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共通の敵を前にアメリカとギリシャが急接近

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2018年09月05日 18:22  ニューズウィーク日本版

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ニューズウィーク日本版

<トルコやロシアとの関係悪化から、アメリカとギリシャの軍事協力が急速に進行中。ギリシャがトルコに代わる米軍の軍事拠点になるかもしれない>


アメリカとトルコとの関係が悪化するなか、米軍はギリシャにおける軍事プレゼンスの拡大をもくろんでいる。当局者によれば、アメリカのねらいは、ギリシャとの協力関係を利用して、中東主要地域への軍事的アクセスを向上させることだ。


「地理的な状況、そしてリビアとシリアで進行中の軍事行動、(トルコが位置する)地中海東部における軍事行動の可能性を考えると、ギリシャの地理的な位置と状況はかなり重要だ」と、ジョセフ・ダンフォード米統合参謀本部議長は言った。


ギリシャとの軍事的な関係を強化するというアメリカの決断には、進行中のシリアの内戦が大きな影響を与えている。シリア政府は現在、北西部イドリブ県の反政府勢力に対する攻撃の準備を進めており、トルコは9月7日、シリアの将来について、ロシア、イランと会談を行う。


アメリカはシリア情勢に関してもはや主役の座を退き、関係する国々に対する影響力を失っているが、それでも軍事介入が必要になった場合、すばやく対応するための方法を米軍は模索している、と専門家は見る。


ギリシャ軍基地で米軍ドローン


アメリカとギリシャの軍事協力は数カ月前から強化されている。今年5月、米軍はこれまで使用してきたアフリカの拠点が修理中で使えなくなったため、ドローン(無人機)をギリシャの基地に送った。ドローンは現在、エーゲ海に近いラリサ空軍基地に駐留している。軍用ドローンがEU加盟国を拠点に運用されるのは初めてだ。


その時点で、アメリカとギリシャの当局者は、両国が合同でさらに多くの軍事的な計画に着手する可能性があることを示唆していた。現在ギリシャ国内の米軍基地は一カ所だけだが、米軍は飛行やその他の共同訓練のために、ギリシャ軍の基地も使用することになるかもしれない。


アメリカとギリシャの軍事協力の強化は、トルコを脅かす可能性が高い。現在のところアメリカ、ギリシャともにトルコとは緊張した関係にある。


トルコとアメリカの関係は、トルコが2年近くスパイ容疑で拘束しているアメリカ人牧師アンドリュー・ブランソンの解放をめぐってここ数カ月、急速に悪化している。


外交関係の悪化とともに、トルコは経済問題でドナルド・トランプ大統領を非難し始めた。同盟国としてのトルコが信用できなくなったことから、アメリカ政府はトルコ南部のインジルリク空軍基地から、完全に撤収する可能性を示唆している。シリアでのIS(イスラム国)との戦いで米軍の戦略拠点だった基地だ。


一方、ギリシャ政府が米軍との協力関係に積極的になったのは、ロシアやトルコとの関係が不安定になっているためだ。


ギリシャとトルコの関係は常に緊張しているが、両国がNATOに加盟したことで、紛争が勃発する可能性は大幅に減少した。だが最近は、トルコがギリシャ人兵士をスパイ行為で告発したり、トルコの戦闘機がギリシャの領空を侵犯したりという外交上のいざこざが相次いでいる。


ロシアとの間にも緊張が高まっている、今年6月、ギリシャと隣国マケドニアがマケドニアの国名を「北マケドニア共和国」とする合意に達したためだ。この合意でギリシャとマケドニアの数十年にわたる対立は解消へと向かい、マケドニアのEUやNATO加盟への扉が開かれる。マケドニアを足場にバルカン地域での影響力を拡大しようとしていたロシアにとっては最悪の結果だ。


ギリシャは、マケドニアのNATO加盟を阻止する工作を行ったとして、ロシアの外交官2人を国外に追放した。これを受けて、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は、予定されていたギリシャ訪問を取りやめた。


(翻訳:栗原紀子)




クリスティナ・マザ


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  • IAEA(国際原子力機関)は21日、北朝鮮が核施設での活動を続けているとする報告書をまとめた。https://www.fnn.jp/posts/00399231CX
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