トランプ、「QAnon」の陰謀論者とホワイトハウスで面会

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2018年08月27日 18:22  ニューズウィーク日本版

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ニューズウィーク日本版

<熱烈なトランプ支持者の集まり「QAnon」とトランプが手を結べば、陰謀論の信者がさらに増えかねない>


アメリカでは最近、陰謀論でトランプ政権を擁護する「Q」とその支持者「QAnon(Qアノン)」に注目が集まっている。かねてから、ドナルド・トランプ大統領がQAnonを取り込めば中間選挙にもQAnonが影響を与えかねないと懸念されてきたが、トランプはついにQAnon関係者と初めて面会した。それもホワイトハウスの大統領執務室で並んで撮った写真が拡散している。


<関連記事:トランプ政権を支える陰謀論「QAnon」とは何か>


この人物は、ラジオ司会者で弁護士の「ライオネル」ことマイケル・レブロン。インスタグラムで公開したトランプとの記念写真には「この深き名誉について説明するのに言葉は役に立たない」とコメントが付いていた。


There simply are no words to explicate this profound honor. Lionelさん(@lionelmedia)がシェアした投稿 - 2018年 8月月24日午前11時29分PDT


右がマイケル・レブロン


レブロンはユーチューブで「ライオネル・ネーション」というチャンネルを運営、QAnonの陰謀論を拡散している。ライオネル・ネーションのチャンネル登録者数は20万人超。QAnonの陰謀論には民主党の幹部が児童性的虐待の闇組織を運営していてトランプはそれを解体しようとしているとか、「ディープ・ステート」なる秘密組織の工作員がトランプを失脚させようとしているといった話が含まれる。


QAnonという呼称は、インターネット掲示板「8Chan」で、ある投稿者が「Q Anon(匿名のQ)」と名乗ったことに由来する。匿名のQは政府高官を自称し、陰謀を暴露する暗号文を残していったとされる。


政治家トランプと陰謀論の「深い関係」


俳優のロザンヌ・バーなど有名人の中にもQAnonの信奉者が現れ、陰謀論をよく流すことで知られるネットメディア「インフォウォーズ」の創設者で極右の陰謀論者のアレックス・ジョーンズもQAnonの拡散に一役買った。


ここ数カ月というもの、トランプの遊説では陰謀論を支持する人々がQAnonと書いたプラカードを掲げたりQAnonのロゴ入りTシャツを着ている姿がよく見られる。


レブロンのホワイトハウス訪問について、ニュースサイトのデイリー・ビーストが24日、最初に報じた。


ユーチューブに投稿した動画でレブロンは、自分はホワイトハウスの特別ガイドツアーに参加したと語り、もらった記念品についても説明した。


レブロンはロシアの政府系ニュースメディアRT(旧ロシア・トゥデー)の常連解説者で、トランプを擁護したり、法律的な解説を行っている。


トランプはかつて、バラク・オバマ大統領(当時)はアメリカ生まれではなく、大統領になる資格がないとする陰謀論を掲げて政界入りした。また、極右の陰謀論者たちの投稿をリツイートしたこともあった。


レブロンはユーチューブの動画で、トランプとの面会の場でQAnonは話題に上らなかったと述べている。だがその一方で、「彼がそれ(QAnon)について知っていることは周知の事実だと思う」とも語った。


ホワイトハウスからコメントは得られなかった。レブロンは自身のホワイトハウス訪問を巡る報道についてコメントしていない。


(翻訳:村井裕美)


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