掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)ってどんな病気?

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2018年11月09日 13:01  QLife(キューライフ)

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手のひらや足の裏に生じる皮膚の慢性疾患

愛媛大学大学院医学系研究科 分子・機能領域皮膚科学 准教授 村上正基先生

 手のひらや足の裏に、膿(うみ)が溜まった小さな膿疱(のうほう)ができる皮膚の病気・掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)。かゆみやひび割れ、痛みを生じることもあり、周期的に良くなったり悪くなったりを繰り返します。

 なかなか見慣れない漢字が並ぶこの病名ですが、有名女性タレントが闘病したことで「(病名を)見たことがある」方も多いですが、実際、患者さんがどのくらい悩んでいるかなど、あまり知られていません。

 先日、都内でこの掌蹠膿疱症に関するプレスセミナー(主催:ヤンセンファーマ株式会社)が開催され、愛媛大学大学院医学系研究科 分子・機能領域皮膚科学 准教授の村上正基先生が、この皮膚の難治性疾患について講演を行いました。

 「掌蹠膿疱症で生じる膿疱は無菌性で、手足から体のほかの部位はもちろん、他の人に感染することはありません」と村上先生。「ただし、症状に加えて、膿疱のある手や指を日常生活で隠すことが難しいため、自分に自信が持てなかったり、偏見で他の人に嫌な顔をされたりして心の傷を負い、心を病むケースもあります。また、調理師や美容師など、手指を露出することの多い仕事に就く人などは、仕事を続けられるかどうかなどの問題にもなりかねません」(村上先生)

患者の約8割に喫煙習慣あり

 掌蹠膿疱症の原因となるメカニズムはまだ完全に解明されていません。病巣感染や金属アレルギーとの関連性が指摘されていますが、影響が大きいと考えられているのが喫煙です。「女性患者の約9割、患者全体の約8割が喫煙者です。また、患者は男性より女性にやや多く、男女ともに30〜50代に集中しています」(村上先生)

 掌蹠膿疱症の治療は、発症や悪化の原因が明らかな場合は根治を目指してその病巣感染の治療やアレルギー金属の除去を行います。皮疹に対しては外用薬が基本的に使われます。それでも皮膚症状が改善しない場合は、内服薬や光線療法などの治療を行いますが、新しい治療薬の研究も進んでおり、登場が期待されています。

 「掌蹠膿疱症は平均で3〜5年、中には10年以上長引く患者さんもいます。気になる症状があったら、皮膚科の医師に相談してください」(村上先生)

(QLife編集部)

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