食品ロスを33%削減!消費期限により価格変動させるAIソリューションが欧州で本格展開

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2018年10月18日 22:02  Techable

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イスラエルのスタートアップ企業「Wasteless(ウェイストレス)」は、2016年の創設以来、食品の消費期限をベースとするダイナミックプライシング(動的価格設定)を実装した食品小売業者向け在庫最適化ソリューションの開発に取り組んできた。

2018年10月には、蘭アムステルダムのベンチャーキャピタル「Slingshot Ventures」から200万ユーロ(約2億6000万円)の資金調達に成功し、いよいよ本格的に事業を展開する。・食品の消費期限に応じてAIが価格を変動このソリューションは、人工知能(AI)の手法のひとつ「強化学習」によって、消費期限をもとに商品価格を自動的に変動させ、価格をリアルタイムで電子棚札(ESL)に表示させる仕組み。

また、ウェブサイトや専用スマホアプリを通じて、消費期限ごとに各商品の在庫をリアルタイムで追跡できるシステムも実装され、小売業者は、在庫切れを未然に防げるほか、販売期限切れ商品をスムーズに撤去できる。・食品ロスを33%削減し、収益を6.3%増に2018年1月には、米カリフォルニア大学サンディエゴ校ロバート・サンダース教授による研究プロジェクトの一環として、スペインの首都マドリードの小売店で実証実験を実施。

その結果、通常の消費期限が担保された商品を定価で購入するか、消費期限が短い商品を割引価格で購入するかを選択できる商品のうちの7割が売れ、収益が6.3%増加し、食料廃棄量が32.7%削減された。

また、3分の2の消費者が割引価格の商品を選んだ一方、3分の1の消費者は定価で購入したことも明らかとなっている。

「Wasteless」では、本社をオランダに移すとともに、近々、米ニューヨークにもオフィスを構え、これまでの活動拠点であったテルアビブとの3拠点で、西欧諸国をメインターゲットに事業を拡大していく方針だ。(文 松岡由希子)

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