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43歳・元うつ病のキックボクサー松崎公則 引きこもりから『ロッキー』ようなチャンピオンへ

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2018年11月09日 08:52  日刊SPA!

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 “中年王者”と呼ばれる、元うつ病のキックボクサーがいる。43歳、日本チャンピオン4冠王の松崎公則だ。33歳という遅すぎるプロデビューから這い上がってきた男が、10月20日、25歳下の挑戦者と防衛戦を戦ったが惜しくもベルトを奪われてしまった。

◆カンボジアから帰国後うつで引きこもりに

 ’75年、松崎は東京・浅草で生まれた。0歳のときに母が出奔、父と祖母に育てられた。大学を卒業後、ビルメンテナンス会社に就職。無口で自信のない性格の松崎は、「自分を変えたい、世の中の役に立ちたい」と思っていた。26歳のとき、恩師が途上国支援NGOを立ち上げたのを機に会社を辞め、カンボジアでNGOが支援する職業訓練校の立ち上げに携わった。

「現地団体はまったく計画的ではなく、やってダメだったら変えよう、というテキトーな感覚。日本人の自分には理解できず、事務局も『お金を引き出すためにやっているのでは』と疑心暗鬼に。その両者を取りもつ仕事でした」

 トラブル続きで、1年後に帰国。直後に「病んでしまった」という。

「落ち込んで家にいたら、だんだん外に出られなくなって。ダルくなって、ずっと寝ていました」

 当時30歳。半年ほど部屋に引きこもり、ベッドとパソコンを往復する日々。他人の目を見て話せない。自分から話しかけられない。

「自分はなんてダメなんだ、自分を消したい。と思っていました」

 ネット診断では「重度のうつ」。病院で薬をもらい、次第に外へ出られるようになった。そこで、会社員時代にやっていたキックボクシングを再開したくなり、押上にできたジム「ストラッグル」に入会。’07年の春、31歳だった。

 ストラッグルの鈴木会長は、当時の松崎を「面と向かって話すことができず、挙動不審だった」と語る。今でも言葉少なく、非常に小さな声で話す。

「サンドバッグを打っているときは、いろんなことを忘れられる」

 入会して半年ほどで、アマチュアの試合に出始めたが、その頃はまだ不安定で、抗うつ剤を服用していた。最初の頃は負けてばかり。しかし、だんだんと勝ちだしてトーナメントで優勝する。その頃から、ジムの仲間にうつのことを隠さないようになった。

 そして、33歳でついにプロデビュー。異例の遅さだ。デビュー戦はKO負け。その後、負傷によるTKOはあるものの、倒されてのKO負けはない。

「試合に負けた翌日も、すぐに練習に来ていました。狂ったようにサンドバッグを打ちまくって。休むと不安になってしまう。戻れなくなるんじゃないか、落ちていってしまうんじゃないかと。負けて自分を責める気持ちがケガの痛みよりつらかった。相手は怖くないんです。まわりの期待に応えられないことが怖い。」(松崎)

 36歳のとき、3連続TKO勝利を挙げた。「その頃は、それほど長くプロを続けるつもりはなかった」という。そして’12年、WPMF日本スーパーフライ級王座決定戦で勝利し、日本チャンピオンに。当時を知るジムの練習生が言う。

「映画の『ロッキー』みたい。人気も認知度もなく、マッチメイクでは有望選手の“当て馬”にされてきた。ジムで一番獲りそうにない人が最初に獲ったんです。みんな泣きましたよ」

 43歳、うつの4冠チャンピオンの活躍は、多くの人に希望を与えてくれる。

<取材・文/遠藤 一 試合写真/イーファイト>
― 43歳うつのチャンピオン ―

このニュースに関するつぶやき

  • 自分も格闘技に助けられた人間です。 そんな自分の意見ですが、何が自分を助けてくれるかは分かりません。 だから自信のないあなた、何かをやってみて下さい。
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  • 自分は全く眠れず、精神科に行って診断結果が不安障害と言われました、うつと不安障害とどこが違うのか?�㤭��
    • イイネ!15
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