「自分の人生は自分で決める」が幸せの秘訣である理由

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2018年09月27日 00:00  citrus

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■進路を自分で選んだ人は幸せになれる? 2万人の調査結果

 

「何を幸せに感じるか」の基準は人それぞれ。世界中の研究者が、人の幸福感に影響を与えている要因をさまざまな切り口から研究しています。

 

そうしたなか「進学や就職などの進路を自分の意思で決めたかどうか」、つまり進路の自己決定度が、所得や学歴よりも主観的幸福感に強い影響を与えていることが、神戸大学・西村和雄特命教授らが行った国内2万人に対するアンケート調査の結果から分かりました。

※くわしい調査結果は、「幸福感と自己決定―日本における実証研究」

 

この調査は、所得、学歴、自己決定、健康、人間関係の5つが幸福感と相関するのかどうかを調べたもの。結果は、「自己決定」の幸福感への影響力は健康、人間関係に次ぐ3位。所得や学歴よりも高いことが分かりました。

 

 

■しっかり悩んで、自分の気持ちと向き合って人生を選んでいますか?

 

「自分の人生は自分で決める」――たしかに、この自己決定ができないことは不自由さや葛藤を生じさせます。

 

  • 周りが勧める道を進んできたけど、本当は違う生き方をしたかったのかも?
  • 長男だから家業を継いだけど、親のいいなりに生きていていいんだろうか?
  • 親の勧めでこの人と結婚したけど、本当にこの人でよかったのかしら?

 

たとえばこのように、ある地点で自分の人生を自分でじっくり選んで決めてこなかったことに気づき、急に「これでよかったのか?」と考え始める人もいるでしょう。彼らのすべてが幸せを感じていないわけではないでしょうし、誰かに強く勧められたとはいえ、その時は納得してその人生を選んだのかもしれません。

 

しかし、自分のほんとうの気持ちと向き合うことをせず、主体的に自分の人生について考えて選ばないと、いずれ「私は、自分らしい人生を送れているのだろうか?」という思いが、心のどこかに残ってしまうように思います。

 

 

■「私、どうしたらいいの?」…この質問にカウンセラーはどう答える?

 

私はカウンセラーとしてクライエントの話を聞いていると、よく「私、どうしたらいいんでしょうか?」という問いかけを受けます。内容は、進学、就職、結婚、離婚、転居等さまざまです。

 

カウンセラーは、クライエントに代わって答えを出したりはしません。その人が自分自身で答えを見つけられるように、サポートするのが仕事です。こうしたとき、私はよく「ほんとうは、どうしたいのでしょうね?」などと問いかけます。すると、「う〜ん…」と何分も考えこみながら困ってしまう方、「それがわからないから聞いてるんです!」とイライラする方もいます。

 

こうしたとき、「私ならこうしますけど…」などと言ってしまいそうになるのですが、その言葉はぐっとこらえて脇に置きます。それは私の価値観で導かれた答えであり、クライエントの中から湧き出た答えではないからです。

 

 

■「なんとなくこうかな?」…この感じが自己決定のトリガーになる

 

人生の自己決定において大切なのは、自分の中に生じる気づきと向き合うことです。「なんとなくこんな感じ?」「そっちはなんとなくイヤ、こっちの方が近いかも」…こうしたもやっとした「言葉にならない“感じ”」こそが自己決定のトリガーになります。

 

「『なんとなくイヤ』なんですね。どんなところがイヤなのでしょう?」「『こっちの方が近い』と感じるんですね。どこに惹かれてるんでしょう?」といったように、クライエントの中から出てきた言葉を使いながら、いちばんフィットする答えにたどりつけるようにサポートします。

 

こうした繰り返しの中で自分の人生の答えが見つかると、クライエントはほんとうに「ああ、私はこうしたかったんですね」と、とてもすっきりした顔をします。

 

 

■試行錯誤を重ねて自分にフィットする道を選ぶ――これが人生の「自己決定」!

 

人生の方向性が若い頃からはっきりわかっている人など、ほとんどいません。ほとんどの人が、「こっちかな? いや、あっちの方がよかったのかな?」となど迷いつつも、その方向性に少し進み、違うと思ったら引き返してまた探っています。

 

あるいは一つの道に進んだものの、年を重ねてから違うと気づき、人生をやり直す人もいます。多くの人がこうした試行錯誤を繰り返しながら、フィットする道を選んでいきます。

 

そのプロセスはとてもモヤモヤし、すっきりしないものです。でも、「私はこれがやりたかったんだ!」「こう生きてみたかったんだ!」と実感できたとき、その人はほんとうにすがすがしい顔を見せてくれます。

 

「何を幸せに感じるか」の基準は人それぞれ。でも、こういうすがすがしさを心から体験できたとき、人は「ああ、幸せだなぁ」としみじみと感じるのかもしれませんね。

このニュースに関するつぶやき

  • 《自己責任》って、こういう場面に使いたいよね。「どこまで行っても ゴールはいつも 心の中に あるものだから」他人にはその「ビミョー」な部分がわかんない。自分の心に正直に生きていきたい。
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