やる気のない「婿養子」の次期社長とサヨナラできる? 妻のイライラは頂点に

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2018年11月19日 10:12  弁護士ドットコム

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婿養子として結婚した夫が、実家の仕事に誠意を見せなくてストレスを抱えているという妻から、インターネットのQ&Aサイトに体験談が寄せられている。


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夫は、妻の父が経営する会社の従業員として働き、いずれは社長に就任することが決まっているという。しかし、妻の立場から見ても働きぶりが今ひとつだそうだ。


「お前の父親を二年で超える」などと夫は主張しているそうだが、妻にとっては「超えるどころかマイナス」で、仕事にも父親にも誠意を見せない姿勢に腹が立っているという。


「仕事ぶりが悪い」という理由で、夫と離婚することや、父親との養子縁組を解消させることは可能なのか。宮地紘子弁護士に聞いた。


●離婚や養子縁組の解消は難しい

「仕事ぶりが悪い」という理由で、夫と離婚することは可能なのだろうか。


「まず、当事者が合意をしている場合や離婚調停で合意ができた場合、裁判中に和解ができた場合には、離婚は可能です。


ただ、離婚裁判でも合意できない場合には判決となります。今回のような場合、『婚姻を継続し難い重大な事由』(民法770条1項5号)の有無が争点になります。具体的には夫婦としての信頼関係が断絶し、回復の見込みがないことと言われておりますので、単に『仕事ぶりが悪い』というだけでは該当しないと思われます」


父親との養子縁組を解消させることは可能なのか。


「普通養子縁組の解消についても、当事者が合意をしている場合や離縁調停で合意ができた場合、裁判中に和解ができた場合には、離縁が可能です。


ただ、離縁裁判でも合意できない場合には判決となります。今回は、『縁組を継続し難い重大な事由』(民法814条1項3号)の有無が争点となります。


具体的には客観的破綻の度合いと縁組の目的などの縁組成立事情を相関的に勘案して判断されますが、現在の破綻だけでは足りず、将来回復の見込みがないことが要求されます。ですので、やはり、現在『仕事ぶりが悪い』だけでは該当しないと思われます。


このように、当事者同士が合意できない場合には離婚や離縁は簡単ではありませんので、結婚や縁組の際には熟慮することが必要ですが、なかなか難しいのが現実ですよね」


(弁護士ドットコムニュース)



【取材協力弁護士】
宮地 紘子(みやち・ひろこ)弁護士
名古屋市出身。勤務弁護士を経て独立後は離婚や相続などの家事事件を中心とした案件を数多く担当。丁寧な対応がモットー。家庭では1児の母。「UP!」(メ〜テレ)にコメンテーターとして出演中。
事務所名:八事総合法律事務所
事務所URL:http://www.yagotosogo.com


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