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一発屋芸人は「生きた化石」? 山田ルイ53世が語る芸人たちの生き様

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2018年08月04日 19:02  新刊JP

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新刊JP

写真『一発屋芸人列伝』(新潮社刊)
『一発屋芸人列伝』(新潮社刊)
毎日のようにテレビに出ていたはずの芸人が、いつの間にか見なくなっていた。
あるいはいなくなったことにすら気づかれず、そのまま忘れ去られてしまう。

よくある話だが、視聴者はそんな彼らを容赦なく「消えた」「死んだ」と揶揄する。
もちろんその存在が実際に消えたわけではなく、一度掴んだ栄光を手放した後の世界で、彼らの人生は確かに続いている。

そんな一発屋芸人と呼ばれる彼らの「その後」をつづった書籍が『一発屋芸人列伝』(新潮社刊)だ。
著者は「ルネッサーンス!」のギャグでおなじみ、髭男爵の山田ルイ53世さん。彼もまた自他共に認める「一発屋」である。
本書ではレイザーラモンHGさんをはじめ、コウメ太夫さんやジョイマン、とにかく明るい安村さんなど、そうそうたる顔ぶれがインタビューに答えている。言うまでもなく皆、一時は時代の寵児として持て囃され、大ブレイクを成し遂げた芸人たちだ。

本書を通して芸人の知られざる一面を知ることができる。

例えばレイザーラモンHGさん(以下HG)。サングラスにぴちぴちのレザーという奇抜なファッションを身にまとい、「フォーー!!」と言いながら腰を振る。

考えてみれば、このかなり攻めたスタイルがお茶の間に受け入れられたというのはすごいことであった。
昨今、LGBTの話題は非常にデリケートであり、下手をすれば性的少数者に対する侮辱ととられかねない可能性がある。無知のまま土足で踏み込めば、ふとした瞬間の発言や行動で当事者の方を傷つけてしまう事があるかもしれない。ましてやHGさんはキャラとして「ハードゲイ」を演じているのであって、実際はゲイではない。

しかし、彼はきっちりと筋を通す男だった。

「大阪における新宿2丁目的な場所に通って、色々とお話を聞いたりとか。時間もあったので、ニューハーフパブでボーイとして働くことにした。そしたら『ショーに出てくれ!』となって、マッチョな男性と女性のショータイムに出してもらった」と、彼は本書で語っている。
また、東京では新宿2丁目の老舗のお店に挨拶に行ったり、おすぎさんとピーコさん、ピーターさんの元へ挨拶に赴き、許しも得たという。

HGさんのキャラクターは緻密な研究と努力によって練り上げられたものだったのだ。

山田ルイ53世さんは一発屋芸人たちのことを、深海を人知れず泳ぐシーラカンスに例えている。共食いや縄張り争いといった過酷な生存競争を繰り広げながら、暗闇を泳ぎ続ける彼らは再び日の光を浴びるべく日々模索を続けている。
そんな彼らについて語る山田ルイ53世さんの言葉は暖かく、とてもユーモラスだ。

視聴者である我々は、一発屋と呼ばれる彼らについて、テレビに映った表の顔しか知ることができない。芸の裏にある本当の顔を垣間見ることで、彼らを見る目は変わるかもしれない。
そして彼らのギャグを「終わったもの」ではなく新たな気持ちで「もう一度見たい」と思うのだ。

(新刊JP編集部)

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