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心地よく毎日を過ごすためにすべきこと 「もやもや」の整理術を松尾たいこさんに聞く(後)

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2018年10月26日 20:02  新刊JP

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新刊JP

写真アーティスト/イラストレーターの松尾たいこさん
アーティスト/イラストレーターの松尾たいこさん
部屋が片づかない、家事が億劫、人間関係の悩みもある。だけど、どこから手をつけていいのかわからない。そんな悩みを抱えている人は、まず身の回りの小さな「もやもや」に目を向け、そこから解消をしてみてはいかがでしょうか。
そんな提案をしているのが、アーティスト/イラストレーターの松尾たいこさんです。

松尾さんの新刊『暮らしの「もやもや」整理術』(扶桑社刊)は、普通の片づけ術や整理術ではなく、ちょっとした工夫で日々の「もやもや」を解消し、「心地よく生きる」ためのヒントを教えてくれる一冊。
今回、松尾さんのご自宅で行われたインタビューで「もやもや整理術」についてお話をうかがいました。今回お送りする後編では驚きのグッズの紹介も。

(取材・文:金井元貴/新刊JP編集部)

■人間関係から生まれる「もやもや」にどう対応すればいい?

――小さな「もやもや」を整理するというテーマでお話をうかがっていますが、その「もやもや」の原因が自分ではどうすることもできないこともあると思います。例えば人間関係なんですが、松尾さんは以前、結構な八方美人だったとか。

松尾:これは本にも書いたけれど、私は「誰からも好かれたい!」と思っていた人間なので、かなり八方美人になっていたんですよね。でもそれはすごく「もやもや」の原因になっていて、そういう自分と決別するのに長い時間がかかりました。

――本の中には東日本大震災の直後に投稿したブログへの共感コメントをきっかけに吹っ切れたとありました。

松尾:そうです。ちょうどその前にツイッターにつぶやいた何気ない気持ちに対して強い批判が来て、気が滅入ってしまっていたんです。でも、その時に今の自分できることをやればいいと思って、初めて自分の意見をブログに書きました。

もちろんそのブログの内容を叩く人もいましたけれど、共感の声も多くて、100人全員に好かれるのは無理で、自分の意見に賛同してくれる人を増やしていこうと考えられるようになりました。それは大きなきっかけでしたね。

――人との距離のとり方が変わった、と。

松尾:身の回りの「もやもや」がなくなってくると、心に余裕が生まれるじゃないですか。そうなると人間関係でも適切な距離を保てるようになるんですよね。周囲の人たちの些細な反応や心ないひと言にも動揺しないような打たれ強さが身につくというか。

――とはいえ、嫌いな人と会わないといけないことは必ずあると思います。その「もやもや」をどう発散すればいいのでしょうか。

松尾:例えば相手に心の中で小さな呪いをかけたり、変な川柳の一句を詠んだりします(笑)。本にも書きましたけど、「鼻毛が肩まで伸びますように」って呪うんです。それを想像してみると、面白くなっちゃう。気がまぎれるし、楽しくなります。

あとはまるで価値観が違う人に会ったときは「この人は宇宙人かも」と思うとか。価値観って合わない人はまるで合わないし、どちらが正しいというわけでもないじゃないですか。そうやって発散しますね。

――例えば毎日一緒にいる夫婦の関係になると、家事や子育てなどで相手のやり方につい口出しをしてしまう人も多いと思うんですね。本書では「人のやり方には口出ししない」とありましたが、これは難しいのでは?

松尾:私たちは夫婦二人暮らしで、お互いフリーランスなんですが、自分がやりたい場所だけを担当している感じです。ゴミ出しは夫がしていますけれど、私が「やってね」と言ったわけではなく、彼がゴミが溜まっているのが嫌いだから率先してやっているという感じで。

――どっちもやりたくないという家事があったとしたら?

松尾:どっちもやりたくないこと…。お金関係のことですかね(笑)。それはもう税理士さんに頼んだりして、両方やらないように工夫をします。

以前は私の体が弱かったこともあって、夫もそこまで余裕がなかったので掃除と洗濯を外注していたんです。でもその後ワンフロアの家に引っ越して、私も元気になったので家事をするようになりました。だからその時々でやり方を変えていくことが大事で、可能であれば人の手を借りるなどして、自分たちだけで解決しないという姿勢は持っておいていいと思いますね。



■家に電子レンジがなくても大丈夫

――今は東京、軽井沢、福井と3拠点で生活を送っていらっしゃるそうですが、そのメリットは?

