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日産のゴーン会長を追放「クーデターではない。権限集中で負の遺産に」西川社長【会見全文】

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2018年11月19日 22:52  AERA dot.

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写真会見した日産の西川広人社長兼最高経営責任者(撮影・西岡千史)
会見した日産の西川広人社長兼最高経営責任者(撮影・西岡千史)
 日産自動車のカルロス・ゴーン会長が有価証券報告書に報酬を過少に記載した金融商品取引法違反の疑いで逮捕された事件で、日産の西川広人(さいかわひろと)社長兼最高経営責任者(CEO)は19日夜、横浜市の本社で会見した。

 報道関係者が200人以上集まる中の緊急会見で、西川社長は弁護士なども伴わず、一人で出席。ゴーン氏に経営の権限が集中していたことについて「実力者として君臨してきたことの弊害」「負の遺産」と繰り返し、謝罪会見というよりも、ゴーン氏の「追放」を強く印象づける会見となった。
 
 西川氏は冒頭で「ゴーン氏について重大な不正行為を確認した。内容について細かく説明できないが会社として断じて容認できない。解任することを決断した」と述べた。正式には22日に取締役会を招集して手続きするという。

 その上で西川氏はこう謝罪した。

「本件は内部の通報があり、社内調査の結果、ゴーン氏らの複数の不正が確認された。事案の内容を会社から検察当局に説明し、捜査に協力してきた。株主や関係者の皆様に不安を与えたことを謝罪する。カルロスゴーン率いる日産の信頼を大きく裏切ることになってしまった。大変残念で申し訳ない。私自身、経営会議のメンバーとして力を合わせてきたが、こういう重大事案になったのは、残念という言葉を超えて強い憤り、落胆している。従業員の中にもいったい何が起きているんだという状態で、私が感じていることが従業員にも広がっていくのではないか。社内の動揺を安定させ、取引先との影響を出さないように集中していきたい」

 不正の内容については捜査中として説明を避けた。今後の経営の進め方について、社外取締役を中心に第三者も入れて調査するという。

 仏ルノーや三菱自動車との関係については、変更が必要になれば調整していくとした。

「ルノーへの影響は大きいが、ルノーや三菱とのパートナーの関係に影響はなく、緊密に連携していく。将来に向けては、極端に特定の個人に依存した形の見直しの機会になる。43%の株を持つルノーのトップが日産のトップを兼任するのは、ガバナンス上問題があった。ゴーン統治で一人の個人に権限が集中したことは負の遺産で、時間を置かずに明確に手を打っていく」(西川氏)

 ゴーン氏と一緒に逮捕された同代表取締役のグレゴリー・ケリー氏については「ゴーン氏を背景に影響力を持ってきた」と話した。

 記者との主な質疑応答は以下の通り。

―日産のファンにどう説明するのか。

「私も大きなショックを受けている。重大事案で不安を与えて申し訳ない。多くの日産ファンにとにかく申し訳ない。できることはガバナンスについて猛省する。一人に権力が集中し、長年実力者として君臨してきた弊害は大きい。目に見える形で問題を解消していく。これを見ていただくことしかない」

―いつごろ内部通報があったのか。

「そこも含めて検察と連携しているので、現時点では答えを控える。いずれ話せるようになる」

―不正の中身は?

「開示の問題と私的な目的で投資資金を使ったこと、会社の経費の不正使用です」

―不正の行為者は逮捕された2人だけか。

「この2人が調査の結果、首謀であることは確認している。役員らの反応については、知ったのがつい先ほどなので、彼らも一体、何があったんだという感覚。取引先も大きな不安を抱えているので、そこを不安定にしないように全力を尽くす。役員が先頭に立って、日常の業務に影響が出ないようにする」


―解任する理由は。

「どの事案を見ても、会社としてみれば当然許容できない。虚偽であったり、支出が私的なものだったり」

―不正がいつごろから行われてきたのか。

「そこについてもいまは内容を申し上げられない。長きにわたってということ」

―ゴーンさんは日本で納税していたのか。

「私は回答できないが、当然日本で納税していたと思う」

―会社としてゴーン氏を告発し、損害について訴えないのか。

「それに値する事案であることは認識している」

―100億円近い報酬があったのに50億円しか公表していなかったとされるが、どういう処理をしていたのか。

「そこは確認をしている部分もあるが、今の段階では答えを控える」

―長期政権の弊害と言うが、どういう形で権力が集中したのか。クーデターのようなことが起きたと見られるが。

「今回の件は事実として見た場合、不正が内部通報で見つかりそこを除去するのがポイント。クーデターではない」

「ガバナンスの面では権力が集中したことが誘因なので、公正なガバナンスをつくる。権力の集中は長い間で徐々に形成されてきたとしか言いようがない。ルノーと日産のCEOを兼務していたのが無理があった。ケリー氏はゴーン氏の側近として仕事をしてきた。ゴーン氏の権力を背景に社内をコントロールしてきた。これが実感であり実態」

