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メキシコ国境には米軍だけじゃない、移民嫌いの米民兵組織もやってくる

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2018年11月02日 19:22  ニューズウィーク日本版

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ニューズウィーク日本版

<民間人は、移民を合法的に捕らえて国境警備隊に引き渡すのが建前だが、彼らは間違いなく武装している>


中米からアメリカに向かっている移民キャラバンの入国を阻止するため、ドナルド・トランプ米大統領はメキシコと接するアメリカ南部国境に数千人規模の部隊を派遣すると発表した。本誌が入手した資料によれば、米情報機関は派遣される米軍部隊に対し、アメリカの民兵組織や国境をまたぐ犯罪組織とも衝突する可能性があると警告している。



統合軍陸上部隊指揮官(JFLCC)の脅威対策グループは10月27日、米国防総省の関係者に対し、米情報機関による分析をパワーポイントを使って説明した。その3日後には、国防総省の支援を受けて米国土安全保障省が主導する「忠実な愛国者作戦」(Operation Faithful Patriot)の開始を控えていた。



資料には「非機密、公用限定、LES(法執行機密)」と記されている。本誌は10月下旬、米北方軍の南部国境における任務に詳しい国防総省の2つの情報筋からこの資料を入手した。



【関連記事】中米からの移民キャラバンを迎え撃つ?米軍部隊が国境へ



資料は米南西部の国境地帯にある4つの入国地点に重点を置き、移民キャラバンが向かいそうな経路を分析している。入国地点と犯罪組織の拠点が重なり、情報機関がとくに懸念している地域が2カ所ある。1つはテキサス州ブラウンズビル。リオ・グランデ側を挟んだ対岸に、メキシコのタマウリパス州マタモロスがある地域だ。もう1つはカリフォルニア州のサンイシドロ。サンディエゴとメキシコのティフアナの間で、国境検問所がある。



そこでは、米税関・国境警備局も協力すると伝えられた南部国境での作戦で、取り締まりの対象外になっている民兵組織と米軍部隊が鉢合わせるかもしれない、とする報道が強調されている。



「現在、推計200人の武装した民兵が南西部の国境で活動している。国境警備隊の装備品が盗まれた事件も報じられた。彼らは入国地点の周辺で、税関・国境警備局に協力する自警団に扮して活動している」と資料には書かれている。



民兵組織や極右活動家は、移民キャラバンの入国を阻止するべく、メキシコとの国境に集結する計画をすでに発表した。


ミニットマン・プロジェクト


移民キャラバンが国境に到着するまでまだ数百キロ距離があり、今後どれくらいの民兵が集まるかは不透明だ。そんななか、国境警備に協力の意思を表明した組織の1つが、不法移民の取り締まりを目的とした「ミニットマン・プロジェクト」だ。



歴史的に「ミニットマン」と言えば、米独立戦争中にイギリスに対抗するために結成された民兵組織のこと。だが今日のミニットマン・プロジェクトは、2004年8月にジム・ギルクリストとクリス・シムコックスが設立した自称「南部国境の自警団」を指す。



ミニットマンの国家政治部長を務めるホーウィー・モルガンは10月31日、移民キャラバンを国境で待ち構えるメンバーには完全装備をしてもらう、と本誌に語った。



「市民権取得の手順を定めた法の受け入れを拒む外国人によって、アメリカが攻撃されている」とモルガンは言った。



アメリカが長年維持してきた法的手続きに従い、国境検問所などの合法的な入国地点に到着した亡命希望者についてもそうか、と尋ねると、中米出身者は「自国で」申請すべきだと彼は言った。



「彼らはアメリカの法律を悪用して、列の前方に横入りしている」



だが米市民権・移民局によれば、強制退去手続き中でない亡命希望者がアメリカで難民認定を受けるには、申請者は「アメリカにいなければならない」とある。しかも難民申請者はいかなる方法で入国しようと、その時点での在留資格が何であろうと、申請できる権利がある。



ミニットマン・プロジェクトは10月29日、男女を問わずメンバーに行動を呼びかけた。「メキシコとの国境に直ちに集結し、現場ですでに待機している治安当局と米軍部隊を支援しよう」



「今後90日間、カリフォルニア州サンディエゴからテキサス州ブラウンズビルに至る3218キロの国境地帯に、あなたがいることが必要だ」と、同プロジェクトはホームページで声明を発表した。



今後数週間で何人のメンバーが国境地帯に集まるか分からない、とモルガンは言った。「数千人規模」が望ましいが、すでに米政府が南部国境の警備を強化していることから、その可能性は低いかもしれないと言う。


すでに現地に到着したメンバーは、法律に従い、移民の身柄を国境警備隊に引き渡すことに集中するよう忠告を受けた。だがメンバーは武装しているだろう、とモルガンは言った。



「国境地帯がどれほど危険か、われわれは理解している。有志であるすべてのメンバーの身の安全を確保したい」。さらにこう続けた。「もしメンバーが銃携帯の許可を持ち、銃携帯(オープンキャリー)が合法な地域で活動するなら、そうするのは彼らの権利だ」



トランプ政権の移民に対する強硬姿勢を称賛


トランプは10月31日、中米ホンジュラスやエルサルバドルから数千人規模の移民キャラバンがアメリカを目指して北上するのに合わせ、最大1万5000人の軍隊を派遣すると発表した。



ミニットマン・プロジェクトの報道官は、批判も多いトランプ政権の移民に対する強硬姿勢を称賛して言った。「われわれは常にアメリカの安全とより良い移民政策を求めてきた。トランプ大統領は、正しい方向に向いている」



南部国境に集結するよう求める呼びかけで、ミニットマン・プロジェクトはメンバーにこう伝えている。「自国の主権や法治国家としての名声を擁護することで、人種差別主義者や偽善者、外国人嫌い、ナチス、ファシスト呼ばわりされる筋合いはない。そうした汚名は、われわれ愛国者の美徳を不当に傷つけるために、敵が使っているものだ」



さらに、メディアの取材に応じないようメンバーに警告。米フォックス・ニュースや米新興放送局「ワン・アメリカ・ニューズ」を除く「ほとんどの記者」は、国境に来たメンバーを「敵対的に」報じるはずだ、と釘を刺している。



(翻訳:河原里香)



ジェームズ・ラポルタ,シャンタル・ダシルバ


このニュースに関するつぶやき

  • これも市民運動とやらだろ。正しく伝えろよ
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  • 移民じゃないでしょ?不法入国者を阻もうとすることを許さないとどうなるわけですか?
    • イイネ!26
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