■つきあい始めると素直になれない
「好きな人ができて、お互いに好きだと確認しあってつきあうようになる。そうすると急にその関係を破壊したくなるんですよね。何が怖いのか自分でもわからないんだけど」
タカエさん(33歳)は苦しそうだ。相手を信頼したい、楽しくつきあっていきたいと思っているのに、なぜか自分からすべてを壊すような行動を起こしてしまう。
|
|
「デートをドタキャンしたり、彼の男友だちにわざわざ連絡をとったり。相手が嫌がるとわかっていながらやってしまう。『それでもいい、それでも好きだよ』と言ってもらいたいだけなんじゃないのと女友だちに言われました。そうなのかもしれない。自分に自信がないんでしょうね」
うまくいくと不安になることは誰にでもあるが、だからといってわざわざ嫌がられるとわかっていることをしなくてもいいのに……。
|
|
「そこが私のひねくれたところですよね。親との関係が悪かったせいもあると思うけど、相手から素直に愛情を受け取ることに慣れていないんです」
自分でわかっていながらも、どうにもならない深い闇を抱えているのである。
|
|
■愛情を試したい思いが高じて
自分など愛される価値がないと思い込んでいる女性は少なくない。だからこそ、うまくいくと相手の愛情を試したくなるのだ。
「どこまでやっても愛してくれるのかどうか……。子供じみているとわかっているけど、やめられないんですよね。しかも私の場合、二言目には『別れる』と言ってしまう。自分が別れると言っても、相手は別れたくないと言うのを望んでいるんです。それは私より相手の愛情のほうが強いということだから。そうしないと安心できない」
カオリさん(36歳)はそう言う。たびたび「別れる」と言われれば男性のほうだってうんざりするだろう。
「彼がうんざりして、もういいよとなると急にあたふたして。別れたくないとすがりついてしまう。愛されたいのに、愛されようとしないんですよね。私もいいかげん、そんな自分の性格を変えなくてはと思ってはいるのですが……」
カオリさんはカウンセリングにもかかったことがあり、自分の思考回路も行動パターンも理解している。それでも恋愛と向き合うと、ついひねくれてしまうのだという。でも、きっとあと一歩。あと一歩の勇気で素直になれるはずだ。