集中しやすい?集中しにくい?“ながら勉強”って実際どうなの?

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2018年09月25日 09:52  スタディサプリ進路

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スタディサプリ進路

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受験勉強や定期テスト前など、ひとりで勉強するときに「音楽を聴きながらやっている」という人も多いのでは?  でも、“ながら勉強”だと効率が落ちないか心配…。 そこで、スタディサプリ進路では「そもそもどれくらいの人が“ながら勉強”をしているのか」「どんな曲を聴いているのか」といった“ながら勉強”に関するアンケートを実施!(※) そして、音楽を聴きながら勉強すると脳にはどんな影響があるのか、脳科学の専門家に聞いてみることに! 高校生の6割以上が“ながら勉強”をしている! まず、全国の高校生に「普段、音楽を聴きながら勉強している?」と聞いてみたところ、 効率がいいの?悪いの?実際のところながら勉強っどうなの?みんなのギモンにお答え! (https://journal.shingakunet.com/wp-content/uploads/2018/09/nagarai.jpg)“ながら勉強”してる?※2018年スタディサプリ進路調べ という結果に。 6割以上が“ながら勉強派”で、音楽を聴いていない人の約2倍ということが判明!  音楽を聴きながら勉強する理由は、 ・「イヤホンをつけることで、周りの雑音を気にせず勉強できる」(高1女子・神奈川) ・「周りに気を取られることなく、自分の世界に入り込めるから」(高1男子・愛知) ・「自分が好きな曲を聴くことで、リラックスしたりワクワクしたりしながら勉強できるから」(高1女子・岩手) ・「無音の状態で勉強するより、BGMがあったほうが集中できると聞いたことがある」(高1男子・東京) など、イヤホンをすることで雑音を遮断して集中力を高めたり、楽しく勉強したりするために音楽を聴いている人が多かった。 一方、「ながら勉強をしない派」にその理由を聞いてみると、 ・「うるさくて集中できない」(高2女子・兵庫) ・「気が散って、歌を歌ったりしてしまうから」(高1男子・千葉) といった意見が多数。 効率がいいの?悪いの?実際のところながら勉強っどうなの?みんなのギモンにお答え! (https://journal.shingakunet.com/wp-content/uploads/2018/09/nagarai08.jpg)※“ながら勉強”は効率が悪い? 実は、ながら勉強をしている人の中にも「勉強の効率的には、あまりよくないのでは…」と感じている人もいて、 ・「聴いている曲に集中してしまって、勉強内容が頭に入ってこない」(高1女子・茨城) ・「歌詞と勉強内容がごちゃごちゃになって、覚えられない」(高1男子・山形) といった声も。 では実際、音楽を聴きながら勉強するのはいいことなの? 悪いことなの?  諏訪東京理科大学で「脳システム論」を教えている脳科学者・篠原菊紀先生に聞いてみた! “ながら勉強”は、勉強内容によって向き不向きがある! 「音楽を聴きながら勉強すると集中できないのでは、と心配している人もいるようですが、そうとも言い切れません。 実は人間の脳は、あまりに静かすぎる無音の空間や、視覚的な情報が少ない真っ白な空間、真っ暗闇などにいると、勝手にいろんなことを考えてしまい作業効率が落ちるといわれているんです」 効率がいいの?悪いの?実際のところながら勉強っどうなの?みんなのギモンにお答え! (https://journal.shingakunet.com/wp-content/uploads/2018/09/nagarai-03.jpg)※確かに静かな部屋だと時計の音とか気になる! たしかに、シーンとした部屋で勉強していると、「今、何時かな?」「明日の1限ってなんだっけ?」なんて、どうでもいいことを考えちゃう気がする…。 それよりも、家族がいるリビングや、人の話し声がするカフェで勉強するほうが集中できることってあるかも! 「ですよね。そういう意味では、音楽を聴きながら勉強するのは“無音状態での勉強”より効率が上がるといえます。ただ、勉強内容や選ぶ音楽によっては集中を妨げてしまうので、注意が必要です」 では、どんな勉強内容なら“ながら勉強”に向いているの? 効率がいいの?悪いの?実際のところながら勉強っどうなの?みんなのギモンにお答え! (https://journal.shingakunet.com/wp-content/uploads/2018/09/nagarai09.jpg)※単純作業をするときは“ながら勉強”が向いているんだ! 「向いているのは『漢字を何度も書く練習』や『基本的な計算問題を何問も解く』といった“単純作業”です。 脳には、情報を記憶して処理する“ワーキングメモリ”という能力があるのですが、単純作業の場合、この能力はほとんど使われていません。 そのため、音楽という“情報”が入ってきても脳の処理能力的にはあまり影響がないので、好きな音楽を聴きながらノリノリになるほうが、より多くの数をこなすことができます。 逆に向いていないのは、『国語や英語の文章読解』や『数学の応用問題』のような、ワーキングメモリを大量に使う勉強です。たくさんの情報を積み重ねて解く必要があるため、脳に入ってくる情報をできるだけ減らすためにも、音楽は聴かないほうがいいでしょう」 そのほか、暗記系の科目も“ながら勉強”にはオススメできないとのこと。 