松尾:環境が変わるので、気分も変わります(笑)。私は家の中で仕事をすることが多いので、ほっとくとずっと家の中にいるんですよ。だから強制的に環境を変える仕組みとしてすごく良いですね。

あとは3拠点それぞれに基本的な家電製品が必要になるんですが、一つで良かったものが3つ必要になるわけですよね。でもそんなに全部買い揃えることもできないので、最低限必要な家電のみを揃えるようになりました。

だから、今は電子レンジもないですし、精米機やウォーターサーバーもなくなりました。冷蔵庫も小さいものになりましたし、本棚や衣装棚も減りましたね。

――電子レンジがなくても生きていけるんですか…!?

松尾:生きていけます(笑)。逆に電子レンジを使わないといけないものを買わなくなりましたし、残ったご飯を食べるときはお茶漬けやおじやにしたりします。レンジで解凍したご飯をそのまま食べるより気に入っています。新しい発見は多いです。

――モノ関連で言うと、「もやもや」を解消するために買ったけれど、実はそれが「モヤモヤ」の元になっていたことは結構ありそうですね。

松尾:そうですね。私は新しいものが好きで使ってみたくなっちゃうんですけど、2個に1個は「あー、これはちょっと違うな」ってなります(笑)

でも、日々をいかに楽にするか、スッキリと過ごせるようにするか、情報は毎朝チェックしているし、良いグッズがあったときはブログに書いちゃう。そうすると、読者の方が教えてくれたりするんです。
例えば移動用のリュックもメンズのものを買ったらちょっと重かったので、それをブログに書いたら「ここのリュックおすすめですよ」ってコメントがついて、買ってみたらそれがすごく良かったということもありました。

――周囲の人たちが教えてくれる。

松尾:自分が情報をどんどん出していくと、自分にも返ってくるんです。美味しいお店も私は隠さず全部教えちゃう。すると、自分がよく行っていたお店の予約が取れなくなっちゃうこともあるんだけど(笑)、私がそのお店のことを隠して閑古鳥が鳴くよりは、みんなに行ってもらって続いてほしいと思うタイプなので。みんながハッピーになればいいなと思ってブログやツイッターを書いています。ハッピーの連鎖があったらいいなと思っています。

■常に持ち歩いている災害用グッズも「とにかく軽くて小さい」

――さきほど、毎朝自分の生活を楽にするために情報をチェックしているとおっしゃられていましたが、どのくらい感度を高くされているのですか?

松尾:決まったサイトを何十個も見るみたいなことはしていないです。「TABI LABO」や「ライフハッカー」「Gizmode」、自分の住んでいる地域のメディア、ミニマリストの人たちが書いているブログ、あとは夫がTwitterで発信している「朝キュレ」やFacebookで友達が紹介しているグッズをチェックするというくらいですね。

例えば東日本大震災以降、いつも災害用グッズを持ち歩いているのですが、体力がないからとにかく小さくて軽いものを探していて、そういうところでチェックをします。

――本書の163ページに載っている写真ですね。

松尾:そうです。でもこの写真からアップデートされているグッズもあって、LED懐中電灯はさらに小さくなりました。子どもがスパイグッズを集めているような感覚で(笑)、スマホ充電器も一番軽いもの、ラジオもとにかく小さいものをバッグに入れています。

本の中にもあるmont-bellの折りたたみ傘はすごく軽くて、カバンに入れても入れたのを忘れちゃうくらいです。大きさもちょうどよくて、どんなカバンにもたいていは入りますね。



――これは営業などの外出が多いビジネスマンにもいいですよね。

松尾:そうかもしれない! 私のゆるいアンテナに引っかかる範囲内で一番許せるデザインでなおかつ軽いというのが、買うときの基準ですね。

――小さな「もやもや」をなくして松尾さんが得たものはなんでしょうか。

松尾:一つは時間、それと体力。あとは、小さな「もやもや」がなくなったことで、大きな「もやもや」を解決できるようになりました。小さな「もやもや」がいっぱいあると、大きなところに辿りつけないんですよ。人間関係も、小さな「もやもや」に気を取られていると向き合えないと思いますし。

――『暮らしの「もやもや」整理術』をどのような人に読んでほしいですか?

松尾:全てのことをきちんとしないといけないと思って、しんどくなっている30代以降の皆さんに読んでほしいです。あとは将来に対して漠然とした不安を抱えていて、何から手を付けていいのか分からない人も。まずは小さなことから解消していけば、大きな事に向き合えるようになりますから。

――かつての松尾さんのように「もやもや」を抱えながら生きていらっしゃる方々に。

松尾:そうですね。実際、この本を読んでいたら「あ、大きな『もやもや』を忘れてた!」って気付いたことがあったので(笑)、自分の本に背中を押してもらうという体験をしました。

でも、昔の私のように「どうしたらいいんだろう」と思っている人って想像以上にたくさんいて、悩んでいるときって視点が一つになりがちじゃないですか。そこにちょっと別の方向を見るような気づきが生まれるお手伝いができたらいいなと思いますね。

(了)

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