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東野圭吾ガリレオシリーズ最新作『沈黙のパレード』! 今からでも楽しめる、おさえるべき3冊は?

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2018年11月09日 20:12  ダ・ヴィンチニュース

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ダ・ヴィンチニュース

写真『沈黙のパレード』(東野圭吾/文藝春秋)
『沈黙のパレード』(東野圭吾/文藝春秋)

「シリーズ最高のガリレオ」と東野圭吾みずから断言した『禁断の魔術』から3年。ガリレオシリーズ生誕20周年となる今年、最新作『沈黙のパレード』(文藝春秋)が刊行された。福山雅治主演の実写化作品で同シリーズを知った方も多いだろうが、あたりまえのことだが、原作は物語の筋立てもキャラクター造形も少しちがう。「3年ぶりで記憶がおぼろげ」という人も「今更だけど小説も読んでみたい」という人も、ここで今一度シリーズを総ざらい。主要人物とおさえておくべき3冊をご紹介しよう。

■まずは3人の主要登場人物をチェック!

湯川学:いわずと知れた探偵ガリレオ。初登場時は34歳。帝都大学理工学部物理学科助教授で、その天才的頭脳と超論理的思考、すぐれた洞察力を見込まれて、捜査一課からアドバイスを求められることもしばしば。解決不可能と思われた難事件のトリックをいくつも解き明かしている。旧友と恩師いわく「酒豪で蘊蓄はたれるが、じつは味音痴」。コーヒーにも一家言をもつがインスタントコーヒーが大好き。非論理的なことが嫌いで、ゆえに子どもも苦手。話すと蕁麻疹が出るらしい。

草薙俊平:帝都大学社会学部出身で、湯川とはバドミントン部の同期。警視庁捜査一課に所属し、シリーズ1作目『探偵ガリレオ』で人体発火の謎を湯川に相談して以来、たびたび捜査協力を依頼することに。人あたりがよく、正義感も強い。刑事としての能力は高いが、湯川に比べるとまっすぐな性格の印象。

内海薫:草薙の部下。初登場は4作目『ガリレオの苦悩』で、ドラマ版で柴咲コウが演じている。ただしその性格はドラマとはずいぶんちがう。女だからといって見くびられたり手加減されたりすることを嫌うが、女性ならではの知識と洞察力で事件の糸口をつかんでいく。若手だが、かなりの切れ者で根性もある。

 ちなみに、『禁断の魔術』のラストで研究のためにアメリカへ旅立った湯川が、『沈黙のパレード』では教授となって帰国。草薙も警部に、そして役職は係長へと昇進している。

■最新作を楽しむためにおさえておくべき3冊


『容疑者Xの献身』(東野圭吾/文藝春秋)

(1)『容疑者Xの献身』【シリーズ3作目】
 隣人の母娘が殺人を犯したことを偶然知った高校教師の石神哲哉は、2人を救うためにある計画を企てる。自身が天才と認めた数学者である彼が企てた完全犯罪を、はたして湯川は暴くことができるのか? というのが物語の筋立て。天才同士の頭脳バトルはもちろんのこと、旧友を追い詰めなくてはならない湯川の、シリーズでほぼ初めてといえる人間らしい苦悩がうかがえる一作だ。

 基本的にガリレオシリーズは、ハウダニット。犯人が誰か、ではなく、どのように犯罪が行われたかの謎解きを楽しむ作品だ。だが、最初から明らかであるに見える真犯人の姿が、ラストに近づくにつれて思いもよらぬ形で浮かび上がってくるのも面白さのひとつ。

 特に長編では、罪を犯した理由が切なくやりきれないものであることも多く、この事件は湯川自身にも大きな傷を与えることとなった。それが簡単に癒えるものではないことは、最新作『沈黙のパレード』でもうかがえる。


『ガリレオの苦悩』(東野圭吾/文藝春秋)

(2)『ガリレオの苦悩』【シリーズ4作目】
『容疑者X〜』を機に、捜査協力は二度としないと決めた湯川を、事件に連れ戻したのが、本作初登場の内海薫だ。草薙同様、理系知識にはうとい彼女だが、持ち前の根気強さで事件を解き明かそうとする姿が湯川に買われた形となった。5つの独立した事件から成る短編集だが、うち2編は湯川の恩師とかつての同級生が関わっており、リハビリとして関わるにはまたもやるせない事件が続く。だが草薙いわく「真の科学者ゆえに、科学を殺人に使われることが許せない」という湯川の本質と、「人の心も科学です。とてつもなく奥深い」と語る彼の心に触れられる一冊だ。


『聖女の救済』(東野圭吾/文藝春秋)

(3)『聖女の救済』【シリーズ5作目】
 容疑者は、信頼していた弟子に夫を奪われ、離婚を突きつけられた妻。だが夫が毒殺されたそのとき彼女は北海道に。しかも毒物混入経路がどうしても見つけ出せない――。湯川をして「これは完全犯罪だ」といわしめた、隙のない妻のアリバイ。石神以来の難敵ともいえる相手に、湯川ははたしてどう立ち向かっていくのか。……というミステリー的お楽しみとは別に、本作のもうひとつの読みどころは草薙の恋。あろうことか容疑者に恋をして、心配した内海が独断で湯川に相談をもちかけたのだ。草薙の意外な一面と内海の洞察力の鋭さがあらわになると同時に、なぜ湯川が草薙を友として信頼しているかもうかがえる。3人のコンビネーションに注目だ。

■そして『沈黙のパレード』の読みどころは?

 23年前、草薙が関わった、12歳の少女が無残な姿で発見された殺人事件。犯人と目された男は、数々の状況証拠を前に、完璧な黙秘を貫いて無罪を勝ち取った。そして今、静岡にある男の実家が火災に遭い、東京で失踪した19歳の女性が焼死体となって発見された。状況は蓮沼という人物を犯人として示しているのに、証拠不十分で今度もまた釈放される。はたして蓮沼はどのように犯罪をやってのけたのか――が、物語の焦点かと思っていたら蓮沼が殺されてしまう。それもひどく、不可解な形で。容疑者は、被害者の遺族と親しい関係者。だが犯行が行われたのは、町をあげての秋祭りのパレードのさなかで、アリバイがあった。誰がどのようにして復讐を実行したのか、草薙は雪辱を果たせるのか。そして被害者遺族が営む定食屋に通ううちに、彼らと親しくなった湯川は、この事件をどうとくのか――。二転三転していく謎解きに翻弄されること間違いなし。待ち続けた甲斐のある一冊だ。

文=立花もも


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