■衝撃だったから、まず夫と話してみた
「下の子が生まれて5年くらいたったときですかね、あれ、ずいぶん長いことセックスしてないって、ある日突然気づいたんですよ。それが自分としてはすごくショックで。だからその日の夜、すぐ夫に言ってみました。『私たち、5年以上してないよ』って」
笑いながらそう言うのは、ハルナさん(39歳)だ。今から3年前のことである。大学時代の同級生、共働きで子育てをしている「友達感覚の強い夫婦」だったからこそ、ごく自然に言えたのかもしれない。こういうとき、専業主婦はつい我慢しがちなものだ。
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「そうしたら夫もびっくりして。仕事も家庭も忙しくて、夜は泥のように眠るだけの日々でしたから。このままじゃいけないねと話し合えました。私の場合は、深刻に話したわけじゃなくて、『今日気づいてビックリしたんだけどさ』と言ったので、夫も素直に受け止めたんでしょうね」
今は下の子も小学校に入り、以前より少しだけ夫婦の時間がもてるようになった。
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「夫婦なんだから、何でも言っちゃったほうがいいと思います」
そのほうが夫も気楽かもしれない。
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■夫がしたがらない
やはり、ある日突然長いことセックスレスだなと気づいたものの、なかなか夫には言えず、ひとりで悶々としているのはアヤコさん(42歳)だ。
「性に関することを女から言うのはどうしてもはばかられて。でも、人肌が恋しいということもあります。だからなんとなくサインは送ってるんですけど……」
下着をセクシーなものにしてみたり、寝る前に夫に手をつないでと甘えてみたり。だが、夫は気づいているのかいないのか、手をつないだり抱きしめたりはするもののセックスには至らない。
「うちはベッドを並べて寝ているんですが、夫のベッドに潜り込んでみたんですよ。そうしたら夫は私を抱きしめながら、『疲れてるんだよ、ごめんね』って。謝られるとかえってみじめになる。もう金輪際、自分からはアプローチするまいと決めました」
そうなると、どこか夫に対してとげとげしくもなってしまう。責めるのではなく、自分は夫婦としてセックスも楽しみたいとストレートに言ったほうがいいのかもしれない。
「それはわかってるんですけどねえ。なかなか言えないんです」
妻が強くなったと言われる時代だが、やはり言えずに悩んでいる女性たちも多いのだ。