離乳食がスタートすると、「食べさせ方ってこれで合っているのかしら…」と手探り状態だったりしますよね。食べる量とともに、食べ方も心配なママも多いのではないでしょうか。
そして歯の本数が増えるにつれて、噛み合わせの良し悪しも気になるものです。
「噛み合わせが気になるのですが…」という赤ちゃんをもつママからのご相談も増えてきました。
今回はママ歯科医である筆者が「離乳食から5歳のお子さんを持つママに知ってほしい“噛むこと”」をお伝えします。
食べる力を育てることはとても大切なこと。「よく噛むと顎がひろがるからよく噛みなさい」と言われて育った記憶はありませんか?
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一見すると、隙間がなくキレイに並んでいる乳歯。
でも、6歳頃に永久歯に生えかわる時期になっても隙間ができない場合は、生えかわりにトラブルが起きることもあります。
3歳児歯科健診では、「よい」、「経過観察」(顕著な歯列不正や不正咬合で、将来咬合異常が懸念される場合)の2種類の分類となっています。
経過観察の中には、反対咬合(はんたいこうごう)、上顎前突(じょうがくぜんとつしょう)
、過蓋咬合(かがいこうごう)、開咬(かいこう)、叢生(そうせい)、交叉咬合(こうさこうごう)など噛み合わせの問題が含まれています(※1)。
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歯と歯の間に隙間があると生えかわりの助けとなります。
指しゃぶりや舌を出す癖や口呼吸、頬杖、うつぶせ寝、よく噛まなかったり硬いものを食べないといった生活習慣が噛み合わせに影響を与えることがわかってきています(※2)。
大きくなってから噛み合わせを治す、という従来の治療と違い、小学校に入る前の小さな頃からお口の機能を育むことも大切だと考えられるようになってきました。
よく歩いたり体を動かす、食べるときは口を閉じて1口30回くらいよく噛む、姿勢を正しくする、仰向けで寝るなど、正しい生活習慣を身につけていきましょう。
噛み合わせが心配なときは、小児歯科や矯正歯科で一度相談してみましょう。スタートする年齢は様々な考え方がありますので、歯科医師によく聞いてみましょう。
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まずは、食べ方や飲み込み方、口呼吸といった生活習慣から見直していくこともあります。
実は歯医者さんで子どもの口の機能発達をサポートできる場合があります。食べ方など気になる場合は、一度歯科医師に相談してみるとよいでしょう。
(1)食事のときに食べ物を水分で流し込まない
食卓に水や麦茶、牛乳といった水分を置いていませんか?
水分で流し込んでしまう癖がつくと、噛まずに丸のみしたり早食いしてしまいます。
食事の最後にお茶を出すなど、食事の最中は子ども自身で手の届くところに水分を置かないように工夫してみましょう。
(2)離乳食はスプーンを口の奥に入れない。唇を閉じて食べる
離乳食の初期は、唇で食べ物を取り込むことを学習する時期です(※3)。
スプーンを赤ちゃんの口の奥に入れていませんか? これでは丸のみしてしまうので、平らなスプーンを下唇にのせ、上唇が閉じるのを待ちましょう。
幼児食になっても、食べ物が口からこぼれないよう、唇を閉じて食べるようにしましょう。唇が開いていると唾液と食べ物がうまくまとまらず、飲み込みにくくなります。
普段から食べたり話すとき以外は唇を閉じ、鼻で呼吸する習慣をつけましょう。
(3)「噛む」ことへの声掛けを
離乳食〜幼児食の時期は食事中もとても慌ただしいものですが、パパやママが楽しい雰囲気でよく噛む姿を見せてあげられるとよいでしょう。
「よく噛むと甘くなるよ」「噛むとどんな音がする?」などちょっとした大人の一声で、「ごはんが甘くなってきた」「カリカリって聞こえる」といった興味がわいてきます。
(4)食材によく噛む工夫をする
まだ奥歯でしっかり噛めないうちから、硬いものを食べさせるとすりつぶすことができないため、丸のみや食べ物を口に溜めたままの状態になることがあります。
食材を乱切りなど少し大きめに切って、離乳食のころは柔らかく煮たりすることで、一口量をかじり取って噛むことを覚えていきます。
幼児食では、煮過ぎたり茹ですぎず、少し歯ごたえのある状態で一口30回くらい噛む習慣をつけましょう。
また、にんじんやいんげんなどの大きさをカットする際に、あるものは1cm、あるものは2cmといったように、食材の大きさをランダムにしてもよいでしょう。
(5)手づかみ食べをさせよう
離乳食が進んでいくと、赤ちゃんは「自分で食べたい!」と意欲がわいてきます。手づかみ食べは噛む機能を育むために大切です。上下の前歯がそろったら、手づかみ食べで前歯で一口量をかじり取ることを覚えていきましょう。
いかがでしたか。
噛むこと、食べることは子どもが健康な生活を親の手を離れても続けられるために育んであげたい大切な習慣です。
ぜひ、赤ちゃんの離乳食のころから工夫してみてくださいね。
【参考・画像】
※1 3歳児歯科健康診断における不正咬合の判定基準ー日本小児歯科学会
※2 子どもたちの口と歯の質問箱ー日本小児歯科学会
※3 歯からみた幼児食の進め方ー小児科と小児歯科の保健検討委員会
※ Ilya Andriyanov、Olena Kryzhanovska、 Monkey Business Images / Shutterstock
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