<非核化の進展を条件に一歩も動かないアメリカに対して逆ギレか>
マイク・ポンペオ米国務長官の訪朝が中止されたことを受けて、北朝鮮の新聞は8月26日、アメリカが北朝鮮への侵攻を計画していると非難した。
朝鮮労働党の機関紙である労働新聞は論評で「アメリカは笑顔で対話を行いながら、殺人部隊が関与する秘密演習にいそしんでいる。アメリカのこの二枚舌を看過することはできない。古くさい『砲艦外交』によって相手を威嚇することができると考えているなら、それは哀れな間違いだ」と主張した。
ソウルの米大使館はこの「演習」について何も知らないとしているが、ロイター通信によれば、労働新聞は韓国メディアの報道を引用する形で、演習は日本に駐留する米特殊部隊が「平壌に侵攻」する目的で計画したものだと指摘。「こうした行為は、北朝鮮に一方的に非核化させるという不当な要求に失敗した場合に、アメリカが北朝鮮に戦争を仕掛けるという犯罪を企んでいることを示している」とした。
ドナルド・トランプ米大統領と金正恩朝鮮労働党委員長は6月の米朝首脳会談で、アメリカが金正恩政権の「体制保証」を提供するという条件で、北朝鮮が完全な非核化を実施するとした共同声明に署名した。
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「中国が非協力的」と不満あらわに
首脳会談の後、トランプは韓国との合同軍事演習を中止・延期したが、トランプ政権は北朝鮮による非核化に進展がみられるまで、朝鮮戦争を正式に終結させる和平協定の締結を留保している。また8月23日には、ポンペオ国務長官が非核化についての交渉を継続するために北朝鮮を訪問することが発表されていたが、トランプが翌日その中止を発表した。
トランプは訪朝中止の決定についてツイート。「マイク・ポンペオ国務長官に、今の時点で北朝鮮を訪問しないよう求めた。朝鮮半島の非核化について、十分な進展がないと感じているためだ」と述べた。
またトランプは「(国連の対北朝鮮制裁があるにもかかわらず)我々が通商面での姿勢を大幅に厳格化させたことを理由に中国がかつてほど非核化のプロセスに協力的ではないと考えている」と、中国に対する不満を表明。ポンぺオの訪朝は「中国との通商問題が解決された後に」なるだろうと述べた。
アメリカは8月23日に、中国に対する追加関税の第2弾を発動。米中間の貿易戦争はますます激しさを増している。
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(翻訳:森美歩)
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ヤクブ・ルワンドウスキ
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