「英単語や歴史上の人物名などを覚えるときは、脳の中で『忘れないように』と意識して覚えるようにしなければいけません。 そういう場合もワーキングメモリを使うので、脳に入る情報をできるだけ減らして、単語に集中したほうが記憶しやすくなりますね」 “ながら勉強”には聴き馴染みのある曲をチョイス! 効率がいいの?悪いの?実際のところながら勉強っどうなの?みんなのギモンにお答え! (https://journal.shingakunet.com/wp-content/uploads/2018/09/nagarai07.jpg)※“ながら勉強”にむいてる音楽ってあるの? また、勉強内容だけでなく“選ぶ音楽”によっても勉強の効率に影響が出る場合があるとか! 「日本語の歌詞がある曲は、脳が『歌詞を理解しよう』としてワーキングメモリを使ってしまい、勉強の効率を下げる可能性があります。 勉強中に聴くのなら、歌詞がない曲か、洋楽などのように言葉の意味がわからなくて“音”としてしか聴こえないものを選ぶといいですね」 なるほど〜! たしかに、高校生に「勉強中に聴いている曲」についてたずねてみると、 ・「歌がないBGM。歌詞がない分、集中できる」(高2女子・栃木) ・「ゲームのサントラ。ゲームが好きで、聞き慣れているから」(高1男子・広島) ・「洋楽。言葉の意味がわからないから歌詞の内容が頭に入ってこないし、集中できる」(高3男子・新潟) と、サントラや洋楽を選んでいる人が目立った。 でもやっぱり、 ・「ジャニーズWESTの曲。単純に自分が好きなアーティストだから」(高1女子・秋田) ・「ももいろクローバーZ。盛り上がる曲が多いからテンションが上がる!」(高2男子・東京) ・「悠木碧。彼女の声と曲が好きだから」(高1女子・宮崎) と、「歌詞はあるけど好きな曲だから、聴きながら勉強したい!」という人も。こういう場合はどうしたら…? 「歌詞がある曲の場合でも、聴き慣れていれば、歌詞は脳の中で自然と“無意識化”されるので、集中力にはそれほど影響しません。 逆に、初めて聴く曲は、脳が意識して歌詞やメロディをとらえてしまうので、勉強の妨げになるおそれがあります。 好きなアーティストの曲を選ぶときは、新曲よりも聴き馴染みのある曲のほうがいいですね」 なるほど!  歌詞がある曲で“ながら勉強”したいときは、毎日聴き込んでから流せばいいんだ! ちなみに、聴き馴染みがある曲なのに、歌詞に意識が向いてしまったり、口ずさんでしまったりしているときは、集中力が切れているサインなんだとか。 集中力を高める“ながら勉強”の使い方! 効率がいいの?悪いの?実際のところながら勉強っどうなの?みんなのギモンにお答え! (https://journal.shingakunet.com/wp-content/uploads/2018/09/nagarai05.jpg)※“ながら勉強”をしたり、しなかったりと切り替えることで勉強の効率もUP! 最後に、先生がオススメする“ながら勉強”のやり方を聞いてみた。 「脳の中には、やる気を司る“線条体(せんじょうたい)”という器官があるのですが、普段から音楽を聴きながら勉強している人は、音楽を流すことで線条体が活性化して『勉強するぞ!』とスイッチを入れることができます。 そのため、まずは音楽を聴きながら漢字や計算問題などの単純作業に取りかかり、やる気が高まってきたら、音楽を消して応用問題や暗記科目に進む…というように、段階を踏んで勉強してみましょう。 線条体が活性化したことで、音楽を消したあとも集中したまま勉強を続けられると思います」 勉強内容や選曲を工夫することで、効率を下げることなく“ながら勉強”ができるんだ!  篠原先生の教えをもとに、音楽を上手に取り入れながらノリノリで勉強してみては? ※2018年7月/スタディサプリ進路調べ ★今回の記事に協力してくれたのは・・・ 集中しやすい?集中しにくい?“ながら勉強”って実際どうなの? (https://journal.shingakunet.com/wp-content/uploads/2018/09/n001-e1537327136493.jpg) 篠原菊紀 公立諏訪東京理科大学・工学部情報応用工学科教授、地域連携研究開発機構・医療介護・健康工学部門長、学生相談室長。茅野市縄文ふるさと大使。 研究分野は応用健康科学、脳科学。「遊んでいるとき」「運動しているとき」「学習しているとき」など、日常的な場面での脳活動を調べている。 テレビやラジオでの解説監修、著書、講演等多数。 *** ★ほかの記事もCHECK! 受験生必読! スタディサプリ 一流講師の関先生が教える『志望校合格に近づくための冬の勉強法』 (https://shingakunet.com/journal/exam/20170327186808/) 現役東大生が伝授!試験で生きる教科別おすすめ勉強法! (https://shingakunet.com/journal/trend/34807/) 集中力のないキミでも長時間勉強のやる気が続く! 4つのコツ (https://shingakunet.com/journal/exam/30423/) ここにあったか!?君の勉強スイッチ!習慣1つでガラリと変わる (https://shingakunet.com/journal/exam/29430/)

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  • Janne Da Arcは体に染み付いてるからめっちゃ集中できたわー
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