元パラリンピック選手に聞いた、高いパフォーマンスを維持する方法 【鬼頭あゆみの「本が好きっ!」】

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2018年09月13日 18:02  新刊JP

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新刊JP

ボニー・セント・ジョンさん(右)と鬼頭あゆみ
みなさん、こんにちは! 鬼頭あゆみです。

インターネットラジオ「本が好きっ!」、第38回目のゲストとしてお越しいただいたのは『心を休ませるために今日できる5つのこと』(集英社刊)の著者であるボニー・セント・ジョンさんです。

日本が大好きなボニーさんは、元パラリンピック選手で、現在はビジネスコンサルタントとして活躍されています。
5歳で片足を切断し、貧しい家庭環境に育ち、何度も挫折や苦難を味わいながらアスリートを目指し、やがて世界トップクラスのスキーヤーに。その経験から、精神的な回復力(レジリエンス)の方が、どの肉体トレーニングよりも重要だと気づいたと言います。
その後、誰もが自分のように苦労して回復の方法をみつけるべきではないと考え、心の折れない生活を送るために実用的で使いやすいガイドを作りました。それがこの本のテーマである「マイクロ・レジリエンス」です。



■キーワードは「回復」 生産性を高めるためには?

前にも述べたように、ボニーさんは日本が大好き。そこで今回、働きすぎな日本人に、「マイクロ・レジリエンス」を知ってもらいたいと来日されましたそうです。

ボニーさんはよく人から「とてもつらい人生を歩んできたのに、なんでそんなに元気なの?」と聞かれることが多いと言います。
実際お会いすると、美しくて笑顔が素敵、「つらい人生」があったなんて思えないほど明るい、太陽のような女性でした。でも、お話をうかがうと、生まれた時から足が成長しない病気で、5歳の時に切断しなくてはいけない状況になり、そのあと高校までは、手術を何度もするような状態だったそうです。
また、家にお金がないことでも大変苦労したとボニーさん。自分なりに一歩一歩自分がどうやって、今の自分にたどり着いたかを振り返る中で、みんなが使える回復の方法、「マイクロ・レジリエンス」にたどり着いたそうです。

「マイクロ・レジリエンス」とは、ボニーさんたちがつくった新しい言葉、新しいアイディアです。

そのきっかけはテニスの試合でした。大会で毎回同じ選手が勝つのはなぜなのか、ということに疑問を抱いたそうです。
勝つ選手たちはほかの選手とどう違うのか? 人によってサーブがうまい人、走るのが早い人いろいろあるかもしれないけれど、何か共通点があるはず…。そこで研究者たちが見つけた共通点が、プレーとプレーの間にやっていることでした。

彼らはプレーとプレーの間に、エネルギーを復活させてポジティブに対応していく小さな習慣を繰り返していたのです。ボニーさんは、これをビジネスに応用するうえで、一つ一つの業務の間にどう回復するかが重要だと考えます。

ボニーさんの考える「マイクロ・レジリエンス」の5つのメソッド
1.脳の使い方を切り替える(リフォース)
2.原始的な恐怖をリセットする
3.思考のクセを見直す(リフォーム)4.体をリフレッシュする
5.心を活性化する(リニュー)
これらを使って、1日を通してごく小さいことを少しずつ変えていく事で、エネルギーと生産性を飛躍的に高めることができると言うのです。



■「マイクロ・レジリエンス」が今、求められている理由とは?

ボニーさんは、「マイクロ・レジリエンス」が現代を生きる人々の新たなスキルになる、ストレスの多い競争社会に生きるのに必要不可欠なものだと言います。
単に疲労から回復するだけではなく、普段よりもさらに良い形に心身を戻すことが重要です。だからこそ、日々経験する無数の小さな心の傷からこまめにレジリエンス(回復)するという「マイクロ」のアプローチで、このメソッドを考えたのだそうです。

わたしたちの周りからストレスは消えません。ならば内面に目を向け、生まれ持った資質を生かし、環境に対応する次善の策を見つけ、効率的に立ち直る事が大切です。
今、ボニーさんが取り組んでいるのが、トレーナーの育成。アメリカとブラジル、タイでスタートしているそうで、今後日本でもトレーナーを育てていきたいと意気込みます。

ボニーさんのお話を伺って、マイクロ・レジリエンスで、自分自身のOSをアップグレードして、人生をよりよく、自分らしくしていきたいと思いました。ポジティブに考える癖をつけていきたいですね。

「マイクロ・レジリエンス」のメソッドが凝縮したボニーさんの著書をぜひ、読んでみてください。人生の道が開けるヒントがたくさん詰まっているはずです。

【鬼頭あゆみの「本が好きっ!」】
ブックナビゲーター・鬼頭あゆみによるインタビューラジオ。毎回、話題の本の著者が登場して、本について掘り下げるインタビューを届ける。
オーディオブック配信サービス・audiobook.jpにて無料配信中。本が好きっ!

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