―取締役会の招集は22日でいいのか。

「招集して2日あけるので22日木曜日」

―今回の話を知っていたのは西川氏のほかに何人か。

「数名の単位と思っていただいていい」

―ゴーンさんはカリスマでリストラをし、剛腕を振るってきた。暴君だったと言えるのではないか。報酬の記載が無いのは粉飾決算ではないのか。

「記載は適正ではなかったので瑕疵(かし)を認めて是正はする。正直言って私もいまに至るまで、当面の対応に追われじっくり考えることをもう少ししたい。事実として初期に、ほかの人間ができなかった改革を実施した実績がある。その後は功罪、両方ある。それは私の実感です。積み上げてきた全部を否定できないが、最近の状況を見るとやや権力の座に長く座っていたことに業務の面で弊害も見えた。私も意見を言うことがあったが、こういう事態になったので、従業員にも目に見える形で手を打っていきたい」

―一緒に逮捕されたケリー氏はどういう影響力を与えたのか。ゴーン氏は日産の顔だが、ブランドへのダメージやアライアンスへの影響は。

「ケリー氏はもともと日産出身で、専務執行役員という立場で仕事をしていた。幅広い仕事をして、絶えずゴーン側近として動いていた。そういう意味で影響力が大きい。近年は会長へのサポート以上のものはないので、影響力は徐々に落ちてきていた。ゴーン氏と日産を重ねる人は多いが、日産は日産。日産ブランドをそのものとしてご愛顧いただく。今回の事案で大きなショックがあり、影響がないとは言わない。できる限り努力していく。ルノーや三菱自動車とのアライアンスの関係には影響せず、より緊密に議論して決めていく。日常の運営面では、3社の責任者が集まって方向性を話し合って決める」

―どういう調査を継続していくのか。

「社内調査はほとんど終わっている。状況把握はできている。後は捜査の進展もあるので、そこを見ていずれみなさんに話ができる」

―ゴーンさんの高額報酬について正当だったのか。権力の過度な集中を許した責任は。

「報酬については、日本全体でいろんな議論があるが、日本だから低いとか、欧米だから高いということは是正されていくべきだと個人では思う。権力の集中は、振り返ってみると後付けだが反省すべき点はある」

―検察当局と司法取引をしているのか。今回社長として責任をどうとるのか。

「司法取引については全くコメントできない。日産のファンもいればサポートしてくれたみなさんに、おわびをしたい。猛省すべきところもあるが、事態を安定化させることが私の責任。様々なことをスピードを上げてやっていかなければいけない。その先を考えることが来るかもしれないが、まずは集中してやっていく」

―アライアンスのメンバーとの反応は。ルノーや三菱の人はどう反応したのか。仮にルノーがゴーン氏を退任させない場合の対応は。

「私の方から報告してから時間がたっていないので、具体的な反応はない。後はそれぞれの会社で対応していく」

―内部調査は終了したと言うが、ゴーン氏からは話を聞いているのか。ゴーン氏がケリー氏に指示をしていたのか。

「ここは私から話しにくい。つかんでいる事実はあるが、そこの最終的な判断は捜査当局でする。ただし、2人が首謀なのは間違いないと見ている」

―後任の人事は。こういう不正をどうして見抜けなかったのか。

「ある部分、会社の中の仕組みが形骸化し、透明性が低かった。ガバナンスに問題があっても必ず不正が起きるわけではないが、この集中という部分でいろんなことが起きてもわからない弱点があった」

―社内で知っている人がいたのにゴーン氏に言えなかったのでは。

「不正について、なかなか表面化をしなかった。仕事をするときにぶつ切りにすれば、全体が見えない」

―日本市場を軽視していたのでは。

「全く軽視はしていない。日本初のブランドの価値は、いまの経営陣は十分認識している。日本のマーケットの重要性を見ているが、過去にその部分が十分に会社の中で認識されていなかった時期がある。なので商品投入には時間がかかるので、挽回(ばんかい)しにくいことがあった。ここは断言は避けたいが、ある意味偏った意見で商品投入された時期があり、結果としてお客様に訴求できなかったことがある。ここは事実だという実感だ」

―ルノーとの関係は。

「ルノーとのアライアンスの会社のCEOをゴーン氏が兼務しているのは変わりない。ルノーの取締役のみなさんと協議をして決めていく。今のとこをそれ以上の協議はしていない。これからそこを含め相談していく」

―後任については次会の株主総会まで決めないのか。

「取締役会にはかるので、いま話すのは時期尚早。2人の取締役は解任できないので、どの段階で株主総会を招集するのか、ガバナンスをどうするのか、社外取締役を中心に提言してもらう。総会の決議が必要なことも含め、対策していく。当面は22日に相談して、短期の対応と時間のかかる対応を提言してもらう」

―ゴーン氏から話を聞いていないことでいいのか。

「私は聞いていない。動機については控えさせてください。調査は十分にできている」

―ゴーンさんへの権限の集中の弊害と言うが、なぜこのような事態になったのか。振り返ってみて、それを許した原因は。

「なぜそうなったのかは非常に難しいが、人も入れ替わるなかで、私自身どういうことができたか反省しないといけない。2005年にルノーと日産のCEOを兼務することになった。私たちは日産にとっていいことではないかと思って、その時、将来どのようなことが起きるのか議論していなかった。一人個人に依存するのは将来を見通せないという質問もあるが、それが転機となった。私たちも十分分からない中で権力が集中していった」

 西川社長は会見の最後まで頭を下げることはなかった。最後の言葉は「ありがとうございました」だった。

(本誌・多田敏男 AERA dot.編集部・西岡千史)

※週刊朝日オンライン限定記事

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このニュースに関するつぶやき

  • やっちゃえ日産だもんw
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  • そらあお前、ばか正直に『クーデターです』という奴はおらんわ(笑)
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