、国内外の経済状況や機関投資家の動きを熟知しており、経済動向を的確に見抜いてきた実績を持つ。
本書から、マクロ的な視点の経済予測と、2020年代に向けた資産形成のポイントを紹介していこう。

■2019年以降、デフレ脱却が現実になる?

著者は2019年以降、20年以上続いたデフレ時代が終わり、インフレ時代が始まると述べている。
その理由は、IMFが発表した世界経済全体の実質GDPの成長率からも見て取れる「世界景気の拡大に伴う需要増大」。過剰な生産設備と在庫の解消を進める「中国の政策による影響」。輸送、製造の要となる「原油価格の上昇」などにあるという。

ただし、これは中長期的に見た場合であり、短期的には景気に影響を与えるイベントも多く、日本の経済や金融市場が乱高下する可能性は高いという。
例えば2019年には消費増税が控えているが、2014年の5%から8%への引き上げ時には一年半ほど消費の低迷が続いたという。また2018年には各国の中央銀行のトップ交代などが続く。また、米中経済摩擦もヒートアップしている。こうしたことは機関投資家を大きく動かす可能性がある。

2020年までは世界情勢や政策によって経済動向は揺れ動くものの、中長期の視点で考えれば景気は落ち着きを取り戻すということを念頭に置いておくと、無用な不安に駆られることもないだろう。

■2020年代にバブルが再来する?

2020年の東京五輪後に深刻な不景気が訪れることを懸念する声は多い。しかし、著者はむしろ景気拡大とバブルが2020年代に本格化すると予想している。その理由は次の7つにあるという。

(1)大型減税法案を受け、世界最大の経済大国であるアメリカで景気拡大が進む
(2)アメリカで金融機関規制の緩和が進み、金融市場と実体経済への資金流入が加速する
(3)アメリカ政府のインフラ投資で、景気拡大の勢いが長期化する
(4)各国政府が金融緩和に再び踏み出す環境が、2020年以降に整う
(5)続投が決まった黒田日銀総裁が、長期的に金融緩和を続ける
(6)消費増税と2020年東京オリンピック後の不況に対する景気対策が過剰になる
(7)コーポレートガバナンス改革を受け、日本企業がM&Aや投資を加速する

大型減税・インフラ投資・金融機関の規制緩和などにより、アメリカ経済は拡大する。さらに回復局面に入ってきた原油価格、中国の過剰生産設備の解消に向けた動きは世界的なインフレの兆しと言えるという。

景気拡大とインフレを前提とすれば欧米で金融引き締めが進んでいくが、見方を変えるとリスク対応準備による金融再緩和の余地が生まれることも意味する。こうした世界の動きと、日本の金融政策や企業動向を合わせると、バブルが本格化する可能性は十分に考えられるだろう。

その上で、著者はバブル崩壊が2028年に予定されているロサンゼルス五輪前、2024〜2026年頃になるのではないかと予想している。

過去、オリンピック開催国ではオリンピック前に株価が下落局面に入ることが多いという事実がある。オリンピック前の公共投資と民間投資が加速するものの、機関投資家が利益確定の動きに転じるので、実体経済に先んじて金融市場が変調し、株価下落に転じるのだ。また、アメリカのベビーブーマー世代の高齢化も影響を与えよう。
もし、2020年代に好景気が訪れても「バブルはいずれ崩壊する」という原則だけは忘れないようにしておきたいところだ。

■長期的な資産形成の適している投資法とは?

大きく揺れ動く経済、金融市場の中で、個人が資産形成をするにはどの点に注意すべきなのか?
著者は約30年にわたる経験から、長期の視点で投資や経営をしてきた会社は成功し、短期視点で行動した企業は不本意な結果に終わることが多いと述べている。それは個人の資産形成でも同じだ。

長期的に資産形成を進めていくには、どのような金融商品を選べばよいのか。
多くの人は投資というと個別株を思い浮かべるが、著者がここで注目しているのが、長期的な資産形成に比較的向いているETF(Exchange Traded Fund=上場投資信託)だ。

ETFには、「上場されているので価格が透明で分かりやすい」「信託報酬など運用コストが安くなっている」「個別株と違ってインサイダー取引とみなされる心配がなく、コンプライアンスの観点からも安心」といった特徴があるという。ETFを選ぶ際のポイントは、次の3つだ。

・日経平均株価、TOPIX、米国S&P500など、市場全体に連動している商品を選ぶ
・特定の商品に偏らず、自分が管理しやすい銘柄数にする
・売りたいときに売りやすいという、流動性の高いものを選ぶ

投資が自己責任であることは言うまでもないが、投資のひとつの選択肢として検討してみる価値はあるかもしれないだろう。

(ライター:大村 佑介)

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