てんかんは「珍しくない、難しくない」病気

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2018年11月01日 18:01  QLife(キューライフ)

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成人てんかんの専門医不足が深刻化

東北大学大学院医学系研究科 てんかん学分野
神一敬先生

 てんかんは、発作を繰り返し起こす大脳の慢性疾患で、1人の人にほぼ同じ型のてんかん発作が繰り返して起こります。「有病率は約0.5〜1%と決して珍しい病気ではなく、また約70%以上は発作が消失し、病前の生活ができます」そう語るのは、東北大学大学院医学系研究科 てんかん学分野の神一敬先生。「にもかかわらず、運転や就労、結婚・出産などの社会における誤解や偏見がある」と神先生はいいます。加えて、成人てんかんの専門医不足が地方を中心に深刻化している、と警鐘を鳴らします。

 大塚製薬株式会社とユーシービージャパン株式会社は10月29日に都内でプレスセミナーを開催。神先生が「てんかんの正しい診断をサポートするための〜知っておきたい、てんかん発作のいろいろ〜」と題して、講演を行いました。

身近な人にてんかん発作が起こったら…

 では、てんかんの発作時に、周囲はどう対応すればよいのでしょうか。まず、全身けいれん時の対応として神先生は「安全第一で、眼鏡をはずしたり、危険な物を遠ざけたりと怪我をしないように配慮しましょう。ほとんどの発作は2分以内に収まります」と語ります。この時、舌をかまないようにと、口の中に指、タオル、スプーンなどを突っ込んだり、体を押さえつけないようにしましょう。また、5分以上けいれんが続いたり、意識が回復しないうちに再びけいれんが起こったりした場合は、てんかん重積が疑われる場合があるので、すぐに救急要請をしましょう。

 てんかん発作後はしばらくもうろうとした状態が続きます。「その場合は安全最優先で過度に刺激せず、ゆっくり話しかけましょう。また、触れられたら困るものは目の前から除けるとともに、危険な物を持っていた場合も無理に取り上げずに、握手などをして気をそらせた隙に取り上げましょう」(神先生)

 神先生は、てんかん診断で最も重要なのは、発作の内容や持続時間・頻度などの病歴聴取である、といいます。「最近ではスマートフォンで発作の様子を撮影されているケースも増えています」と神先生。てんかんは新しい薬が次々と登場しています。「珍しくない、難しくない病気であることを知ってほしいですね」(QLife編集部)

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