伝説の芸人・横山やすしの“親分”が語る! 元極妻が見た「平成ヤクザ最大のタブー事件」

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2018年11月11日 19:02  サイゾーウーマン

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サイゾーウーマン

竹垣悟Twitterより

今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。

■中野会会長の本が同時期に2冊

「宮崎学先生が、中野太郎さんと本を出されるそうですが、何か聞いていらっしゃいます?」

 編集者さんから聞かれました。しかも、同じく大御所作家の山平重樹先生も、中野さんの評伝を同時期に出されるのだそうです。

「ごめんなさい、ぜんぜんわかんないです。ていうか聞いてないです」

 確かにワタクシめは宮崎先生には拙著で解説を書いていただいていますが、ごあいさつを含めて、これまで数度しかお会いしたことがないのです。なので、出版情報を教えていただけることもなく、ましてやこちらから「中野会の会長とご本を書かれたんですか? 山平先生も同じ時期に出版されるのは、なんでですか?」なんて聞けるわけありません。畏れ多いにもほどがあります。

 そんなわけで、何も存じ上げなかったのですが、知り合いの記者さんによると、「詳しくはわからないけど、出版時期が重なったのは偶然」だそうです。

■芸人さんにも頼られたコワモテ

 いろいろ気になるところではありますが、今となっては「中野太郎さん」をご存じの方は少ないでしょうね。五代目山口組時代の20年以上前は結構有名な親分さんでした。もともとは山健組(2015年に分裂して「神戸山口組」を結成した組)のご出身でしたが、五代目体制の発足後、直参に昇格しています。いわゆる二次団体「中野会」の会長となったんですね。中野会長は、組織拡大とかにご興味がなかったそうで、組員さんの数もはっきりしていませんが、それでも最盛期には「2,000人」との説もあるほどでした。そして、いつも怒っていて、あだ名は「ケンカ太郎」。「とにかく無茶苦茶やった」とはオットの兄弟分さんの証言です。コワモテで「イケイケ」の武闘派として知られながらも、五代目を敬愛し、礼儀正しい一面もあったとか。組員さんのご家族にもやさしかったそうですよ。

 ヤクザの間で有名なのは、かつて西川きよしさんとのコンビで漫才ブームを牽引した伝説の漫才師・横山やすしさんとの関係ですね。やすしさんは借金取りが来ると、「ワシの親分は中野や。中野に取りに行け」と言っていたそうです。別に親分ではないので、迷惑していた中野会長は子分さんに、やすしさんを守るように言ったのだとか。この命令で、やすしさんを舎弟にしたのが、今はヤクザの更生を支援するNPO代表としてテレビにもよく出ている竹垣悟さんですね。ご著書『極道ぶっちゃけ話』(イースト・プレス)に、そのエピソードが書かれています。写真週刊誌にお2人が兄弟の盃を交わしている写真が掲載されたことがあり、今でもネット上で見ることができます。

■掟破りの幹部射殺

 そんな芸人さんとのほのぼの(?)エピソードはともかく、中野会長と中野会を有名にしたのは、1997年8月の五代目山口組若頭の射殺事件です。若頭という大幹部を射殺するなんて、タブー中のタブーですからね。しかも駅前のホテルのティーラウンジだったために、流れ弾に当たって一般の方も亡くなられています。

 警察の捜査は時間がかかっていますが、なぜかその日のうちに「犯人は中野会」と知れ渡っていて、中野会長はすぐに山口組執行部から破門処分を受けます。思えばここからヘンでしたね。事件直後で、警察が特定する前から執行部は中野会の犯行と決めつけて中野会長を処分したんです。

 若頭殺しという大罪のわりには復帰の余地のある「破門」なのもおかしいですね。数日後に巻き添えの方が亡くなったことでより重い「絶縁」となりましたが、いずれにしても警察が犯人を特定する前の処分です。そもそも渡邉芳則五代目が「まだ犯人と決まったわけではない」と言って、厳正な処分を望まなかったと聞いています。これが「若頭射殺を指示したのは五代目ではないか説」の根拠となるわけですが、五代目もとっくに亡くなられているので、今となってはわかりません。そして、中野会長は、事件後に子分さんたちに「ウチはこの事件はやっていないが、つらいなら、ほかの組織に行っていい。いずれワシも復帰する」と言ったそうです。

 つまり、警察もまだ結論を出しておらず、本人も否定しているのに、山口組執行部はソッコーで「中野会の犯行」としたんですね。確かに実際に逮捕されたのは中野会系の組員さんでしたが、それはだいぶたってからです。それに、中野会長ご本人は今日に至るまでこの件に関しては逮捕されていません(この本が原因で傘寿過ぎなのに取り調べとかないといいですね)。

 謎が多く、裏社会では「平成最大のタブー」といわれたこの事件、「当事者」の中野さんは何を語られるのでしょうか。12月発売だそうで、とても楽しみです。

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